司馬万太郎の残日録

司馬遼太郎の小説を読むことが好きな建築士の日常雑想録
  (競輪)・(中日ドラゴンズ)・(晴耕雨読)そして建築のこと

所心表明演説: by 鳩山

2009年10月26日 | 司馬遼太郎からの贈り物
 私は元来甘い人間なのでよりそう想ってしまうのかもしれないが、今日の鳩山首相の所心表明演説には感動してしまった。特にチョーク製造会社の社長と住職の話の場面では、目頭が熱くなってしまった。本当に甘ちゃんである。とも言えなくはない。その辺のところは充分考慮しても、今日に鳩山首相の演説はすばらしかったと想う。過去にこのように感動した所信表明演説は聴いたことが無い。リンカーンの演説がどれほどのものであったは知らないが、世界一の称号を与えてもいいとさえ想った。
 この演説の全てを中学校や高校の現国の教科書に掲載して欲しいとさえ想った。
首相の所信表明演説といえばこれから始まる国会での方向性を示すもので、国民にとっては日々の生活びゆくゆくは影響してくるものだし、社会もそれを反映していくことになっていく。憲法でいえば、前文のようなものだろう。今の憲法のように運用を間違えないようにして欲しい。

 私は、今日の鳩山首相の演説を聴いていて、少しではあったが美しい日本が頭に浮かんだ。安倍総理の時は美しい日本という言葉はあったが、少しもイメージできなかったし、何を言っているのかさえ解からなかった。が、今日は違った。
僅かかも知れないが、尊敬する司馬遼太郎が言っていた日本を取り戻す事ができるかもしれない。などと想ってしまった。

 鳩山首相の言った一言一言が、この政権の強い楔となる事を願ってやまない。

 話は変るが、私も黒板に向かってよくチョークを利用する。特に資格試験準備が本格化する7月8月は爪の隙間や指はチョークの粉まみれになってしまうし、ズボンや背広も粉で汚れてしまう。しかし2年ほど前から、鳩山首相の話の中にでてくる工場のチョークを使い出している。おかげで、粉は随分と粉が付かなくなっている。まさかそのチョークの工場の話が国会で出るとは想ってもいなかった。そして製造している従業員の多くが障害者であったことも知らなかった。これからは一本一本に感謝しながら使う事にする。・・・・・ただ、そのチョークは少し折れやすいような気もするのだが・・・・・折れやすいのを少し改良していただけるとありがたいのだが。

   ・・・・・今日は、ここまで。


CS第2ステージ 第3戦

2009年10月24日 | 野球、中日ドラゴンズ:藤井淳志
 第3戦、ドラの完敗だった。ただいい試合だったことが救いといえば救いだった。2戦も3戦も岩瀬を投入するパターンに持ち込まずリードしていて逆転の負けを食らっているが、それも仕方の無い事だ。いまの岩瀬で1点や2点で押さえを任せることは危険すぎるのだから、そこでの逆転も致し方無し。というわけだ。
しかし、このままではシリーズ進出は絶望的になってしまう。できる事は打順の変更しかあるまい。
落合も意地を張らずに藤井を6番に昇格させるべきだろう。和田と藤井を繋げて攻撃に厚みを持たせることだ。まぁ~この監督には何を言っても仕方が無いが、勝敗は作戦と確率、そして少しの運が織り成す産物であることは間違いないわけだから、冷静に数字を分析するべきだろう。
あまりつつくと井上のように生殺しにさせられてしまう可能性もあるので、このくらいにしておこう。
 このまま、今シーズン終了となっても、明るいチームになって欲しい。監督の姿勢や言動はチームに力を生み出す基なのだが、この監督は・・・・・

 選手諸君、明日もガンガレ。
楽天も頑張れ。

      ・・・・・・・今日は、ここまで。

CSセカンドステージ 第二戦

2009年10月23日 | 野球、中日ドラゴンズ:藤井淳志
 まさにアウェーでの戦いだ。
9回森野の見逃しはボールだと思いたい。
勝負にタラレバは禁物だが、今回のCSは少し酷い判定が目に付くようだ。
第一線では、スイングの判定だった。ドラは二人ともスイングを取られてアウト。ジャイアンツはノースイング。おかしな判定だ。
今回の森野の場合は大きな展開になるところだった。
場面は9回表、2点差、1アウト、ランナー2塁、バッター:森野、ピッチャー:クルーンだった。判定が間違いであれば、2点差1アウト、ランナー1・2塁で4番ブランコという事になるのだ。しかもピッチャーはクルーンだ制球に難があるのは野球ファンなら誰でも知っている。当然、もう一波乱起きる可能性は高かった。
だが、審判はその芽を摘んだ。
1戦2戦とも、ドラは審判とも戦わなければ勝てない場所で戦っている。
そうゆう目で第3戦を観る必要があると想う。それを感じてバッターも積極的にストライクを打ちにいかなければ勝利はむずかしいだろう。
 審判までもが敵だとは思いたくはないが、・・・・・・

