イタリアンでも食べルッカ

おいしい物と個性豊かな料理人達に囲まれた料理学校での日常記

アーカイヴ2012年10月22日 卒業制作&謝恩会

2012-12-31 01:04:20 | 料理学院
10月22日(月曜)卒業制作・卒業式・謝恩会



週開けていよいよ最終週。といっても5日間あるのにいきなり卒業制作発表会、卒業式、謝恩会というのも珍しい。
普通は水曜か木曜あたりにもってくるのだが、今回どうしてもスケジュールが合わずこうなったらしい。
例年と違う点がもうひとつ。だいたいは、和食に関しては日本人の生徒さんにほぼ任せるが
イタリア料理に関してはジャンルーカ先生とマリちゃんがメニューを決めていた。
が、今回はイタリア人生徒が多く、しかも出身がヴェネト、プーリア、カラブリアとヴァラエティに富んでいるので
それぞれにお得意の郷土料理を作ってもらい、ジャンルーカ先生自身は前菜の2品のみ担当。
といっても両方とも先週に仕込んであり、この日は仕上げだけなので助手のマリちゃんも暇ゆえ……というわけではないが
リクエストが多かったお得意のマグレブ料理「クスクス」を昼食に(写真は盛りつけ中のひとコマ)
やはりマグレブの伝統的なビスケット(?)「シャレック」とミントティーをディナー用に作ってくれる。
1人だけでお国料理を披露する米・ロシア勢はというと、アントニー君がバーベキューソース味のスペアリブ。
「アメリカを代表する料理はハンバーガーだろ?」というのがお決まりのジョークなのだが
過去登場したアメリカ人生徒はだいたいバーベキューを提案しますね。
もっともなぜか全員シカゴ出身だったから、正確にはシカゴ料理(?)なのかもしれない。
対するロシア代表エカテリーナはというと、先日ご主人がはるばる持って来てくれた
キャビアやスモークサーモンをあしらったオードブル。おお、豪華。

それにしても、あらためてイタリア料理というのは地方料理の集まりだ、と思う。
実は今回参加のイタリア人生徒たちは、それほど経験がある人ばかりでもなく、それどころか料理好きばかりでもない。
試合中のケガで選手生命を断たれた元サッカー選手とか、料理人ならツブシがきくかな、という軽い気持ちで
この道に入ったような男の子たちもいるので、いきおい講習中の彼らの動きはそれほどよくない。

ところが今回は彼らが自分たちで選んだ郷土料理だから、みんな手際がものすごくいい。
手順にも、使うオリーブオイルや塩の量にも迷いがなく、しかもいつものルッカの生協の調味料や食材を
使っているのに、チャーンと「プーリアの味」「カラブリアの味」を出してくるのだ。

対する日本料理は、ごく標準的なメニューに落ち着いた。
作りたいものを選んだというより、限られた食材や器具や時間で失敗なく作れそうなもの、
イタリア人生徒やお客様が抵抗なく受け入れられそうなもの、リクエストがあったもの、に
絞っているからいきおいこうなるのかな。
とはいえ、スシといえば江戸前のにぎりか、巻きずしというのが通り相場になっている傾向に
京都人のワタクシとしてはいささか不満であります。


昼食

Cous cous royal 王侯風クスクス
クスクスに吸水させて蒸して、ほぐして、もう一度吸水させてほぐして、バターで味つけして、
野菜と子羊肉とを全部形を変えて切って、時間差をつけて煮て、スパイスをいっぱい組み合わせて……
ただでさえ手順が多いのに、ディナー用の仕込みをしながら手伝ったので大変。でもその価値はある!
 

Curry rice カレーライス 
日曜日の夕食用に作っておいたものの残り、もとい、イタリア人生徒たちのために残しておいてあげたもの。
Caffè エスプレッソコーヒー

夕食

和食の部:
筑前煮
つくねの照り焼き
かき揚げ
巻きずし

洋食の部
Terrina di campagna田舎風のテリーヌ 
Carpaccio di lonzza marinata agli aromi 牛ロース肉のマリネ 以上、ジャンルーカ先生担当
Tiella pugliese プーリアの郷土料理「ティエッラ」アレッサンドロ君担当
Insalata di mare 海の幸のサラダ リヴォルノ組ことエンリコ君とダヴィデ君担当
Torta di acciughe アンチョビのタルト カラブリア出身マリエッラ担当
Sandwich tricolore 三色サンドイッチ ロシア代表エカテリーナ担当 
Barbacue con rostinciana 豚スペアリブのバーベキューソース 米国代表アントニー君担当
Tcharek シャレック アルジェリア在住経験者マリちゃん担当
一面に粉砂糖がかかっていてとても甘そうです。事実甘いです。オレンジの花のエッセンスと粉砂糖とアーモンドがいっぱい。
どこかで聞いた組み合わせ……そう、シチリアの伝統菓子によくあるパターン。
アルジェリア在住時代に買ったというお菓子の本のフランス語を解読しあちこち軌道修正しながら作ったのですが大成功で、
少し残しておいた分が、1か月後に「ワインと料理のマリアージュコース」で活躍します。

Tiramisù alla nutella 「ヌテッラ」入りティラミス ヴェネト出身アレックス君担当
Budino di zucca かぼちゃのプリン(いちおう和菓子のつもり)
thè alla menta ミントティー、アルジェリア風 「シャレック」と合わせると抜群!
Caffè エスプレッソコーヒー

お料理に舌鼓を打った後は卒業証書の授与、乾杯とハグとエールの交換、記念写真の嵐……
後片付けが終わったのは真夜中過ぎ。
生徒の一部は延々二次会(?)に突入し、いっこうに寝る気配も帰宅する気配もなかったので
「明日の朝になってもまだやってるんじゃない?」と噂しながら車で送ってもらって帰宅。

例年なら「今日は御苦労さま。みんな今日はいっぱい働いたから、明日はちょっと遅めに始めよう」
という運びになるのだが、今回は変則的スケジュールなので、翌日も普通に講習があり
しかもミシュラン2つ星レストランの先生が来て、思いっきりはしょった書き方のレシピを
手掛かりに創作魚料理を作ることになっていたので、少々不安を残してはいたのですが……




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