イタリアンでも食べルッカ

おいしい物と個性豊かな料理人達に囲まれた料理学校での日常記

絶滅危惧名著を救いたい方へ

2013-03-01 11:10:47 | 雑詠
緊急呼びかけです。

間接的知り合いの著書ですが、版元の倒産により、倉庫から持ち出すことも
引き取ることもできず、このままだと3月8日に強制廃棄処分になってしまう2冊です。

テーマはそれぞれウィーン菓子&カフェ、フィレンツェにある通好みのレストラン。
レシピつき。

おいしいものに興味のある方なら絶対に買って損はなし!

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ご協力感謝します。

更新サボッてます

2013-01-14 21:22:06 | 雑詠
ブログ更新がぜんぜんできていませんが惰眠をむさぼる意図はさらさらなく
むしろ朝から晩まで用事や仕事に追われて
「貧乏ヒマなし」を体現しているつもりなのですがその原因は。

1.お正月の間は、マリちゃんに
「親戚の女性が編んでくれたが、襟元がきゅうくつなので」と
お直しを命じられたセーターを編み(模様編みの部分、2回もほどいて編み直し)、


2.昨日・今日は茶道表千家師範の実力を持つ友人に頼まれ、初釜のお菓子「花びら餅」を製作。
去年まではういろう生地で作っていたけど、本家本元「川端道喜」のご主人によると
ぎゅうひ生地が正統派らしいのでそちらに挑戦。

難しかったのは打ち粉として麺台に敷いた片栗粉を和紙で平らにのす力加減と、
生地をのばすのは冷ましてからなのか熱いうちなのかその適温がわからないことと、
あと生地に弾力性がありすぎてだんだん縮んできてしまうので、
最終的に直径8センチの円形に仕上げるには最初型抜きするときの直径を何センチにすればいいのか迷うこと、
の3点。



生地。のばし方はめん棒を使わず、フォカッチャ生地の1次発酵が終わって
天板に移してから手で押しつけるようにのばしていくやり方と全く同じなので、
ピッツァやフォカッチャが得意な人には簡単だと思います(おお、イタリア料理との接点が!)。
ぎゅうひそのものは初夏の「若鮎」を作る時に毎回作っているので慣れていたんですが、
最後に入れる水あめが、6月と違って固く冷えていてうまくすくえず、湯煎にかけて温めた時はあせりました。


白餡は作って冷凍しておいたのがあったので、煮直して、友人から白みそを分けてもらって仕上げに加える。
京都はお雑煮が白みそ仕立てなので、今の時期はたいていのお家に白みそがあるから便利。


ごぼうの蜜煮。最初に酢水であく抜きするのですが
去年たまたま米酢を切らしていたのでかわりにユズの絞り汁を入れて下煮したところ
うっすら黄色に染まり、ユズのほのかな風味がついて大好評。で今年もその手で。


各パーツの置き方は、やはりお茶の師範である叔母がメモを残してくれていたのでそれを参照。


めでたく完成、友人にお薄をたててもらって試食。
ひし形に抜く方の薄桃色の生地をもう少し濃くすればよかったな、と思ったくらいであとはまあ及第点。
いろんなブログやHPのレシピを見るとぎゅうひ生地に入れる砂糖(と水あめ)の量が
ずいぶん控えめになってきてますが、基本の「白玉粉1:砂糖2」の割合で別に甘すぎはしないと思われます。


ジャンルーカ先生来日中

2013-01-14 00:45:44 | 料理学院
ジャンルーカ校長が現在来日中で、14日から16日まで、国立文流店でフェスタを開催しております。
(いちど18日と書きましたが間違えていました。失礼)

今回メニューにストッカフィッソ(干ダラ)とネピテッラ(カラミンサ、ネペタ)が
含まれており、タラはルッカで買って運び込み、ネピテッラはドライにしたものも用意しましたが
我が家の庭に寒さにもめげず生える、というよりははびこっており、花まで咲いているので
数株根こそぎビニール袋につめて、宅配便でレストランの方に送りました。
というわけで今回ご来店のお客様には、フレッシュのネピテッラをお味見いただけます。
Buon appetito!