試合は敗戦だったが、藤井君ホームランお目でとう。個人的には満足です。


   ・・・・・・今日は、ここまで。




CS 第1ステージ 通過

2009年10月20日 | 野球、中日ドラゴンズ:藤井淳志
何とかヤクルトを振り切ったが、やはり岩瀬は危なっかしい。
昨日も切れのないスライダー、勢いの無い直球と全くダメな内容でラッキイな併殺打に救われた。
今日は、楽勝の4点リードがあっという間にピンチ。内容はとにかく勝ってよかった。8回の2点が無かったらと想うとゾッとする。

巨人戦ではセーフティーなリードが無い限り岩瀬は使わないほうがいいだろう。今の岩瀬のスライダーは絶好のホームランボールに見えてしまうのがだが・・・

とにかく、東京ドームで4つ勝たなきゃならんのだから大変だ。
心強いのは打線が好調だと言うことだが、こればっかりは水ものなので過信はできない。チェン・吉見・小笠原・中田・浅尾に何とか頑張ってもらうほか無い。

楽天もがんばれ。

           ・・・・・今日は、ここまで。

CS 第1ステージ

2009年10月19日 | 野球、中日ドラゴンズ:藤井淳志
 負けたら後が無い一戦だった。何とか勝ったが全くドラらしくない勝ち方だった。吉見は期待通りだったが、得点は全くシナリオに無いものだった。
谷繁のホームランと荒木のタイムリー。まさにナゴドの神様が味方してくれたというしかない。
何でもいいから、もう一つ勝て。できれば、スカッと

    ・・・・今日は、ここまで。

    

リラックス? 氷河期突入?

2009年10月17日 | 建築
日付が変ったのでもう今日のことだが、休養日という事にする。
丁度いい具合に共同通信社杯も始まるし、夜はセリーグのCSもある。
退屈せずに済みそうだ。

競輪の方は二人の慎太郎と慎平それと好きな選手である岡部辺りを中心に買ってみるつもりだが、出走表さえ見てない段階なのでさてどうなる事やら。

CSシリーズの方は、どうやら藤井君も復帰してベンチ入りはするということのようなので、彼の出番を期待することにしよう。できればスタメンで出て欲しいとは想っているのだが、へそ曲がり監督のことだからあまり期待しないでおくことにする。

それにしても建築需要の落ち込みは酷い。惨状という言葉がぴったりだ。
昨年度比で30%超の落ち込み。だそうだ。昨年の今頃も同じような数字だったような記憶がある。つまり、一昨年と比べると半分以下ということになる。
そこへ来て、政権交代の影響で公共工事予算の大幅削減。完全に建築業界は冬の時代に突入するだろう。言ってみれば、「平成の氷河期」といえるくらい冷え込むだろう。もともと公共工事予算の中には今までに構築した建造物の維持管理費が30%程度盛り込まれているのが従来の予算のわけだし、それらの予算はあまり削減できない仕組みになっている。一昨年更には今年の予算内にはそれらの予算の占める割合が高いのだ。つまり予算に占める新規公共事業予算は50%程度という事なのだ。
勿論、税金なのだから無駄な公共事業に使う必要はない。必要な部門に使ってもらって一向にかまわないのだが、・・・・それにしてもという想いが無いわけではない。

公共工事を専門に研究する分野が必要ではなかろうかと想っている。大学などの光学系の分野ではなく、経済を大局な見地からみる中で公共工事を考える。社会学として考える。なども必要ではなかろうか?ということだ。

こんなことを言うのもどうかとも想われがちだが、公共工事の現場には大勢の人が作業員として働いている。決して安定的な仕事とはいえない人たちも大勢いる。
もし、その人達が職が無くて、生活に困って・・・・いけないことなんだけど、犯罪などに・・・魔がさしてしまったらと想うだけならいいんですが。
一つの犯罪が起きると、命にかかわるような犯罪が起きると、現行犯でおまわりさんだけで解決したとしても、一億円くらいのお金が事件解決~犯人の更正までにかかるそうです。逃亡があって捜査などと余分な労力が生じた場合はその倍は軽くかかってしまうそうです。日本は狭いようでけっこう広いです。いろんな地域でこんな事が起きたらたいへんです。治安の維持の根幹にも影響を及ぼすでしょう。
 これって市民生活に直結するための予算と多くの人が思うと想います。
これって、公共工事やってれば使わずに済むってこともあるでしょう。その辺のところまで含んで、費用対効果を調べて欲しいなんて想ってます。
少し時間に余裕ができると、つまらないことを考えたりします。

