Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

福たけ@桜木町 なぜ福たけに人が集まるのか?!


福たけ。このお店は、2002年に登場したわりと新しいお店ではあるが、今や、千葉市内屈指の大人気店になりつつある。

今夜は、本当のところ、最近登場した「メガ豚にぼしつけ麺」というのを食べたかったのだが、(やはり)すでに売り切れ。しかも、日曜日の夜だというのに、10人以上の行列ができていた。30分以上待って、味噌つけめん(700円)を注文。

味噌つけめん、というか、味噌ラーメンの味が最近変化したらしいが、前の味を覚えていないので、ふむふむという感じだった。イメージ的には、すずらんの味噌つけ麺に近い感じかな。黒ゴマが印象的だったが、あまり突出していない無難なしょっぱいつけ麺という感じだった。悪くはないが、とりたててすごい出来っていうわけでもない。

そんな福たけだが、実際のところ、それほど人気がでるような要因があるわけではない。むしろ、負の要因の方が際立っている。

まず広い店内。一度に30人くらいは収容できるほどの大きな店内なのだ。だからか、注文してからラーメンが出てくるまでにかなり時間がかかる。よく評論家などが「席についてから待たされることを客は嫌がる」と言っているが、福たけの場合、見事にそれが当てはまる。
喫煙OKの店内。福たけでは、(夜の部では)まだ禁煙の動きはない。タバコをプカプカふかしているお客さんは決して少なくない。これだけ禁煙運動がさかんな今にもかかわらず、だ。もちろん客がラーメンが食べている横であっても、プカプカしている人は数人いる。
立地条件も限りなく悪い。この福たけは、最寄の駅というのが千葉都市モノレールの桜木町駅。それだけでも厳しいのに、さらにそこから徒歩10分以上。人通りも多いわけではないし、国道沿いとはいえ、決して恵まれた環境にあるわけではない。
とりたててすごく独創的なラーメンを出しているわけではない。もともとなりたけ出身のご主人が作るラーメン。背油チャッチャ系のラーメンがメインだが、今の現代の流行の最前線というわけではないし、なりたけほどのボリュームがあるわけでもない。麺の量は多めだが、なりたけ以上の豪快さが見られるわけでもない。・・・ 
*また、浅草開化楼の麺を使用していることを店内に掲げているが、そのことのすごさを分かるフリーク的なお客さんはそれほど多くない。

このように、負の要因は見事にたくさん指摘できる。

にもかかわらず、福たけは毎日毎晩、大盛況の繁盛振りを見せている。いったいなぜ福たけはこうまでも人気が高いのか。なぜ福たけは、常にお客さんが集まる千葉市内屈指の大人気店にのぼりつめたのか。決して環境的に恵まれているわけではないはずの福たけの人気の背後に何があるというのだろうか。

その要因は、店内をじっくり見ることで、うっすらと浮かんで見えてくる。千葉市内で苦戦しているラーメン屋さんとの対比をすることなく、このお店そのものにおけるこのお店の特質に目を向けることで、この問いに答えてみたい。

突出したラーメンはないものの、どのラーメンもつけ麺もある一定の水準を満たしつつ、麺の量や器の大きさで豪快さを演出している。そこそこしっかりと旨くて、そして量的にある一定以上のボリュームを感じさせることで(お得感)、お客さんの満足感をうまく引き出している。質と量という点では決して他に劣るものではない。だが、それだけで人気が出るわけではない。
味噌、醤油、煮干し、つけ麺といったバリエーションの豊富さによって、あらゆる世代に対応している。福たけに訪れる客層は実に様々。意外と家族連れが多いのも特徴的。また、友人などを誘って複数人でやってくるお客さんが多い。若者だけに客層が限られていない。好みの多様化にしっかりと標準を合わせている。①との関連で言えば、どのメニューも一定以上のレベルのものが出されるがゆえに、「どれを食べても美味しい」という価値が付随してくる。
テーブル席が二つあることで、小さなお子さんや家族連れのお客さんが集客可能になっている。これは結構大きなポイントといえそうだ。このお店は、立地的にも、家族連れになるお客さんが多い。ゆえに、家族連れのお客さんに優しいラーメン屋さんとしてのステータスを得た。しっかりとこの土地の特徴をリサーチした結果と考えてもいいかもしれない。
店主と客の間の物理的/心的な隔たり。このお店の特徴は、お客さんとのコミュニケーションがほとんどない、という点にある。これは、戦略なのか、気質なのか分からないが、店主が特定のお客さんとお話する姿をお目見えすることはほとんどない。黙々と作っている姿勢は、(良くも悪くも)個性的だ。特定の個人を無視することで、逆に一般の人に気安い雰囲気を与えているともいえなくもない。一見さんも常連さんも臆することなく、無難に来ることができる。突き放すことで、顧客を得るという戦略がこの土地に合っていた。
⑤立地条件は限りなく悪いが、駐車場がとても広く、信号のある交差点の角地にあるがゆえに、車のお客さんをしっかりと得ることができた。この駐車場の広さは、かなりのポイントアップにつながっていると思う。ほとんどのお客さんが車で来ていることからも、これは大きな正の要因だと思う。立地は悪いが、その分、たっぷりと駐車場をキープすることができた。

福たけから学ぶべきことは実に多いと思う。これだけの人気をしっかりと持続できているというのは本当にすごいことだし、わずか6年で、それほどマスコミに露出することなく、ここまで人気を博すことができた、というのは、それこそ特記すべき点だと思う。なんとなく最近は王者の貫禄さえ漂わせているように思う。このお店は、都市部の郊外型のモデルとして、よいお手本になるのでは?・・・

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