アーカイヴ2012年10月22日 卒業制作&謝恩会

2012-12-31 01:04:20 | 料理学院
10月22日(月曜)卒業制作・卒業式・謝恩会



週開けていよいよ最終週。といっても5日間あるのにいきなり卒業制作発表会、卒業式、謝恩会というのも珍しい。
普通は水曜か木曜あたりにもってくるのだが、今回どうしてもスケジュールが合わずこうなったらしい。
例年と違う点がもうひとつ。だいたいは、和食に関しては日本人の生徒さんにほぼ任せるが
イタリア料理に関してはジャンルーカ先生とマリちゃんがメニューを決めていた。
が、今回はイタリア人生徒が多く、しかも出身がヴェネト、プーリア、カラブリアとヴァラエティに富んでいるので
それぞれにお得意の郷土料理を作ってもらい、ジャンルーカ先生自身は前菜の2品のみ担当。
といっても両方とも先週に仕込んであり、この日は仕上げだけなので助手のマリちゃんも暇ゆえ……というわけではないが
リクエストが多かったお得意のマグレブ料理「クスクス」を昼食に(写真は盛りつけ中のひとコマ)
やはりマグレブの伝統的なビスケット(?)「シャレック」とミントティーをディナー用に作ってくれる。
1人だけでお国料理を披露する米・ロシア勢はというと、アントニー君がバーベキューソース味のスペアリブ。
「アメリカを代表する料理はハンバーガーだろ?」というのがお決まりのジョークなのだが
過去登場したアメリカ人生徒はだいたいバーベキューを提案しますね。
もっともなぜか全員シカゴ出身だったから、正確にはシカゴ料理(?)なのかもしれない。
対するロシア代表エカテリーナはというと、先日ご主人がはるばる持って来てくれた
キャビアやスモークサーモンをあしらったオードブル。おお、豪華。

それにしても、あらためてイタリア料理というのは地方料理の集まりだ、と思う。
実は今回参加のイタリア人生徒たちは、それほど経験がある人ばかりでもなく、それどころか料理好きばかりでもない。
試合中のケガで選手生命を断たれた元サッカー選手とか、料理人ならツブシがきくかな、という軽い気持ちで
この道に入ったような男の子たちもいるので、いきおい講習中の彼らの動きはそれほどよくない。

ところが今回は彼らが自分たちで選んだ郷土料理だから、みんな手際がものすごくいい。
手順にも、使うオリーブオイルや塩の量にも迷いがなく、しかもいつものルッカの生協の調味料や食材を
使っているのに、チャーンと「プーリアの味」「カラブリアの味」を出してくるのだ。

対する日本料理は、ごく標準的なメニューに落ち着いた。
作りたいものを選んだというより、限られた食材や器具や時間で失敗なく作れそうなもの、
イタリア人生徒やお客様が抵抗なく受け入れられそうなもの、リクエストがあったもの、に
絞っているからいきおいこうなるのかな。
とはいえ、スシといえば江戸前のにぎりか、巻きずしというのが通り相場になっている傾向に
京都人のワタクシとしてはいささか不満であります。


昼食

Cous cous royal 王侯風クスクス
クスクスに吸水させて蒸して、ほぐして、もう一度吸水させてほぐして、バターで味つけして、
野菜と子羊肉とを全部形を変えて切って、時間差をつけて煮て、スパイスをいっぱい組み合わせて……
ただでさえ手順が多いのに、ディナー用の仕込みをしながら手伝ったので大変。でもその価値はある!
 

Curry rice カレーライス 
日曜日の夕食用に作っておいたものの残り、もとい、イタリア人生徒たちのために残しておいてあげたもの。
Caffè エスプレッソコーヒー

夕食

和食の部:
筑前煮
つくねの照り焼き
かき揚げ
巻きずし

洋食の部
Terrina di campagna田舎風のテリーヌ 
Carpaccio di lonzza marinata agli aromi 牛ロース肉のマリネ 以上、ジャンルーカ先生担当
Tiella pugliese プーリアの郷土料理「ティエッラ」アレッサンドロ君担当
Insalata di mare 海の幸のサラダ リヴォルノ組ことエンリコ君とダヴィデ君担当
Torta di acciughe アンチョビのタルト カラブリア出身マリエッラ担当
Sandwich tricolore 三色サンドイッチ ロシア代表エカテリーナ担当 
Barbacue con rostinciana 豚スペアリブのバーベキューソース 米国代表アントニー君担当
Tcharek シャレック アルジェリア在住経験者マリちゃん担当
一面に粉砂糖がかかっていてとても甘そうです。事実甘いです。オレンジの花のエッセンスと粉砂糖とアーモンドがいっぱい。
どこかで聞いた組み合わせ……そう、シチリアの伝統菓子によくあるパターン。
アルジェリア在住時代に買ったというお菓子の本のフランス語を解読しあちこち軌道修正しながら作ったのですが大成功で、
少し残しておいた分が、1か月後に「ワインと料理のマリアージュコース」で活躍します。