  ・・・・・・今日は、ここまで。

平成21年度二級建築士設計製図試験の分析と考察-15

2009年10月15日 | 二級建築士設計製図試験
     「二級建築士設計製図試験を考える」
    ・・・・工房への搬出入路から見えるもの・・・・10

 五つの法規の五番目は敷地内通路の問題だが、結論から言えば今回の課題では敷地内通路は特別な場合を除き不要だ。理由は簡単だ、非難階の階段から出入口の一にいたる距離が所定の距離以内であれば、その部分がその建物が満足しなければならない屋外への出口として認められるからだ。排煙等の無窓の居室を造ってしまった計画でも、その距離は30mだから道路面に店舗兼ギャラリーの出入口さえ造ってあれば、敷地内通路は不要となる。異種用途区画で住宅部分と店舗部分を区画したから、住宅部分は敷地内通路が必要と勘違いした受験者も多かったかも知れないが、区画に用いたものは開口部のない耐火構造の壁ではなく、防火戸で住宅部分と店舗部分をつなげてしまっているので、住宅部分から店舗部分に移動できる。店舗部分の出口=道路となり、敷地内通路は不要ということになる。
 ただし、今回の試験では、敷地内通路を確保しなければならない場合が一例だけある。それは、工房部分と店舗兼ギャラリーが二室一室の関係になっていない場合で、しかも工房部分に1/20の開口部が取れていない場合で非常用の照明が設置されていないものだ。この場合はいくら工房が避難階にあっても、避難上支障がないという条件を建築基準法上満足させるには、工房の出口が敷地内通路になっている事が要求されてしまう。
ただし、実務ではこの程度の建物の場合は避難口誘導灯などで、消防との合意などが得られた場合は、主事判断による場合もあるようだが、試験はあくまで建基法遵守遵守で、ダブルスタンダードは無いと考えるべきだろう。

結果としては、課題文にある「店舗兼ギャラリー又は工房のどちらかは、南面道路に面して配置する」の留意文を守れば、敷地内通路の法規違反は無くなっているのだ。ここでも、法規違反の項目を設計条件に昇華させていると言えそうだ。

以上で五つの法規の説明は終わりで、合わせて平成21年度の「二級建築士試験を考える」という稿も終わりなのだが、副題とした「工房への搬出入路から見えるもの」の意味が少しは解かっていただけただろうか。
多くの受験者を悩ませた工房への搬出入路だったと想うが、実はこの通路の要求によって、多くの受験者は3階建てに伴う様々な法規違反から救われていたのだ。試験元が練りに練ったシナリオなのだ。とりわけここではあまりに基本的なことなので書かなかったが、2階居室部分の採光は結果的に工房への搬出入路有効巾に指定があったからこそ確保できた受験者も多かったのではないだろうか。それなども試験元のシナリオの範疇であったと想っておいたほうがいいだろう。

以上で本年度の設計製図課題の考察は終わりということです。
拙稿のくどさにもめげることなく読んでいただいた方に感謝いたします。
12月まで少し時間がありますが、今となっては総てまな板の鯉です。果報は寝て待てともいいます。多くの読者に良い結果が訪れる事を願いながら・・・・・

   ・・・・・今日は、ここまで。

平成21年度二級建築士設計製図試験の分析と考察-14

2009年10月14日 | 二級建築士設計製図試験
   「二級建築士設計製図試験を考える」
   ・・・・工房への搬出入路から見えるもの・・・・9

五つの法規の4番目は非常用の進入口の確保ということだが、勿論正規の進入口を確保する必要はない。所謂代用進入口として、対象外壁面の水平距離10m以内に所定の大きさの窓を設置すればよいだけの話だ。
窓の大きさは直径1m以上の円が内接できる大きさ、又は、WHが750ミリ×1200ミリ以上の大きさということだ。設置する場所は3階部分の道路又は道路に通じる4m以上の空地部分ということだから、今回の場合は3階部分の道路面に一箇所要求された大きさの窓をつければいいのだ。平面や立面図に▼を記入する必要はない。
ただし、平面と立面若しくは断面図でその大きさが確保されている事が確認できなければ減点になる。比較的簡単で解かりやすい法規なので、違反者は少ないだろう。
 しかし、試験元はここでも課題文で法規の救済を行なっている。2階部分の屋根とは限定してはいないが、ルーフガーデンの設置だ。ルーフガーデンを設けそこに植栽をするということになれば、当然手入れが必要になりルーフガーデンにはそこへの出入口が必要になってくる。ルーフガーデンへの出入り口さえ確保されていれば、大きさてきにも代用進入口はOKとなっていくのだ。

