関とおるの鶴岡・山形県政通信

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えん罪事件から社会の歪みを告発~映画「約束」~

2014年04月16日 | 平和と民主主義・外交

まちなかキネマで上映されている映画「約束」を観ました。
名張毒ぶどう酒事件でえん罪で死刑囚として投獄されている奥西勝さんの「生涯」を描いた映画です。
俳優達の迫真の演技が、実際の映像と融合して、事実以上に真実を訴える構成となっています。

奥西さんが、警察に強要された「自白」のみを唯一の「証拠」として52年間拘置所に閉じこめられていること、しかも、いつ死刑を執行されるかも知れない日々を19000日も過ごしてきたということの過酷さが生々しく伝わってきました。

過酷な生涯を強いられたのは、奥西さん本人にはとどまりません。
息子の潔白を信じながら死んでいった父親、母親。
母を毒殺されると同時に、母を殺したとして父を奪われた中学生の長男、小学生の長女。

そしてこの映画は、そのような理不尽を作り出している日本の司法の重大な歪みを告発しています。
裁判官の人事の全てを最高裁が握り、上級裁判所の意向に従い、原判決を守ることが義務づけられた裁判の仕組み。
本事件で再審開始を認めた地裁裁判長は、直後に裁判所を去ったと言います。
検察の控訴を受けて、決定を退けた高裁裁判長は、その後栄転。
これらの経過を裁判官の顔をクローズアップしながら伝えます。
こうした歪みは、奥西さんだけ、えん罪死刑囚だけ(これより重大な理不尽はありませんが)ではなく、日本の社会のあり方に暗い影を落とすものとして、深刻な問題意識をかき立てます。

 

 本作の優れた特徴は、奥西さんに関わる人々の人生を深く描き出していることです。
それは、不幸に陥れられた人たちだけではありません。
奥西さんを救うために、自らの生涯をかけてたたかってきた人々も、奥西さんの解放を目にすることなく、次々とこの世を去っていく訳ですが、正義のために不屈にたたかう姿は、崇高であり、暗く辛いこの映画の中の一筋の光となっています。
強大な国家権力を前にしては、余りにも細い光のようにも見えますが、しかしその輝きは強く胸を打ち、いつかきっと新しい未来を開くのではないかという希望を与えてくれました。

悲しみと、怒り、正義感をかき立て、行動を迫る=観る者の人生を揺り動かす名画でした。
上映を企画してくれた、国民救援会鶴岡支部の皆さんに感謝。

「約束」公式HPhttp://yakusoku-nabari.jp/

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