始めてから暫くは、フライフィッシングはドライフライの釣りと同意義でした。80年代の初め頃は、人の少ない渓流に行って早い流れにドライフライを乗せると数は多くなくともイワナ・ヤマメが相手をしてくれたものです。まだ、フライフィッシングは珍しい釣りでまず同好の士に会う事もありませんでした。
7フィート台の短竿にドライフライという釣りから他の釣りへと移って行く切っ掛けは幾つかありました。一つは、80年代後半のウェットフライブームの火付けになった沢田賢一郎氏の「ウェットフライフィッシング」を読んだ事、もう一つは89年の西ベルリンから始まった欧州生活でしょうか。
この本は1987年発刊で、その頃購入したものです。種々興味深い内容ですが、その中で渓流のウェットフライフィッシングの真髄として紹介されているテクニックがアップストリームのドラグフリーのウェットフライフィッシングです。
アップストリームに毛鉤をカーストし、ドラグがかかる一歩手前の状態を保ちつつ竿先に出るアタリを感知する。この理想を目指し幾度もトライして来ましたが、私の場合、1.魚の活性が高い事、2.ドロッパーを使ったシステムで水中深く碇を下ろした状況を作り出せる事、のどちらかが満たされないと、中々成功しないのが正直なところです。
魚の活性が高いと、リーダー、或いはラインがツゥゥゥと引き込まれアタリを感知出来ます。また、ドロッパーを使うと、水面から水中まで縦にフライを置く事が出来、それが碇の様に働き絶妙なテンションを掛ける事が容易になりアタリを感知し易い、その様に思います。ところが、養沢ではドロッパーシステムが禁止されているので、この釣法は取れません。
という訳で、私のウェットフライフィッシングは大体がダウンクロスのものになります。ダウンクロスの釣りでは、川の流れを利用して毛鉤にアクションをつける事が可能です。アクションをつける場所も、カーストした後のリールラインを長い竿先を使いメンディングする事で、自由自在とは言いませんが、自分の思うように決める事が出来ます。また、カーボンより反発の少ない竹竿を使っている事もあり、ダウンクロスでも魚に長く毛鉤を咥えて貰う事が出来ているのでしょう。
欧州の様々な川で釣って来ましたが、その大部分は、今振り返って見ると、ウェットの釣りでした。先週の養沢もそうでした。
(オーストリアのMur川で釣ったグレイリング。竿は1929年製Gold Medal(スチールセンター入り)10' 3pcs、St George、Kaizer Silk Line No.2。)
7フィート台の短竿にドライフライという釣りから他の釣りへと移って行く切っ掛けは幾つかありました。一つは、80年代後半のウェットフライブームの火付けになった沢田賢一郎氏の「ウェットフライフィッシング」を読んだ事、もう一つは89年の西ベルリンから始まった欧州生活でしょうか。
この本は1987年発刊で、その頃購入したものです。種々興味深い内容ですが、その中で渓流のウェットフライフィッシングの真髄として紹介されているテクニックがアップストリームのドラグフリーのウェットフライフィッシングです。
アップストリームに毛鉤をカーストし、ドラグがかかる一歩手前の状態を保ちつつ竿先に出るアタリを感知する。この理想を目指し幾度もトライして来ましたが、私の場合、1.魚の活性が高い事、2.ドロッパーを使ったシステムで水中深く碇を下ろした状況を作り出せる事、のどちらかが満たされないと、中々成功しないのが正直なところです。
魚の活性が高いと、リーダー、或いはラインがツゥゥゥと引き込まれアタリを感知出来ます。また、ドロッパーを使うと、水面から水中まで縦にフライを置く事が出来、それが碇の様に働き絶妙なテンションを掛ける事が容易になりアタリを感知し易い、その様に思います。ところが、養沢ではドロッパーシステムが禁止されているので、この釣法は取れません。
という訳で、私のウェットフライフィッシングは大体がダウンクロスのものになります。ダウンクロスの釣りでは、川の流れを利用して毛鉤にアクションをつける事が可能です。アクションをつける場所も、カーストした後のリールラインを長い竿先を使いメンディングする事で、自由自在とは言いませんが、自分の思うように決める事が出来ます。また、カーボンより反発の少ない竹竿を使っている事もあり、ダウンクロスでも魚に長く毛鉤を咥えて貰う事が出来ているのでしょう。
欧州の様々な川で釣って来ましたが、その大部分は、今振り返って見ると、ウェットの釣りでした。先週の養沢もそうでした。
(オーストリアのMur川で釣ったグレイリング。竿は1929年製Gold Medal(スチールセンター入り)10' 3pcs、St George、Kaizer Silk Line No.2。)