昨日はジェニィを空港までジョンと見送った。
いつも人を見送るのは寂しいものだが、これがジョンとの別れだとしてらと思うと、まだ先のこととは分かっていてもつらくなった。
今あるこのときをほんとうに慈しむように大切にしようと誓った。
今日は朝からバーニーに「病院の患者たちが待っているからね」と念を押すと早く行かなくては急いでくれた。
早く行けば、それだけゆっくりと患者たちとの時間を持てるからだ。
バーニーはいつもいろんな人たちから声を掛けられるが、それが今必要なのか、あとでも良いのかをバーニーにも考えてもらいたかった。
その期待通りバーニーはちゃんと考えていたが、それでも、いろいろと話していたがまずまずの時間を病院で今日は持てた。
病院では二人の患者が死にそうだった。
一人は弟が見守っていた。
その患者は昨日少し話すことは出来たが、今日は白目で荒く呼吸をしていた。
もう亡くなっているかもしれない。
その隣の患者が両腕と両足を入院してから四日は経つだろう、縛られたままだったが今日はもう呼吸も浅く、体温も下がり、腕には浮腫があた。
この患者ももう亡くなっているだろう。
二人の患者の前で永遠の別れを意識しながら祈った。
駅では昨日の転倒のこともあり、自分がイングリットと一緒に駅をまわった。
それから、イングリットとドゥワットとプレムダンにシスターローズアルバに挨拶するのと患者に会いに行った。
アイリッシュのジョンとバーニーはホープファンデェーションに向かった。
ティオとコラムは休み。
シスターローズアルバは外出していて会えなかった。
六日前に運んだ女性患者に会いに行こうとしたら、昨日の朝に亡くなっていた。
三日前に男性患者にプレムダンに運んだ時に彼女に会いに行こうと思っていたが、食事の時間だったので自分は会いに行くのを諦めていた。
あの時に会いに行ってれば、その後悔の念に縛られた。
自分たちは決して同じときを生きられない。
いつもその時その時、その瞬間瞬間を大切にしているつもりであったが、やはりそれはつもりであったことを思い知った・・・。
せめてもの救いは彼女が大切に扱われていたことを知っているだけである。
それが今もこの自分の救いになっている。
三日前の午後にコラムがカーリーガートに運んだ足にうじ虫がいた患者が見違えるほどきれいになり、とても幸せそうだった。
自分に会うなり、両手を差し出し、握手を求めた後、自分の両足に触れ、感謝の意を伝えてくれた。
彼の笑顔にも救われた。
ハウラーからも患者一人運ばれてきた。
ジョンとニナ、フランコが連れてきた。
フランコは大きな身体をしていてスキンヘッド、腕には大きな刺青もある男だった。
挨拶をすると自分は彼のことは知らなかったが、彼は自分のことを知っていた。
強面だが、とても愛らしい笑顔でする優しい男で安心した。
それから、一人でジュリアンスクエアでぼぅっとしていた。
すると一匹のリスがヤシの木を上っていった。
その姿がとても可愛かった。
その姿に救われた。
何日か前に三年前も会っているナースのなおみさんからプレムダンの女性患者で骨折をしている女性がいることを聞き、ずっと気になっていた。
その患者のことと亡くなった患者を引き受けてくれたことへの感謝の意を伝えようと女性病棟の委員長を待っていた。
そこでオペの必要な患者は自分たち駅のボランティアが引き受けるのでまた患者を運びますと約束した。
そのシスターは快く承諾してくれた。
その笑顔に救われた。
今日はアドレーションに祈りに行こう。