 つまり、3階部分にルーフガーデンを設けてあれば、非常用進入口の有無で審査されるのではなくて、出入口があるかどうかの審査に変っているのだ。
ここでも、法規の項目を課題設計条件を守る守らないの項目に変えているのだ。

 ルーフガーデンについて少し余談をしておくと、植栽6㎡の確保のために花壇などを設置した場合、その図が平面や断面で明らかにベランダ立ち上がり壁につながっている場合、屋上広場等の手すり高さ1100の足ががりに該当してしまうような花壇を描いた場合は減点の可能性が出てくるので注意が必要だったのだ。減点となるかどうかは試験元次第だが、私は減点する。

 五つの法規の1~4では法規項目を課題文が救済していることを書いてきたが、それに対する試練についてもここで書いておくことにする。

 遵守すべき法規を課題文の設計条件に昇華させた試験元は、それでも受験者の作図が法規に抵触しているかどうかを受験者毎に区別する必要が採点上求められる。
そこで、総合的な判断の手がかりになるように、今回の試験では断面図に見えがかりの開口部の作図を要求したと考えるべきだろう。
勿論、切断面の位置や方向によって全てが明らかになるわけではないが、界壁の状況や開口部分の高さ・大きさ、更には形が明らかになる事によって、相当なところまで確定できることになる。これが、試練なのだ。
課題文にうまく従って条件整備できた受験者は、この断面図の見えがかり開口部が記入できなかったとしてもそれほどの減点にはならないだろう。しかし、そうでない受験者にとっては、思わぬ減点が加算される部分となったと考えられる。

 ・・・・・今日は、ここまで。

前原大臣に期待

2009年10月13日 | 建築
前原国交省大臣が建基法の改正案を来年一月の国会に提出と会見したようだ。
申請の簡素化、確認業務の迅速化、違反に対する厳罰の三つが柱だそうだが、個人的には、建築士法についても改正をしてもらいたいと想っているのだが・・・・
 まぁ、とりあえず、今よりは良い制度にしてもらいたいと強く期待をするしかあるまい。
意見募集はまだのようだが、多くの建築士の意見を反映してもらいたいものだ。勿論私も意見募集には参加したいと想っている。

・・・・ひょっとすると変るかも、という期待を込めて、
  ・・・・今日は、ここまで。

平成21年度二級建築士設計製図試験の分析と考察-13

2009年10月12日 | 二級建築士設計製図試験
   「二級建築士設計製図試験を考える」
      ・・・・工房への搬出入路から見えるもの・・・8

 前回は排煙について書いた。面積の小さい住宅部分は普通に窓が付いていればほぼ問題は無いが、要求面積の大きい店舗や工房ではあらためて計算してみると確保できていなかったという受験者が以外と多かったのではないだろうか。

 今回は3に書いた1/20の要求がある採光に有効な開口部だ。
住宅部分の採光1/7は多くの受験者が注意をはらう項目なので、比較的問題は無い。と同時に1/7が確保されれば自動的に1/20も確保される事になるので、意外と見落としてしまうのが店舗部分の採光ということになる。勿論、店舗なので居室などのような採光は不要だ。しかし1/20の開口確保がない場合は、所謂「窓その他の開口部のない居室」又は、「それらの居室を有する建築物」というところまで範囲は広がっていってしまう。その場合は主要構造部まで影響を及ぼす事になる。

 今回の課題を耐火建築物として、間仕切りも全てRCとした受験者にはほぼ関係のない項目になるが、そうしたつもりの受験者でも断面図の間仕切り部分が正しくRC間仕切りで表現できているかとか、この程度の規模のラーメン構造で間仕切り全てをRCにすることが妥当な処理と判断される平面計画であるかどうかという問題が生じてくることは、考えておかなければならない。

