セレネでお茶しませんか?

このブログをご覧の皆さまへ セレネから愛をこめて・・・

もののふの姿(その1)

2014年03月13日 | セレネ美術館

本日は武者絵をご紹介。

八嶋壇浦海底之図 歌川芳艶 安政5年1858年

やしまだんのうらかいていのず   うたがわよしつや

 

安政5年は日米修好通商条約が結ばれた年です。

芳艶は、以前紹介した奇想の絵師、国芳の弟子

師匠に負けず劣らぬ大迫力の武者絵で人気を博しました。

さて、画面中央に大きく描かれるのは、平知盛(たいらのとももり)。

平清盛の四男で、清盛亡き後、平家の総大将として活躍した知将としてしられる人物。

壇ノ浦で平家が敗れたとき、「見るべきほどの事をば見つ。今はただ自害せん」といい残し、

いさぎよく碇(いかり)を抱いて海に没したといいます。

画中の知盛は大きな碇を抱き、顔の半分が変色している(・・・というべきか、

足元のカニ(もしかして平家蟹?)から立ち上る白い霊気のようなものが顔の半分をおおい、

その屈折率の違いから顔色が違うのかも?)、さらに幾本もの矢が背中にささったままで、

やや薄気味悪い印象

左には、美麗な衣装をまとった(矢がささってますが)「能登小二郎景盛」なる人物が大見得を切っている。

(調べてみましたがどんな人物かわかりませんでした。こんなに大きく描かれているから

なにかエピソードがあるはずなのですが・・・)

そして画面右には、安徳天皇を肩に乗せた二位尼(にいのあま)が端然と座しており、

その周りに青白い顔の武将たちが控えている・・・。

場面はもちろん海中で、左から右方向に強い流れが描かれています。

同じく左から右にの尾から胴体が描かれ、その頭は二位尼の足元に。

純粋な感想を言えば、はっきりいって悪の秘密基地みたい。

 

解説によれば、潔い最期を遂げた知盛は庶民の人気者だったそうですが・・・

まあ、そこが芳艶というところでしょうか。

 

幕末明治の浮世絵展概要&他の作品紹介へ

----------------------------------------------------------

幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

セレネ美術館HP

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。