Tiramisù alla nutella 「ヌテッラ」入りティラミス ヴェネト出身アレックス君担当
Budino di zucca かぼちゃのプリン(いちおう和菓子のつもり)
thè alla menta ミントティー、アルジェリア風 「シャレック」と合わせると抜群!
Caffè エスプレッソコーヒー

お料理に舌鼓を打った後は卒業証書の授与、乾杯とハグとエールの交換、記念写真の嵐……
後片付けが終わったのは真夜中過ぎ。
生徒の一部は延々二次会(?)に突入し、いっこうに寝る気配も帰宅する気配もなかったので
「明日の朝になってもまだやってるんじゃない?」と噂しながら車で送ってもらって帰宅。

例年なら「今日は御苦労さま。みんな今日はいっぱい働いたから、明日はちょっと遅めに始めよう」
という運びになるのだが、今回は変則的スケジュールなので、翌日も普通に講習があり
しかもミシュラン2つ星レストランの先生が来て、思いっきりはしょった書き方のレシピを
手掛かりに創作魚料理を作ることになっていたので、少々不安を残してはいたのですが……



アーカイヴ2012年10月19日 ベアトリーチェ先生

2012-12-30 00:20:32 | 料理学院
10月19日(金曜)ベアトリーチェ先生

もんだい

花の都フィレンツェはヴェッキオ橋にまぢかい高級リストランテから
元ファッション・デザイナーだった大人でお洒落な女性シェフの登場……と来れば
作られるメニューは何でしょうか。次の選択肢から正しいものを選びましょう:

1)トスカーナ料理の粋を集めた伝統料理
2)ファッションセンスを生かした今年の流行最先端料理
3)先生の十八番

正解は18番、いえ3番。
1)が不正解なのは、先生は生まれも育ちもマルケ州なので、いくらフィレンツェの中心地で店を
切り廻そうが、クリントン元米大統領を招いた公式晩餐会の席上で注目を集めた経歴があろうが、
「マルキジャーナ(マルケ女)の分際でトスカーナ料理など出した日には、頭をブチ抜かれてしまう」
からだそうです。あな恐ろしや。
2)が不正解な理由は、本業のお店の方が忙しすぎて、なかなか当校のためにオリジナルのレシピを
書きおろしてもらうなどということができないから、でありましょう。毎回期待はしているんだけど。

というわけで過去にも登場願ったお料理ばかりだが
「一流と二流の料理の違いは、ひとつには切り方にある」との持論のとおり
丁寧に美しくカットされたのち、パンチェッタや香味野菜やハーブで「ダシ」をきかせて
先生独特の繊細なセンスで盛りつけるお料理の数々は、何度見ても素敵なんですよねえ。

昼食(私達の分)

Tortino di riso alla pescatora in crosta di pomodoro e salsa di aglio e prezzemolo
カジキマグロを使ったリゾットを、湯むきしたトマトの薄切りで包んでプディングのように盛りつける。
ソースはニンニクとイタリアンパセリで、香り高く色どりよく。



Mille foglie di verza con calamari, patate allo zafferano e salsa d’albume
柔らかくゆがいたちりめんキャベツと、やはり柔らかく火を通した(難しいのだぞ)ヤリイカを
ミルフィーユのように重ねた、とても淡白で上品な一皿。ソースはじゃがいも、サフラン、卵白。



昼食(先生の分)
もうこれは「お約束」。言わずと知れたトリッパのフィレンツェ風。
「自分の作った料理なんか食べたくない!ジャンルーカのトリッパが食べたい」と
毎回のようにリクエストがあるので、前回作った時にすぐさまお取り置き&保存しておきました。

