来週の月曜日に、横浜の八洲学園大学というeラーニングの大学で、講義をする予定になっています。そろそろ準備をしないといけません。
もう何回もやっているので、内容はそれほど違わないのですが、毎回少しずつですが手直しをしています。同じことばかり話すのは、こっちも飽きてくるものですから。
今日はそのなかでも、いちばん大事な部分をみなさまにご紹介しましょう。「人を動かす一般的なセオリー」です。
これは私のような半端な人間が言っているものではありませんからね。ルイ14世のもとで、外交家としてならしたカリエールという人がいて、その人が書いた『外交談判法』(岩波文庫)にあるのです。
そのカリエールが、またギリシャの哲学家エピクテートスの言葉を『提要』から引用している。まずはそこから。
「どんなものにの取っ手が二つついている。一つの方をつかめば、たいへん運びやすい。いま一つは、甚だ具合が悪い。悪い方の取っ手をつかむな。何故なら、それでは持ち上げることも、運ぶこともできないから。具合のよいほうをつかめ。そうすれば、楽に運べる」
これを受けてカリエールは言います。
「物事に、そのいちばん容易な側面からとりつくことを心得ていることも、交渉の巧みなやり方というものである」
このあたりは、拙著『伝動戦略』で触れておりますが、この考え方が私の伝動戦略の基本なんです。
どうです、結構深い知識と考察から、伝動戦略が編み出されているのがわかったでしょう。そんじょそこらの軽薄な戦略書とは訳が違うんだから。えへん。その割には売れていない? 余計なことは言わんでよろしい。
この本には、具合のよい取っ手をつかんで成功した例、その反対に大失敗した例がいっぱい。
この戦略の信奉者には、有名な経営者もいるんですぜ。もっとも、有名だといっているのは本人だけですが。いえ、そんなことはございませんよ。大事な読者をこけにしてどうする。
さて、人を動かす原理ですが、それにはお互いの信頼関係がないといけません。
もちろん、力で押し付けることはできますよ。上司が「言うことを聞かないと減俸だ」なんて言えばね。でも、それは付け焼刃。一時的にはいいが、長い眼で見たらダメだと思いますよ。
それに何かあるたびに「減俸だ」と言っていたら、そのうちみんな逃げちゃうでしょう。命令されないと動かなくなりますしね。
では信頼関係はどうしたら築けるかと言うと、相手の話を聞くことです。ただ聞くだけ。しかも反論しない。たとえ間違っていると思っていても、最初は聞くだけ。これがいいんです。まあ、辛抱がないとできませんが。リーダーの給料は辛抱賃かな。
そうやっていると、相手がだんだん、「おや、この人は」と思うようになる。そしたら、相手のいいところをほめます。これがきくんですよ。ほめる内容は、いま行なっている議論なんかと関係なくてもいいんですよ。
「たいした論理構築力だ」
「洋服のセンスがいい」
「きれいな奥さんですね」
でも、たとえほめるんでも嘘は言っちゃいけませんよ。汚い奥さんもらっている人に言うと、腹を立てるに違いない。
それから、そんなのあたりまえだと思っている人にも、言ってはいけない。相手の気がついていない意外なところをほめると、効果があるんですがね。
何をやっているかというと、相手とのラポールをつくろうとしているわけ。共感とでも言いますかね。
ここまでくれば、次は提言にいってよし。ここからが本番です。でも、ここでも相手の立場で言わないと。相手にとってメリットがあるように言う。
しかも、そのメリットが目に浮ぶような表現をする。これが暗示です。私の言う暗示というのは、相手にイメージを抱かせることなんです。イメージが変われば、行動が変わる。これが人間の心理なんですよ。このあたりは拙著『リーダーの暗示学』をお読みください。
私の本は、自分で言うのもなんですが、基本的な部分は『先見力訓練法』『伝動戦略』『暗示型戦略』『リーダーの暗示学』『リーダー感覚』と全部同じなんです。そのうえ、一つとして同じ内容ではない。
だから、どの本から入っても、全部読みたくなる。書いた本人が言うのですから間違いありません。もっとも、ときどき、本を枕にすることもある。
