ミュージシャンの宇崎竜童さんの提唱で始まり、明治大学(東京・千代田区)を会場に、今年で4回目を迎える10月10日の「お茶の水JAZZ祭」の運営に、今回から同大の学生が参加している。
「若いエネルギーを注ぎ込んでほしい」という宇崎さんの思いに、学生たちも「新しいアイデアを出していきたい」と新企画を提案するなど、精力的に活動をしている。
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宇崎さんは明大在学中に軽音楽クラブに所属し、現在は同クラブOBでつくる「明治大学楽友会」の会長を務めている。
「母校に音楽で恩返しをしたい」という宇崎さんの提案で、2008年にスタートしたのがJAZZ祭。同大出身のジャズドラマーらによる特別ユニットの演奏などのほか、今年もギタリストの渡辺香津美氏、三味線の木乃下真市氏らが出演する。
JAZZ祭が軌道に乗る一方、宇崎さんの「現役の学生も巻き込んだ活動にしたい」という思いから、同大が今年、運営に参加する学生ボランティアを募ったところ、約50人の応募があった。学生たちは、会場運営や協賛企業の募集、広報などの担当に分かれて活動を進めている。
広報担当の経営学部4年岡田亮さんは、3年生までサッカー一筋だったが、就職活動が一段落した5月、「社会に出る前に今まで体験したことがない分野で活動をしたい」と加わった。
多くの人にJAZZ祭を知ってもらうため、同じ担当の学生たちと時間を忘れて話し合った。新聞やテレビなど大手メディアだけでなく、地域メディアにも協力を持ちかけると、中央区の地域ラジオ局から、学生たちが番組内容の決定にもかかわれる1時間枠の番組の提供を受けた。
宇崎さんのステージに招かれ、「夕食を食べながら、人生などについて熱く語ってもらった」(岡田さん)こともあったという。
さらに、JAZZ祭と同時期に大学周辺の商店街などで開催されるイベントに、「明大まちづくり道場」として参加を予定。神田のスポーツ店などで開かれる「神田スポーツ祭り」(10月29~31日)では、「自由に企画してほしい」と会場の一つとなる小川広場の一画を提供され、スポーツ体験教室や交流試合などの開催を提案している。
宇崎さんは5月末の学生との顔合わせの際、予定の1時間を超える3時間半、一緒に語り合い「終わった時に、みんなが感動できるムーブメントとして、新たに『まちづくり道場』を企画し、学生にも参加してもらった」と話したという。
岡田さんは「宇崎さんの『学生に期待している』という言葉を裏切らないよう頑張りたい」と話している。JAZZ祭は、10月10日午後4時半から。チケットの問い合わせは(0570・00・3337)へ。(2010年8月23日 読売新聞)