思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Hardy Phantom 9'(H61358) 10'(H62000)

2010-07-03 13:02:05 | Hardy Palakona
Phantomは1962年から1972年まで製造された竿で、1911年から1961年まで製造されたC.C.de Franceの後継機種として投入されたと言われております。

この竿はHollokona、つまりバット部分が中空構造になった竿です。

アクションは所謂ドライフライアクションできびきびしておりますが、強くフォーワード・キャストをしても毛鉤で水面を叩く事なくフワリとドライフライを置く事が出来ます。前にも触れましたが、黒いスレッドを巻いたPhantomはラインを目線より低く伸ばす事が出来るので、水面スレスレに、超スローに、ドライフライを何度も飛ばす事が出来、ドライフライの魚へのアピールも大いに増す様です。

私のPhantomはどちらも1964年生まれ。しかしながら、10'の方はハーディーでPhantom 10'の実物見本として長いこと保管されたため、手元に来た時は新品でした。



上は10'、AFTMで7番、下は9'AFTMで6番です。ただ、実釣では夫々6番、5番に落として釣るのが個人的に丁度良い様に思います。それからドライフライを魚にアピールする釣りではコントロールが大切なのでラインはDTが必須です。PhantomはDTを前提に設計されているのか、特にオーバーロードになる事はないと思います。


上の10'の竿尻にはゴムのボタンがついておりリールが地面に直接着く事を防ぐ様になっております。9'はペゾンの竿の様に竿尻でリールを固定するタイプです。


竿の銘は60年代の竿に見られる大振りで踊った様な書体です。


ストリッピング・リングはメノウ入りです。


しかしながら、トップはメノウ入りではなく、PVCラインの使用を前提にして設計されている事が良く分かります。シルクラインはザラザラしているので、メノウ入りリング、フルブリッジリングが竿に付けられ、リールにはメノウ入り等のラインガードが着いてました。これらはPVCラインの導入により不要になり、今の竿に見られるスネークが普通になったと思われます。


10'で7番の竹竿と言うととんでもなくゴツイと思われるかも知れませんが、さにあらず。特にボートからの釣りでは良く使いました。写真で使っているのはGolden Princess。6番のDTを巻いても十分バッキングラインを巻く事が出来るサイズのLight Weightシリーズのリールです。正確ではありませんが、90年代初めに購入した物です。

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2 コメント

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ファントム (flyukulele)
2020-02-08 20:57:18
こんにちは。
ファントム8fで5番指定の中古を持っています。
私のファントムも、ラインの番手を下げたほうが、竿との相性が良く、4番ラインを使っています。バットから曲がる軽快なキレの良いアクションで、その後に主流になったグラファイトのような感覚です。大きな書体なので、1970年頃だと思います。
4番で長さも8フィートあるので、大きなドライフライでテンポよく上流へ釣りあがる夏の渓流釣りに向いています。
もしかしたら、ハーディファンが求めるハーディらしさとは違うのかもしれませんが、お気に入りの竿です。
ファントム (budsek)
2020-02-09 11:59:58
flyukulele様
コメントをお寄せ頂き大変ありがとうございました。
8フィートのファントムは確かジム・ハーディー氏が一番のお気に入りとされていた名竿と憶えております。
確かに英国竿の鈍感さとは違うキレのあるアクションでお好みでない方もいらっしゃるかも知れませんが、この竿の凄いところはどんなに強く竿を叩きつけてもドライフライを水面にふわりと置くことが出来る点。とても不思議ですがそれを可能にするデザインを行った当時のハーディー社には脱帽です。
北アフリカ暮らしの際は飛行機に乗せるのに長い2ピース竿は不便でもう6〜7年使っておりませんが、来シーズンにはまた川を見せてやりたいと思います。

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