今日は調子に乗って宣伝しすぎましたかね。久しぶりに東京は天気がいいので、つい調子に乗りたくなりました。
もう何回もやっているので、内容はそれほど違わないのですが、毎回少しずつですが手直しをしています。同じことばかり話すのは、こっちも飽きてくるものですから。
今日はそのなかでも、いちばん大事な部分をみなさまにご紹介しましょう。「人を動かす一般的なセオリー」です。
これは私のような半端な人間が言っているものではありませんからね。ルイ14世のもとで、外交家としてならしたカリエールという人がいて、その人が書いた『外交談判法』(岩波文庫)にあるのです。
そのカリエールが、またギリシャの哲学家エピクテートスの言葉を『提要』から引用している。まずはそこから。
「どんなものにの取っ手が二つついている。一つの方をつかめば、たいへん運びやすい。いま一つは、甚だ具合が悪い。悪い方の取っ手をつかむな。何故なら、それでは持ち上げることも、運ぶこともできないから。具合のよいほうをつかめ。そうすれば、楽に運べる」
これを受けてカリエールは言います。
「物事に、そのいちばん容易な側面からとりつくことを心得ていることも、交渉の巧みなやり方というものである」
このあたりは、拙著『伝動戦略』で触れておりますが、この考え方が私の伝動戦略の基本なんです。
どうです、結構深い知識と考察から、伝動戦略が編み出されているのがわかったでしょう。そんじょそこらの軽薄な戦略書とは訳が違うんだから。えへん。その割には売れていない? 余計なことは言わんでよろしい。
この本には、具合のよい取っ手をつかんで成功した例、その反対に大失敗した例がいっぱい。
この戦略の信奉者には、有名な経営者もいるんですぜ。もっとも、有名だといっているのは本人だけですが。いえ、そんなことはございませんよ。大事な読者をこけにしてどうする。
さて、人を動かす原理ですが、それにはお互いの信頼関係がないといけません。
もちろん、力で押し付けることはできますよ。上司が「言うことを聞かないと減俸だ」なんて言えばね。でも、それは付け焼刃。一時的にはいいが、長い眼で見たらダメだと思いますよ。
それに何かあるたびに「減俸だ」と言っていたら、そのうちみんな逃げちゃうでしょう。命令されないと動かなくなりますしね。
では信頼関係はどうしたら築けるかと言うと、相手の話を聞くことです。ただ聞くだけ。しかも反論しない。たとえ間違っていると思っていても、最初は聞くだけ。これがいいんです。まあ、辛抱がないとできませんが。リーダーの給料は辛抱賃かな。
そうやっていると、相手がだんだん、「おや、この人は」と思うようになる。そしたら、相手のいいところをほめます。これがきくんですよ。ほめる内容は、いま行なっている議論なんかと関係なくてもいいんですよ。
「たいした論理構築力だ」
「洋服のセンスがいい」
「きれいな奥さんですね」
でも、たとえほめるんでも嘘は言っちゃいけませんよ。汚い奥さんもらっている人に言うと、腹を立てるに違いない。
それから、そんなのあたりまえだと思っている人にも、言ってはいけない。相手の気がついていない意外なところをほめると、効果があるんですがね。
何をやっているかというと、相手とのラポールをつくろうとしているわけ。共感とでも言いますかね。
ここまでくれば、次は提言にいってよし。ここからが本番です。でも、ここでも相手の立場で言わないと。相手にとってメリットがあるように言う。
しかも、そのメリットが目に浮ぶような表現をする。これが暗示です。私の言う暗示というのは、相手にイメージを抱かせることなんです。イメージが変われば、行動が変わる。これが人間の心理なんですよ。このあたりは拙著『リーダーの暗示学』をお読みください。
私の本は、自分で言うのもなんですが、基本的な部分は『先見力訓練法』『伝動戦略』『暗示型戦略』『リーダーの暗示学』『リーダー感覚』と全部同じなんです。そのうえ、一つとして同じ内容ではない。
だから、どの本から入っても、全部読みたくなる。書いた本人が言うのですから間違いありません。もっとも、ときどき、本を枕にすることもある。
今日は調子に乗って宣伝しすぎましたかね。久しぶりに東京は天気がいいので、つい調子に乗りたくなりました。