Tortino all’arancio con crema inglese al Grand Marnier e julienne di zestes fritta
オレンジ風味のカップケーキ ソースのアングレーズクレームにもオレンジリキュールが入り
皮も捨てずに千切りにして、油で揚げてトッピングに。


Caffè エスプレッソコーヒー

夕食
子羊の煮込みとポレンタ(午後のコースのメニューのお流れ)
Zuppa di verdure 野菜のスープ(同)

Trancio di spigola con porri, salsa di porcini e mirepoix di pecorino
豚ほお肉で包んだ白身魚とポロねぎ。ソースはポルチーニ茸とペコリーノチーズ。
どれをとっても主役級の食材ながら、違和感なく一皿にまとまっている贅沢な一品。

Caffè エスプレッソコーヒー

これでこの週(10月15日~19日)の講習も一段落。この期もあと1週間を残すのみ。
全員の研修先も決定、週明けの月曜日に予定されている卒業式&謝恩会(食事会)のメニューもほぼ固まり
生徒一同でジャン先生&マリちゃんに贈ろうとひそかに計画している特注コックコートの発注もすみ
唯一気がかりだったのは、ちょうど卒業時&移動期間、次の「料理とワインの相性を学ぶ特別コース」の
開講にまたがって開催される、スローフード協会の2年に1度の最大イベント
Salone del Gusto に我々は果たして行けるのか?という大問題でした。
思った通り次の週の前半は、この問題で右往左往することになります。





Buon Natale!

2012-12-25 11:26:34 | 雑詠
キリスト降誕祭。
なぜか、真っ先に届いたグリーティングメールが、ロシアのエカテリーナからだったりする。
ロシア正教徒の降誕祭は1月で、仏教徒の場合は4月8日の花祭りが降誕祭では……?
まあ隣人愛を再確認する機会として有効であることは否定しません。

ナポリのサン・グレゴリオ・アルメーノ通りで買ってきたプレゼビオ用のフィギュアが2体あるけど
脇役ばかりで、かんじんの聖家族が抜けているので、絵ハガキでカバー。
皆様楽しいクリスマスをお過ごしくださいませ。

冬至の食べ物

2012-12-23 22:17:25 | 雑詠
愛媛出身の父が植えたユズの木がまた実をつけたので
冬至のユズ風呂用に、あちこちおすそわけに歩く。
最後は20年来のイタリア語友達と、そのお母様と、3人でパスタ屋さんでの夕食。

冬至にはユズ風呂に入り、中風よけのカボチャを食べる、というのは知っていたが
「ん」が2つつく食べ物を7つ食べる、という風習は初耳。

「レンコンとか、ニンジンとか」「かぼちゃもナンキンだし」
「うどんも、ウントンと読めるから、いいらしい」

で、3人で考えた黄金の7種:
レンコン
ニンジン
カンラン(甘藍。キャベツのこと)
ギンナン
ナンキン
インゲン
ウントン

なるほど、根菜や緑黄色野菜は体にいいし、うどんは体が温まりそう。

ところがこの日のパスタはカンメンではなく手打ちだったし
ラグーソースは頼まなかったのでニンジンもなかったと思うし
ポンキンもなかったし(ご存知?ズッキーニが江戸時代に日本に伝来した時の名称)
お水もガスなしだったので、タンサン水ではなかったのだ。
かろうじておつまみにオリーブ(これもカンラン=橄欖)があったけど友人にゆずったし
どうも、成績がかんばしくない。
ザンパンなら平素食べているんですが。

チンゲンサイとかバンバンジーとかナンバン漬けのような「外来種」や「複合語」もいいのだろうか?
というギモンが湧いたが、自主規制します。

たとえば、極端な例だけど

アンパン
アンマン
ボンタンアメ
シンゲンモチ
ナンキン豆
ウィスキーボンボン
シャンパン
おまけその1 ジンタン(絶対口の中がキモチ悪くなる)
おまけその2 タンサン(重曹。胃薬として)

という食事(?)をしたとしても、健康によいとはおよそ思えないんですよねえ。

あとで調べると、ちゃんと「冬至七種」といって内容が決まっているらしい。
(最初のリストから「カンラン」と「インゲン」が抜け、かわりに「キンカン」「カンテン」が入る)
でも「黄金の七種」もなかなかに捨てがたいので、来年トライしてみます。





