佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

iPhoneの普及戦略を人間行動学的に解釈するとこうなる

2010-05-25 07:31:19 | リーダーの人間行動学
今朝アップルから、今週金曜日にiPadが販売されるというメールが届きました。

しかし、iPadやスマートフォンを買い換えるにしろ、新たに買い足すにしろ、いずれにしろ月々6500円程度の負担増になります。それにふさわしい対価を見出せないと、私は手を出すわけにはいきません。

エンターテインメントでもいいし、仕事でもいいのですが、要は外に出ているときまで、そういうものが必要かどうかです。

外回りの多い仕事の人などには有用でしょうが、私にはそういう利便性はいまのところ必要ないというのが結論です。

この一週間ほどスマートフォン、特にiPhoneについて調べたことはまったくの徒労に終りました。ああ。疲れた。大山鳴動ねずみ一匹。

昨日本屋で、日経PCだったか、雑誌に特集記事があったので、ぱらぱらめくりましたが、笑ってしまいました。

いままでの携帯からスマートフォンに切り替えると、家族割りが使えなくなったり(キャリアを変える場合)、お財布携帯のような従来の便利サービスが使えなくなる。そこで、お薦めの行動は、いまの携帯はそのまま使い続け、新たにiPhone(またはスマートフォン)を買うことだというのです。この場合は、月に7千円程度の追加出費となるそうです。

なんじゃ、こりゃ。これじゃモバイルノートを買えというのと同じことでしょう。そんな使い方しか、いまのところできないのか。

さて、気持ちを切り替えて、人間行動学をやりましょう。

ロジャーズの「普及学」というのはたいへん優れた理論で、私はこの理論を『伝動戦略』や『暗示型戦略』に取り入れています。

簡単に言ってしまえば、革新的アイデアが世の中に普及するにはフェーズがあり、それぞれのフェーズごとにある種のタイプの人間がいるので、彼らに適するアプローチすべきだということです。

たとえば、最初のフェーズには、革新に飛びつきやすいきわめて少数の人がおります。

次のフェーズに入りますと、考え方が革新的で、かつ組織においても尊敬されているリーダーシップのある人が革新アイデアを採用するようになります。ここまでくると、一揆に弾みがつきだす。

詳しいことは拙著『暗示型戦略』をお読みください。実例をまじえた戦略構築の方法論を示しています。

さて、これを人間行動学的な観点から読み直すとこうなります。

iPhoneのような新奇なものに、最初にわっと飛びつくのは5種です。信長のような人が5種。目新しい物が大好き。よいと思えば、過去の実績とか、規模にかかわらず買う。そもそもアメリカという国は5種文化なのです。ですから、世界でもいちばん革新とかベンチャーが盛んな国になっています。

さて、5種が新しいものに飛びつくと、それにつられて行動してくる人が出てきます。

それはお調子者の3種と、頑張り屋の8種です。火事が近所に出たとき、まっさきにかけつける野次馬とは、このタイプです。すぐつられちゃうんですね。附和雷同ともいう。

上下型はこの騒ぎを遠眼に見ていますね。関心はあるが、行動はしない。

上下型が買えば、いよいよ本格普及ということになるでしょうか。

ちなみに、会社が倒産しそうになって辞めていく人も、この順番です。

L研リーダースクールの人間行動学科で人間を見る力をつける訓練をしてみませんか。自宅学習ができます。人間の感受性のタイプを学べますよ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はんなり社長)
2010-05-25 20:00:42
>ああ。疲れた。大山鳴動ねずみ一匹。
ははは、お疲れ様です!
そういうパターンでは、結局、疲れだけが残るんですよねー

でもお気持ちはよくわかりますよ!
私自身もこの前まで同じような状況でしたからね
でもいろいろ調べている時って、それだけで結構楽しかったりして
Unknown (佐藤直曉)
2010-05-25 20:18:38
はんなり社長様、コメントありがとうございます

>いろいろ調べている時って、それだけで結構楽しかったりして

なんとか安くあげられる方法があるかもと、
とても希望があったのですが…。

でも、結果はごらんのとおり
あがいただけでしたね。

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