Carpe Diem

シンシナティ大学で都市計画を勉強していた、ある大学院生の物語。現在はマンハッタンで就活。

マイルストーン(昇順)

2016-09-13 22:12:58 | daily life
0. 自己管理

何か新しいことに挑戦するためにはやはり自己管理が大切になる。特にビジネスを始めるとなると9割以上は自分の思い通りにいかず、課題を解決することになるのではないかと思う。

その時に大事なのは、途中でどんなにうまくいっていなくても最後にはうまくいくのだという確信を持つことだ。その過程でしたの3つの能力が自己管理をする基礎力になりそうである。
1)良好な精神状態を維持する能力
2)言い訳をせずに、解決方を見つける能力
3)長期的な視点をしっかりと意識して仕事をする能力



1. ビジョン

経営者や投資家の方に会う時に自分はこんなビジョンがあって、そのためにこんなことをやっていると言い切れないと、誰も自分のやっていることに興味を持ってもらえなくなる。

時には物事がまったくうまくいかなくて、自分の掲げるビジョンに疑問を持つ時もあるけど、その時も外部の人たちには自信をもって言えるようにした方がいいというのは、この前改めて実感した。

ビジョンは適当に見つけていうこともできるけど、 何もかもがうまくいかない状況が続いた時に信じられなくなってしまう。そのためビジョンは本当に自分が一番情熱を持って没頭できるものと重なった方がいい。



2.1 集中・取捨選択

スタートアップを軌道に乗せるには、考えている以上のことをこなすことがある。特に全てのことをやろうとするために、企業の成長とは関係のない交流会に行ったり、サイドプロジェクトをやったりなど、リソースが限られている中で有効に使えてないことが多い(自分によく当てはまるので反省が必要)。

スタートアップをやる人の重要なスキルの一つに、90%の効果を生み出す10%のやるべきことを見つけて、それを集中して片付けることにあるらしい。確かにこれには思い当たることが多く、改めてこのことの重要性を感じている。確率論として、10個のできることが目の前にあるとしたら、その内の9個にはNoと言わなければならない。

あと自分への教訓で、自分がよくできることしかやらないということを徹底しないといけない。(楽観的な性格のために、)最初から全てできるという姿勢で物事に取り組んでいる傾向がある。ただ事実、プロのスポーツ選手にはなれないし、数学は得意じゃないし、プログラマーも向いているとは思えないし、ロケットは作れないし、と事実をしっかり認識する必要がある。その上で自分の長所で他の人の短所を補うことで、逆にプログラムを書いてもらう方が実践的だと思う。


2.2 専門知識(秘密の鍵)

スタートアップだと基本的に自分の苦手なことを克服するより、得意なことで価値を提供していくことで、尖った組織を作るのに集中しなければいけないと思う。その時に最初に一緒にビジネスを始めてくれる人を見つける意味でも、自分にタグ付け(何ができるかということ)をする必要がある。

ビジネスサイドなら「自分はXX会社が始まったことに参画して、これだけの売り上げをあげたからセールスなら任せておけ」や、エンジニアなら「自分はYYプロダクトのバックエンドを全て担当して、 3ヶ月でリリースにこぎつけたよ」とかお互い自分が何者で何ができるかというのを全面に押し出して行った方が、仲間を見つける時にもっと簡単になる。

あとはセールス、マーケティング、コーディングの能力だけではなく、これから参入していく産業のことを、競合相手が知らないことを知っていること(secret source)は成長する時に差別化していく中でかなり重要になってくる。そしてテクノロジーのシフトが起こるっている産業ではこのソースを見つけるのが比較的に簡単かもしれない。


2.3 物事への姿勢

何かのスタートアップを始めるのが本当に大変なのは、スタートアップの成功率が5%という数字をみれば実感が湧くかもしれない。何かを始める時には楽観的で、そのビジネスが絶対にうまくいくという確信を持って始めるが、途中で起こる多くの失敗 の積み重ねや資金繰りから、失望して全ての希望を失うことがあるかもしれない。

そんな時に本当に重要になってくるのは、信頼できる仲間とか、最後には絶対に成功するという信念だと思う。それでも失敗が続き、存続が絶望的になって、自分のことが信じられなくなっても、チームメートや外部の人には、自信を持って(いるフリでもいいから)、大丈夫と説得する必要があるときがある。それまでに自分の考えていることと、自分の発言をうまく切り離すスキルを身につけよう。