10月18日 ジャンルーカ先生の豪華絢爛メニュー

2012-12-20 17:27:52 | 料理学院
10月18日(木曜)ジャンルーカ先生

本科コースも余すところ1週間少々。月曜日(10月21日)には卒業制作展を兼ねたディナーパーティも予定されていたので
そのための仕込みもそろそろ始めなくてはならない。
生徒さんもそれぞれ郷里の自慢料理を披露することになっており、アメリカ代表アントニー君はアメリカ風バーベキュー
(前年はシカゴの料理大学の学長のジョージ、そこの卒業生のカルリーンも何年か前に作っていたから
アメリカ中部の国民的料理なのかも)、ロシア代表エカテリーナはキャビアを使った一品を作ることになっている。
この日の講習でとりあげた前菜2点も月曜日のディナー用:

Terrina di campagna田舎風のテリーヌ 
ウサギとかカモじゃなくて豚肉だから「田舎風」なのかも。肉は1晩塩漬けにし
炒めた玉ねぎやにんにく、スパイスと合わせてミンチにしてから網脂で包んでじっくり2時間湯煎で焼く。
土曜・日曜は講習はないから、確かに今から仕込んでおかないと間に合わない。

Carpaccio di lonzza marinata agli aromi
ロース肉をハーブソルトで3日マリネしてから、さらにオイル漬けに。こちらも今から始めて制限時間ギリギリ。
サービス時にはサラダやクロスティーニを添える予定です。

昼食(上記の事情により今日は前菜ヌキ)
Ravioli con carciofi アーティチョークのラビオリ 

半月型に仕上げるラビオリもなかなか可愛いでしょ。
中はクリーム状に仕上げたアーティチョーク、ソースの方は同じアーティチョークのスライス。
山菜の風味に通じるほろ苦感があるのでパルメザンチーズをたっぷりかけて。

Fritto misto alla toscana con cotolette di agnello 
トスカーナ風のフライ盛り合わせ(ウサギ、チキン、子羊のカツレツ、あとアーティチョーク、
ズッキーニ、カリフラワーなど野菜いろいろ)

ミケーレ先生ではない我々には、まさか「これぞフリット」なんて揚げ方は逆立ちしてもできないんですが、
それにしても天ぷらとは似て非なるものなんだと毎回思う。
こちらの野菜は個性とアクがあるからなのか、煮物や炒め物以上に
「まだダメ!もっとじっくり火を通して!」と言われ通しです。

Delizia di cioccolato alle castagne e marmellata di cotogne
栗とマルメロジャム入り、チョコレート風味のデリツィア

Deliziaは英語のdelicious「おいしい」と同じ語源で、喜ばしいもの(英語の delight)などの意味でも使われる。
ターキッシュ・デライト Turkish delight もそうだけど、この手の名前のお菓子は半端じゃなく甘い!
ザッハートルテ並みにチョコレートコーティングされたチョコスポンジ、マロンクリーム、
マルメロ(それ何?って人がよくいますが、花梨の仲間の果物)のジャム、さらにシロップとリキュール。

Caffè エスプレッソコーヒー

おりしも時は食欲の秋、コースも終了近くとなり我々の胃も鍛えられ……
とはいえこの日の昼食、前菜こそないが結婚披露宴のメニューとしても十分通用するヘヴィな品ばかり。
そんな日の夕食はこのくらいで十分かと……

Minestra 野菜のスープ
Focaccia フォカッチャ
Cappon magro 前日のカッポン・マグロ
Caffè エスプレッソコーヒー



ガッタイオーラ・ヌーヴォーその後

2012-12-04 12:23:53 | 料理学院
先日道端(畑だってば)のブドウを拝借して(窃盗ですってば)、密造酒製造に乗り出したことは
過去この欄で自白した通りですが、その後の顛末を書き損ねていました。

その道の人が語り本にも書いてある通り約10日後に果皮を取り去り、直射日光や高温を避けて
ガストロノーム(ステンレスのタンク!)に移し変えたころは順調で、果汁の香りがワインの芳香に
変わりゆく過程を楽しんでいたものですが、世に悪事の栄えたためしなし(?)
10月末に Food & Wine コースが始まってからというもの、ほぼ毎日
ソムリエさんたちが選んだワインに舌鼓を打つ日々で酒蔵のチェックを怠っていたところ
気がつけば本家本元のボジョレー・ヌーヴォーはとっくに解禁、
イタリアの新酒「ノヴェッロ」も定番の「焼き栗」と並んでお店に並んでいるではないですか。