 話を元に戻して、店舗・工房部分の1/20の採光の確保を二部屋部分の行き来を引き違い戸で処理した多くの受験者は二室一室の考え方で、道路部分に3.5㎡の窓があれば問題はないことになる。店舗と工房部分を片開き戸でつないでしまった受験者は(ほとんどの受験者は道路面に店舗を配置してあると想っているが)奥に配置した工房単独で1/20を確保しなければならない。しかもこの開口部は採光に有効な部分(採光関係比率×採光補正係数×開口面積)という条件付というところが少々厄介な部分だ。つまり庇や軒の出にも注意を払わないと面積不足となり易いのだ。面積不足の場合は非常照明の設置で処理という方法がもっとも妥当な処理と考えられる。理由は他の部分や断面図に影響を及ぼさないからだ。
今までの説明で理解ができないという受験者は法規をよく読んでいただくしかない。
しかし、結果的には、試験元が用意した店舗と工房の直接行き来という課題文上手く守って二室一室を造れば確保は簡単だったことになる。
また、そうしなかった場合でも搬出入路の有効1200と隣地空き500以上を柱型まで意識して2m・1mの隣地空きを確保したうえで、工房への外部からの出入口と窓、狭い隣地面には窓を2箇所確保すれば何とか1/20が確保できるようになるだろう。ここでも課題文が法規違反を抑制していると言えなくもない。
 つまり、法規をよく理解していなくても課題文に忠実に計画すれば、排煙や採光1/20の法規違反にならないように試験元が導いてくれているという事だ。果たして搬出入路の要求はそこまでのことを考えての要求だと考えるべきだろうか。受験者個人個人の考え方に任せるしかないのだが、私は全て「試験元のシナリオである」と想っている。救済と試練の救済の部分だ。ここまでの経過を考えてもやはり今年の課題文は名作と言えそうだ。

    ・・・・・・今日は、ここまで。


タイフーン

2009年10月09日 | 雑想 
 すごい台風だった。我が家の被害は
軒先瓦下面土の崩落、墨入り漆喰で塗ったのだがたくさん落ちてしまった。
勝手口に置いた道具入れ物置(WHD=1200・1000・600)は飛距離が1mだった。ケーブルテレビは受信不能6時間。
事務所は朝から夕方まで停電でお手上げ、おかげで今日は喫茶店でゆっくりできました。

  ・・・・被害報告:今日は、ここまで。

平成21年度二級建築士設計製図試験の分析と考察-12

2009年10月08日 | 二級建築士設計製図試験
    「二級建築士設計製図試験を考える」
    ・・・・工房への搬出入路からみえるもの・・・・7

 このタイトルの意図を正確に伝えるには、工房への搬出入路の要求の意味するものとしたほうがよかったかも知れない。今となってはもう遅い。

 五つの法規の二番目は排煙、全く意識せずに今年の製図を行なった受験者もいることと想うが、店舗兼ギャラリーにも工房にも1/50の排煙に有効な開口部が必要なのだ。
それぞれ要求は35㎡以上だから、0.7㎡とやや大きな開口が必要になる。有効部分は居室の天井から80センチ以内の部分だから、少し厄介だ。
天井高を2500程度で描いた受験者はそれほど困らないと想うが、それでも2階梁成を700程度とすると、出入口などの有効内法高さは2200程度だったのではないだろうか。その場合は有効開口高さは、500という事になるので、出入口を2mの引き違い形式のドアとした場合の有効面積は0.5㎡でその他に外壁面で2200の高さに引き違い窓が同じように確保されていれば、合計1㎡の排煙面積があり、OKということになる。工房にも同じように排煙面積が要求されているので、0.7㎡必要になってくる。
ただし、直接行き来できるという要求に対して2室を引き違いドアでつなげた場合は、2室1室の考え方が適用されるので、合計の70㎡に対して1.4㎡あればいいということになる。つまり、出入口を含んで引き違いの開口部が2mの巾で3箇所あれば、減点は無いということになる。
2室のつなぎの部分を片開きドアとした場合、ひき違いとして2室1室で処理した場合、いずれの場合も排煙面積を意識できていれば、天井高2500程度で開口部の内法高さを2200程度で処理しておけば問題はなかったと想うが、それでも多目的便所は、課題文の内容から判断すれば店舗兼ギャラリーに配置するのが望ましいわけだから、店舗兼ギャラリーに2箇所の引き違い開口部をつけるのがやっとだったという受験者も多かったと想う。それでも工房に出入口を確保できた受験者はそれでOKとなるし、個別排煙になったとしてももう一箇所窓があればOKだ。
問題となるのは、開口高さを2mとしたり、天井の高さを2700などとした場合だ。
 天井高2500で開口高さ2000とした場合は、店舗兼ギャラリーと工房を合わせて7箇所の開口部が必要になってしまう。天井高2700で開口高さ2200の場合も同じだ。それらの図面はおそらく排煙に必要な開口部は確保されていない場合が多いだろう。当然法規違反となる。
 もし、課題文に工房への搬出入路の項目がなく、出入口をつけなくてもよかった場合は、更に多くの受験者が排煙面積を確保できない図面で終わったのではないだろうか。