ただ自分ではしっかり現状を見て、解決策を模索する必要があるのは騙してはいけない。



3.1 チームメート

自分のスタートアップを作る過程で2人のエンジニアと協働していたが、結局どちらもうまくいかなかった。その理由としてはスタートアップのMeetUpであったり、同じようなビジネスをやっていたエンジニアから声をかけられたりして始めたが、(2人とも人間的にはとても良かったが)結局のところお互いの価値観が合わなかったことが大きな理由だった。やはりまずある程度の期間(少なくとも6ヶ月以上)一緒に働くこともなく、何かを始めてもうまくいく可能性は極めて低いのだと改めて実感した。

このことを防ぐためにはやはり前職である程度の期間一緒に働いたことのある人とビジネスを始めるか、サイドプロジェクトなどで一緒にやっていた仲の人達とビジネスを始めるのが一番良いのではないかと思う。またいい人を見つけるためにも、ビジネスを始めたい人が多い交流会で人とあって、それから一定期間カジュアルな感じでプロジェクトをやってみて、お互いの方向性が一緒なら本腰を入れて始めるのがいいと気づいた。


3.2 地理的な利点

地の利は本当に大きいと思う。日本でスタートアップをするなら、東京が良いのではないかと思うというのも、スタートアップ会社やイベントが渋谷やその周辺に集中しているからだ。ただ世界で見てみるとシリコンバレーの方がスタートアップのイベントが盛んで、この前サンフランシスコのSouth of Marketを通った時は5つフロアのうちに1つはスタートアップなんじゃないかと思うほど、確率が多かったので、そういうところの方がスタートアップを始めるには容易だと思う。(ただ比較的容易なためみんなスタートアップを始めるため、競争率が半端ないのだが。)

また金融関係のスタートアップなら香港、ハードウェアのスタートアップなら中国の深圳、優秀なエンジニアの人口が多いインド、国際的なスタートアップならシンガポールなどと場所を選べてビジネスが始められるなら、それぞれのプロダクトに最適な場所を選んで始めたい。あとはこれからもアジアのGDPの成長率が伸びることからも、初めにそこに陣取っておけば、会社の伸びにも大いに貢献しそうだ。



4.1 初日から黒字を

(僕もそうだし、)スタートアップでよくあるのは、次のFacebookのように無料のプラットフォームを作って、ユーザーが増えたら広告で収益化しようと考えるスタートアップを始める人に多い。まずはそこまでのユーザー数を獲得するのがかなり難しいのを除くとすると、その収益化をするまでのお金をどうするかという話になる。投資家でも本当にユーザー数が爆発的に伸びるプロダクト以外には投資しないのではないかと思う。

そういうのだとかなりリスクが高いので、なるべく早い段階からマネタイズをした方が良いのはあるだろう。そうすることで早い段階からキャッシュがはいってくるから、他の受託開発などのサイドプロジェクトをやらなくて済むし、利益が出ていることで悪い条件で投資を受ける必要がないからだ。またプロダクトを作るのに時間がかかって、本当にそのプロダクトを世界が必要としているか分からない場合は、コーディングをする前に既存のものを組み合わせてユーザーにお金を払ってもらってからプロダクトを作るか、Kickstarterなどのクラウドファンディングなどで需要があることを確かめてから、作るというのもいいかもしれない。

もし早いうちから現金は入ってくるけど、利益が出ていなくても、プロダクトやマーケティング方法を自動化したり、最適化するなどでunit economicsなどを改善することで将来的に利益が出ることが分かれば、将来の成功を約束する一つの指標となりそうだ。(まだunit economicsを自分がよく理解していないので、あとでしっかりと勉強しないと。)



4.2 プロダクト(9月25日_リリース)

いつもプロダクトを作るときに頭に置いておく必要があるのは、このプロダクトは誰のどんな問題を解決するのか、また何でユーザーは他の代替品ではなくて、あなたのプロダクトを使うのかということ。自分のスタートアップが成長・成功するかどうかの多くはどれだけよいプロダクトを作ったかに依るところが大きい。もちろんプロダクトと言っても、その製品だけでなく、カスタマーサポートの質とかの製品本体とは関わらないけど、User Experienceの全てが含まれる。

あとこの前ピッチした時にもらったアドバイスはユーザーはあなたのプロダクトを1日または1週間に何回使うかということ、どのくらいそのプロダクトがスティックかということだ。プロダクト一回の利用で得られる利益が同じなら、1週間に1回しか使わないプロダクトより、1日に1回使うプロダクトの方が高い成長率が見込めるのは分かりやすいかもしれない。



