日本海側の山沿いで今後も大雪が続く見通しとなっていることから、専門家は、雪の重さで建物が倒壊するおそれがあるとして、こまめに雪下ろしをするとともに雪崩にも注意するよう呼びかけています。雪害について研究している新潟県長岡市の「雪氷防災研究センター」によりますと、雪は降り積もって圧縮されると固く締まって、新雪の4倍から5倍の重さになる場合もあるということです。
気象庁によりますと、年末からの雪で日本海側の山沿いでは、積雪がところによって平年の2倍を超えているところもあり、これから今週の後半にかけてさらに大雪となるおそれがあります。雪害について研究している新潟県長岡市の「雪氷防災研究センター」によりますと、新雪は1立方メートルあたりの重さがおよそ100キロ程度ですが、降り積もって圧縮されると雪が固く締まって新雪の4倍から5倍の重さになる場合もあるということです。
長野県栄村で30日朝、折れているのが見つかった橋の場合、橋の上の積雪が3メートル近くに達していたことから、新雪の場合で少なくとも600トンの重さが、圧縮されていた場合はその1.5倍のおよそ900トンの重さがかかっていたのではないかとみています。
「雪氷防災研究センター」の佐藤篤司参事は「雪は見た目の印象から軽いと思われがちだが、実際には見た目以上の重さがあり、積もって圧縮されればさらに重くなる。こまめに住宅の屋根下ろしを行うなど、雪による建物の倒壊に十分に注意してほしい」と話しています。
また、「雪氷防災研究センター」は、山沿いで雪崩の危険についても指摘しています。雪崩には、▽積もった雪の一部が滑り落ちる「表層雪崩」や▽降り積もった雪全体が滑り落ちる「全層雪崩」、それに▽地震などで地盤が緩んだ斜面に雪が積もり、雪と土砂が一緒に流れる「土砂雪崩」があります。このうち、「全層雪崩」は、雪崩が起きる直前に雪の表面に亀裂ができることがあるので、こうした場所には近づかないことが重要だとしています。一方、「表層雪崩」は、事前に亀裂ができるなどの兆候がないのが特徴で、突然起きるため予想ができないということです。「雪氷防災研究センター」の佐藤参事は「気象台などが出す積雪の情報を常に把握し、危険だと思われる場所には近づかないよう注意してほしい」と話しています。1月30日 20時0分