浦島太郎のごとく我に返り、食糧庫に隠した「ガッタイオーラ・ヌーヴォー」第一号を
取り出したところ、あら不思議、ワインボトルからたちのぼる白い煙でsazia太郎は白髪のお爺さんに……
じゃなくて、たちのぼったのはとてもよい……お酢の香り。
そうなのです、完全無添加手づくりワインの悲しさ、酸化防止剤が入っていなかったため
いつの間にか赤ワインビネガーに変化しておりました、とさ。

悲しんだsaziaさんは事務スタッフのカルリータさんを誘ってサラダを食べました。
カルリータさんは「香りがよくておいしいビネガーだから密造の甲斐はあった」と
saziaさんをなぐさめてくれました。
そして来年はもっといっぱいブドウを盗んで、ビネガーの大量生産にのりだし
お金持ちになるといい、というとんでもない計画をさずけてくれています。

めでたしめでたし(?)

写真はワインテイスティングコース(Food & Wineコース)で飲んだ地元ワインの1本。
よく見れば、プロコースに参加していたエリザベッタのご主人の実家が製造元!



10月17日 ルカ先生のリグーリア料理 ダイエットなんて忘れましょ 

2012-11-29 19:58:03 | 料理学院
10月17日(水曜)講師:ルカ先生(リグーリア州)

当校の講師の中でもトップクラスの若さなのに、体重と腰回りでも他の追随を許していなかったルカ先生、
3年ほど前からダイエットを決行して近年とみにスリムになっている。
炭水化物やタンパク質は1日1回しか食べないのだそうで、この日も素晴らしいご馳走の山を前にしながら
ウサギみたいにグリーンサラダばかり食べていた。
「あのくらい強い意志がなければやせるなんて無理なんだ」と一同うなずきつつ
やっぱり今日もおいしいので食べてしまうんですよねえ。

昼食
Vermicelli di grano duro con polpa bianca, olive taggiasche e maggiorana
セモリナ粉を配合し、歯ごたえよく練った手打ちパスタ生地を、うどんみたいに細長く包丁で切って成形した
ロングパスタの「ヴェルミチェッリ」に白身魚と名産の黒オリーブ、チェリートマトとマジョラムのソースをからめて。
手打ちパスタはいくらサッとゆでても「アルデンテ」の歯ごたえにはならない、と昔よく言われたが、なかなかどうして。


Cappon magro
クリスマスなどの祭日に欠かせない伝統の魚料理……と言っても
この写真を見る限り「どこに魚がおるんじゃい」と言われそうなくらい野菜が多い。
マグロ(=やせた、脂っけのない)なカッポン(ほうぼう)と名乗るだけあって、魚より野菜のほうが多く使われる。
ビネガーに浸したパンやピクルスも入って酸味がつくから「散らし寿司」に通じるかも。
野菜は時季のものでよく、冬ならビーツなども入る。
味つけはもちろん名産のオリーブオイルをたっぷり使ったグリーンソース。
安上がりかつ色どりがよくてボリュームのあるハレの日の料理を生み出したリグーリアの庶民に拍手喝采。
ただしお金持ちは上にロブスターだの手長エビだのを飾るんだそうで、それなら海鮮寿司?



Millefoglie allo zabaglione con castagne
さくさくの折りパイ生地に、基本のレシピではゴマ入りのプラリネを組み合わせるが
そろそろ栗が出回り始めたので、ゆで栗をピューレにしてちょっとモンブラン風にカカオ
(で作ったチョコレートソース)と合わせ、さらにザバイヨンソースを添えた。
これを皮切りにこの秋も栗がどんどん食卓に登場し始める。



Caffè エスプレッソコーヒー

夕食
Focaccia フォカッチャ これもジェノヴァ名物ですね。
Pasta e ceci ひよこ豆の裏ごしスープで小型のパスタを煮たスープパスタ。
Calamaro ripieno ヤリイカの詰め物



Palamiti in panura ai pinoli e maggiorana 
松の実やマジョラムを加えて作った香草パン粉をカツオに乗せて色よく焼いて。


Caffè エスプレッソコーヒー