関とおるの鶴岡・山形県政通信

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山形県議会H30年12月定例会について~受動喫煙防止条例など~

2018年12月26日 | 県政全般
 12月21日金曜日の本会議をもって、山形県議会12月定例会が閉会となりました。
 党県議団は提案された議案の内、議第166号を除く全ての議案について賛成しました。主な問題について以下の見解を表明しました。(小見出しは私がつけたものです)

1.県民生活の苦境の中で 今、安倍政権による8%の消費税増税、物価の上昇、医療・介護・年金をはじめとした社会保障抑制による給付減と負担増が県民に重くのしかかり、特に高齢者や生活保護を始めとした低所得者の生活は急迫しています。
 コメ農家には10aあたり7,500円所得補償が廃止される中、30年産米の減収がコメ農家を襲っています。
 更に、来年には消費税増税が予定され、県民生活の苦境がいよいよ深刻化することが懸念されています。

2.補正予算を評価
 こうした中で提案された補正予算案には、低所得世帯等への福祉灯油購入助成や県立特別支援学校の冷房設備整備、障がい者雇用の採用試験経費補正等が盛り込まれました。
 福祉灯油助成は、渡辺県議も6月定例会の予算特別委員会で「今年度実施と、年度当初の予算化」を求めていたものであり、今回の補正予算への計上と、来年度当初予算への部局別の要望に盛り込んだことは評価し、今後の一層の充実を求めます。
 なお、補正予算には、知事、議員などの期末手当の増額に関わるものも盛り込まれています。
 この条例には反対しましたが、予算全体としては、福祉灯油やエアコンの設置を実施することなど総合的に評価して補正予算には賛成しました。

3.受動喫煙防止条例、前向きと後ろ向き 県受動喫煙防止条例が全会一致で可決されました。条例は、「努力義務」とはいえ、国よりも前向きな対策を含んだものです。東北でも初めて条例を提案した県の姿勢もあわせて評価し、賛成しました。
 一方、自民党委員から提案された付帯決議は「加熱式たばこは、国が『発生する煙が他人の健康を損なうことが明らかでないたばこ』としている」として、国に準じた運用(規制を緩める)を求める内容でした。加熱式たばこも発ガン性物質を含んでいることは既に明らかになっている中で、条例の趣旨を後退させるものであることから同意しませんでした。
 受動喫煙による死亡者が年間1万5千人とされる中、何よりも県民の生命と健康を守るという観点から、受動喫煙防止対策が一層推進されることを求めていきます。
 言うまでも無く、議会もその取り組みの先頭に立つことが強く要請されています。

4.障害者雇用の今後が問われる 県の障がい者雇用数が不適切な事務処理で水増しされていた件に関し、知事陳謝の上、知事と副知事の報酬を減額する議案が提出されると共に、正職員の障がい者選考試験が実施されることとなりました。
 不適切な事務処理が昭和51年から今日に至るまで見直されてこなかったことは、「認識不足」では片づけられない深刻な問題であり、障害者はもちろん、法定雇用率遵守に努力している民間事業者等から怒りの声が出るのは当然です。
 今後、積極的な障がい者雇用推進を図ることが、県の責務としていよいよ強く求められます。
 県議団としても、チェック機能の更なる強化と共に、施策の推進に一層力を尽くします。

5.伝統工芸品と中小企業支援
 常任委員会審査では、関県議は「中小企業スーパートータルサポートの維持・拡充」と「伝統工芸品の振興」について、渡辺県議は「県国民健康保険の動向」と「アルコールなど依存症対策」を取り上げました。
 特別委員会では、関県議は「義務教育におけるいじめ対策」と「不登校状態の児童生徒の学習の保障」、渡辺県議は「戸別所得補償の復活」を取り上げました。

6.問われる国保広域化
 国民健康保険は、今年度から都道府県化され、市町村が保険料を徴収して県に納付する制度となりましたが、18日の厚生環境常任委員会で県は渡辺議員の質問に対し、「来年度の納付金が増加する」と答えました。それは、国保税を引き上げる市町村が増加する可能性を示すものであり、制度の創設を進めた国の責任は重大です。
 全国知事会も提案したとおり国保税を協会健保並みに引き下げるため、国が国保に1兆円の財政支援を行うよう求めていきます。

7.競争主義は教育をゆがめている~中高一貫校反対~

 田川地区高校再編整備第二次計画骨子案(以下、「第二次案」)についての「鶴岡市内の関係者懇談会意見のまとめ」が文教公安常任委員会に報告されましたが、その中で、併設型中高一貫教育校の設置については、「賛同する意見が多く出された」とされました。
 しかし、懇談会の検討は、最大の問題点である「小学生の受験競争の過熱」と「地元中学校との間の格差」に関して、状況が異なる東桜学館の「中間検証」に拠って、「さしたる問題はおこらない」という前提でおこなわれたものです。
 また、懇談会は委員7名の過半を県・市職員が占めるという不適切な構成になっています。
 「地域のトップレベルの進学校の一貫校化」が受験競争を低年齢化・過熱させると共に、公立中学校間の格差を発生させることは、既に全国各地で明らかになっている事実であり、鶴岡南高校と北高校の統合・一貫校化もそのような状況をもたらすことは火を見るより明らかです。
 このような懇談会での検討を元に、結論が導かれてはならないと考えます。
 党県議団は、第二次案の中高一貫校設置は撤回されるべきと考えますが、県教育庁には、県民と共に考える姿勢に立って、議論を改めて進めることを求めます。

8.リニアコライダーの是非は科学者の判断尊重 定例会冒頭の4日、「国際リニアコライダーの誘致実現を求める決議」が提案されました。
 同研究に巨額の資金が必要とされることも含めて、是非については我が国の科学者を代表する機関である日本学術会議の検討が重視されるべきと考え、採決では退席しました。 
 なお、当時作業中であった日本学術会議の検討委員会が今月19日、「誘致を支持するには至らない」とする回答書を文部科学省に提出したことが報じられたところです。
                      
                                                                                以上