   ・・・・・今日は、ここまで。


平成21年度二級建築士設計製図試験の分析と考察-11

2009年10月07日 | 二級建築士設計製図試験
   「二級建築士設計製図試験を考える」
     ・・・・工房への搬出入路から見えるもの・・・・6

早速、1階住宅部分の防火区画部分の描き方の話の続きからはじめる。
防火区画の表記の仕方で意見が分かれると書いたわけだが、実際この部分の考え方は難しいと想う。
一番解かり易いのは、RCの壁で区画してしまう方法だ。しかし、それさえも二種類の表記方法が考えられる。
一つは壁と柱を包絡させた方法でRCを意識させる方法
二つ目は柱と壁の接合部にスリットがさもあるような表記の仕方だ。
この二つはいづれもRCなのだから防火戸と一体で防火区画が成立する。
勿論、思わぬ減点を防ぐ意味では念のためドアには防火戸と書いておくほうがいいだろう。しかし、ドアが描いてあるが防火戸という表記がないものの扱いについては微妙というほかない。(注3)で防火戸と既に決められていてそのドアを描いたわけだから、ドアを描けばそれば(注3)に限っては防火戸である。という理解も成立していることになるかも知れないのだ。

1階部分の間仕切り壁を全てRCとした受験者にとっては、単に扉を描けばいいだけの話となってしまうわけだが、スリットを入れた受験者はその壁がRCであることの表記は図面のどこかでしてあるのだろうか。多少不安な部分という事にならないだろうか。

住宅部分の防火区画はなにもRCの壁でなけれはならないわけではない。両面30分の防火性能でOKとなるはずだから、軸組みを不燃材で造り仕上げも不燃材とすればOKということになる。その構造を採用した受験者はどこかにその事を表記したのだろうか。住宅玄関と店舗兼ギャラリーをつないだ受験者は、仕上げ表要求室である店舗兼ギャラリーの壁に不燃材と表記しただろうか。

防火区画を構成した住宅と店舗部分の区画から90センチ以内に開口部はなかっただろうか。その開口部に防火戸(あるいは遮煙性能表示)と表示しただろうか。

防火に関してついでに書くと、今回の敷地は準防火地域という事なので、当然のことだが延焼の恐れのある外壁の開口部にはそれなりの防火設備を備えなければならないことになるのだが、受験者は表記しただろうか。勿論、延焼の恐れのある部分を説明するための延焼ラインの記入などは不要なのだが、開口部に防火設備は必要だ。前にも昨日も書いたが、試験元はダブルスタンダードはとらない。しかし法規違反に対する減点は甘い。つまり、確実になんらか形で表記のないものは減点されるだろう。この部分は書けと書いてないからなどという理屈は通用しない。必要な法的知識が備わっているかどうか、しかも法規の中ではもっとも審査が厳しい集団規定に関する項目なのだから、違反は必ず減点となる。と思ったほうがいいだろう。

話が少しそれ始めたので、元に戻して。住宅部分の防火区画の話をする。
本来、住宅部分の防火区画は法規上の問題なのだが、先に書いた200㎡と同様に(注3)の記述があることによってこの項目も、今回の試験では要求室における特記事項(注意事項)違反に昇格している。従って配点は高い、そして様々な防火区画表現が予想されるために段階的な減点となっていくことが予想される。

五つの法規に関する解説の一つ目である竪穴区画に関する処理では、結局受験者は自分でその方法を選べず、試験元が設計条件として指定していた。そしてその知識が無い受験者でも、課題文の指示に従えば大きな減点はされないという項目になっていた。つまり法的知識を試験元が課題文で指定して解説まで加えて計画力を確かめる項目として扱った。というわけだ。勿論、知識の有無も多少の合否の判断材料にするため、表記方法で審査される事にはなった。それは平面図におけるもの・仕上げ表におけるもの・断面図におけるもの(区画部分の壁が断面に現れているものはRCであれば小梁が必要なってくる場合があるだろうし、不燃材使用の場合はスラブしたまで軸組を達しめ無ければならない)として扱われるだろう。

これで、竪穴(防火)区画に関する説明は終わりだが、書き始めるといろいろなことが頭に浮かび余分なことがこの稿を埋め尽くしそうになるので、あらためて9月12日の五つの法規の項目を書き出しておく。

・3階建という事で様々な法規を満足しておく必要がある。・・・と書いて
1、まず厄介なのは竪穴区画の処理だ。方法は二種類どちらを採用するか、又は採用できるかは当日の課題次第ということだ。

2、次は、排煙に有効な開口部の確保だ。1/50の確保だ。店舗部分で高い天井を要求される場合は要注意ということになる。

3、次は店舗部分の採光だ。1/20の確保だ。非常照明が必要にならないように注意したほうがいいだろう。

4、次は非常用の進入口の確保だ。代用進入口の位置に注意という事だ。

5、次は敷地内通路の問題だ。どのように処理するかは設計次第という事だ。

と書いたわけだ。1の竪穴区画(ついでに準防火地域に関する部分も含めて)の処理に関してはやっと説明が終わった。
2、3、4、については確保の説明。5については問題の処理しかも計画次第と書いた。試験の一日前だったので、随分と文言に気を使って書いたつもりなのだが、これから説明していかないときっと意図は伝わっていかないのかなとも想っています。

早速話が横道に反れるのですが、私は今年縁あって製図試験にかかわった受験者には上記の五つ(準防火地域も含めて)の法規を確実にクリアするよう指導しました。一つの確信のようなものがあったからです。7月各出版社の製図試験の解説本を見たのですが、全て残念な状態のものばかりでした。一つ覚えのように竪穴区画を書いているもの。防火区画をあいまいにしてしてしまっているもの。延焼の恐れのある部分を忘れてしまっているもの。図面での表記方法はお粗末といわざるを得ないもの。そうゆうテキストが多かったです。しかも2・3については全くといっていいほど解説はありませんでした。私は、これが今年の流れになるのならこの五つの法規を確実にこなせる受験者は少ない。と判断しました。五つの法規を間違いなくこなす事、これは受験者にとって必ず大きなアドバンテージになると判断しました。今年は、昨年のように試験前に設計製図のことを書きませんでした。忙しいこともありましたが、アドバンテージを守りたかった事も多少ありました。縁あった人たちには、9m敷地と11m敷地の課題も用意しました。そしてこうも言いました、「開口部をケチるな」「しかし、1m未満の外壁を造るな」これも徹底しました。さてその人たちはどうだったでしょうか。明るい表情の人が多かったようなきもしますが、そうでない人もいました。それほど難しい試験だった。ということです。でも私は想っています。最期はこのアドバンテージが救ってくれるはずだと。

次回は多くのテキストが見逃した排煙について解説をしていきます。

   ・・・・・・今日は、ここまで。

平成21年度二級建築士設計製図試験の分析と考察-10

2009年10月06日 | 二級建築士設計製図試験
  「二級建築士設計製図試験を考える」
   ・・・・工房への搬出入路から見えるもの・・・・5

設計製図試験の前日(9月12日)のブログで私は本年度課題の注意点を書いた。
その中で、法規についての注意事項を書いた。

 3階建てという事で様々な法規を満足しておく必要がある。と書いた上で5つの法規を列記した。「・・・?、工房への搬出入路とは関係ないじゃん」と想われる方もいるだろうが、実はこれが実に見事に連動している部分が多いのだ。そしてこの部分の処理方法こそが、ある意味で二級建築士の設計製図試験の内容を理解する上でとても大事な部分で、受験生はその事を認識して受験に取り組んで欲しい部分なのだ。五つの部分を再びここに書いて、それらが今回の試験ではどのようにかかわっていたのか、説明していく事にする。

 その前に過去の設計製図試験から、設計製図試験における法規の項目における試験元の考え方というものを、私がどのように想っているかを書いて行くことにする。
 あくまでも私が試験元はこのように扱っているのではないかと想っていることを書くだけのことであるので、異議を唱えられてもそれに応ずるつもりも無いし反論するつもりも無い。
過去の製図試験の課題文の内容や、製図試験で法規違反を冒しながら合格していった多くの受験者の図面から、私が到達した試験元の法規や法規違反に対する扱いと考え方だ。
 結論的には、試験元は設計製図試験における必要な法規や法規違反に対しては非常に甘い。ということだ。ただし、必ず減点はする。失格にはしない。という事だ。
この結論にはいろいろな意見があるだろうが、私は自分自身でももっともな事だと想っている。
代表的な理由はこうだ。二級建築士の設計製図試験の受験者は、学科試験の合格者である。学科試験には法規もある。合格者は25問中13問程度の正答で合格しているのだ。つまり半分近く間違っているのに試験元は合格としているのだ。
その人達が期間をおかずに受ける試験が設計製図試験なのだ。
 試験元はその程度の知識でよしとして製図試験を行なっているのだ。製図試験だけ一切の法規違反はまかりナランなどというスタンスは取ること自体がおかしいのである。行政などに代表される所謂公的機関の業務執行で一つだけやってはいけないことがある。それは、ダブルスタンダードという業務処理の仕方やものの考え方なのだ。
学科では半分近く間違えてもいいが、製図ではダメ。なんてことは、同じ二級建築士試験では行なえないのだ。今回の試験でもこんな質問がありました。「製図試験で居室の採光不足や代用進入口の記入忘れを行なってしまった、一発失格でしょうか?」などに代表される質問だ。私に言わせれば「何をバカなことを考えているんだ。法規の学科試験では散散(失礼!少なからず)間違いを冒して合格したくせに」というわけだ。ではどのくらいの減点なのか?私のスケールでは主要居室の面積不足に極めて近い減点だろうと想っている。

 そんなことを背景に思い浮かべながら、五つの法規に関する私なりの解説をまずは読んで頂きたい。(もう眠たいので今日は終わりにしたいのだが、いつも引っ張りぱなしで、更新もご無沙汰が多いという負い目もあるので、睡魔と闘いながらもう少しだけ書きます。)

まずは、竪穴区画。9月12日のブログでは、
「まづ厄介なのは、竪穴区画の処理だ。方法は二種類どちらを採用するか、又は採用できるかは当日の課題次第ということだ。」と書いた。
 二種類とはこうゆうことだ。
一つは、各階の階段や吹き抜け部分を階毎に防火区画する方法
もう一つは竪穴区画の特例とも言える方法で、3階建て以下の建物で200㎡以下の一戸建ての住宅はその部分と他の部分を防火区画をすれば、竪穴区画は免除される。というものだ。
 結果的に試験元は、面積の項目で住宅部分は200㎡以内という条件を添えて、後者を指定してきた。そして店舗併用住宅の用件を満たすため防火戸で二つの用途を結んだ。それが、設計条件の(5)の要求室にある表中の(注3)の項目だ。
私は、法規の項目で「結論的には、試験元が製図試験で必要な法規や法規違反には非常に甘い」と書いた。それがここにも表れているのだ。
ここでは、3つの必要な知識を救済している。
・竪穴区画の知識
・竪穴区画に代わる用途区画の知識
・店舗併用住宅の条件となる知識
この3つを、何も知らなくても(注3)に従えば解決できてしまうのだ。3つの知識が無い受験者は多いに救済された。各階の竪穴区画の知識しかない受験者も救済された。試験元は、200㎡と(注3)を記載しなければ多くの受験者が際限なく減点を冒すだろうといらぬ心配をしてくれたのだ。果たしていらぬ心配だったかどうかは誰にもわからないのだが、私は試験元の心配は妥当な判断だと想っている。
ここでの減点は、200㎡と(注3)の記入によって、扱いとして法規違反の項目ではなくなっている。試験元は、知識の面では救済をしたが減点では試練にしている。
200㎡や(注3)の項目がなくても過去の課題から住宅部分と店舗部分の行き来の項目だけはは課題文に書いただろう。その場合は竪穴区画を採用した受験者は竪穴区画違反の減点が生じるだけだったはずだ、どこかの階で不都合が生じたとしても、そこだけの法規違反の減点で済む。用途区画を採用した受験者も同様だ、200㎡の項目と1階部分の防火区画だけが、法規違反の審査対象になるだけだ。
減点はたかが知れているのだ。
今回、試験元が救済文を作成したため、200㎡は法規違反の減点ではなく、面積違反に昇格してしまっている。違反した場合は不幸な結果も覚悟しなければならない可能性もある。しかし、それさえ守れば他には減点されない可能性もある。
1階部分の防火区画に関しては、どうも厳密な表示を要求していないのだ。
具体的には、住宅部分と店舗部分が壁で仕切られて、行き来できるドアが書いてあるだけでOKの可能性もあるのだ。
「えっ!防火戸を記入しなければ減点ですよ」
という意見もあるでしょう。
「住宅部分と店舗部分はRCの壁で区画して、防火戸を設けなきゃ減点ですよ」
という意見もあるでしょう。

 ・・・・竪穴区画でこんなに長く書くつもりは全くなかったのですが、成り行きで仕方がありません。書き出した以上途中でやめるわけにはいきませんの続きも書きますが、・・・・・眠いので、

         ・・・・・・・・今日は、ここまで。