5.1 経済的な資源

誰か一緒にビジネスを始める人を見つけてから、すぐに投資家にお金を入れてもらう可能性は低いから、やっぱり最初にある程度の資金はないと厳しい。これは本当にどんなプロダクトやそのチームの状況に大きく依存するが(例えばハードウェアの方が明らかにソフトウェアより初期投資が大きい。)、ソフトウェアなら6ヶ月持たせるためにもやっぱり300万円は最初に欲しいところだ。

その300万円で最初のプロダクトを作ってユーザーを付けて投資家に売り込みにいくか、そのプロダクトを利益が出るくらいに持っていくことで何とか生き延びることができると思う。また投資家にプレゼンするにして、会社が一番好調の時に、良い条件で投資を引き出したいものだ。



5.2 人脈のネットワーク

一番良いのはきっと自分の前職などでよく知っている産業でビジネスを始めることだろう。そうすることで何かを始める前から、その業界の人とのつながりが出来ているのでスタートがかなりスムーズになる。そうでないとプロダクトを作って、そういったテーマの交流会やイベントなどで関係者を捕まえて、その人に別の人を繋げてもらってとかなりのスキルが必要になる。

もし自分の働いていた業界と別のところで始めたいなら、きっと働いている時からスタートアップを始めたい業界のイベントなどに参加してつながりを作って準備をしておいた方が良いはずだ。あとできれば自分がどこかのイベントに参加しに行くより、できれば自分がネットワークを使ってイベントを開催した方がレバレッジが効いて長い目でみれば、効果的にネットワーキングできるはずだ。

あとは親しい友人の紹介などが本当にありがたいので、そういったチャンスはしっかりと活かして行った方がよいと思う。逆に友人が困っている時は自分のネットワークから、ふさわしい人物を紹介することでお互いにwin-winの関係が生まれてくると、お互いがハッピーになって良い。あと自分がいるべき場所を見つける能力もこのネットワーキング力のひとつだと思う。



6.1 実行・行動力

スピードが本当に大事です(自戒)。マルチタスクを誇るより、重要な一つのタスクをなるべく早く、完璧に完成せるのが重要だと本当に実感する。自分の場合だとプライオリティを付けきれずに、複数のことを一遍にやろうとして必死になるけど、あとで進捗を振り返ってみると、当初に想定していた完了日より、かなり遅くなっていることが多い。そのためまずは90%の成果を生み出す10%のタスクを特定すること、そしてそのタスクを早く完璧に終わらせることに集中しよう。欲をいえば、その最重要のタスクに色をつけて見えるようになれば、一番良い。

特にプロダクトのアジャイル開発などだとPDCA(仮説->実行->記録->評価のサイクル)をどれだけ素早く回すか、そして同じ間違いを繰り返さないことが実行力の鍵になりそうだ。以前にした間違いはしっかりメモをしておき、みんなが目に見えるところに置いておくことで同じ間違いをするのを防ぎたい。このような改善のプロセスをリーダーだけでなく、みんなで共有していくことで会社全体でこのプロセスを楽しめれば、みんなが良いと思う会社になっていくのではないのだろうか。そしてこの改善プロセスも改善していくことで、スピードを更にははやめて行きたい。

そしてこの実行力がスタートアップが成功するもう一つの重要な鍵になりそうだ。「1000人もの人がすごいアイデアは思い浮かぶけど、本当にうまくいくのはその中の1人だ。その違いは実行力の差によるものだ」というのは、本当に自戒の念も込めて、1000回ぐらい念じたい、毎日。



6.2 成長軌跡

どのKPIをトラックするマトリックスを使うかが成長奇跡を意識する時は重要です。Airbnbでは毎週のユーザー増加の目標を色んな所に貼り付けることで、トップだけじゃなく社員にも数字を意識させているらしい。そのぐらいスタートアップだと組織の透明化は重要な要素だ、大企業のそれと比較してもわかるが。

これまでの経験上、正しい場所を見つけて、そこに自分をポジショニングしていくインバンウンド・マーケィングは本当に効果的だ。また優先事項や何かに行き詰まってどうしようもなくなった時は自分が月の上に立っていると想像してから、そこから地球にいる今の自分の仮想的に眺めてみることで突破口を見つけることも一つの方法かもしれない。

スタートアップでよくある課題はユーザー数や売り上げが成長することでほとんど解決するし、成長している時は本当に働きがいがあるものだ。逆にユーザー数や売り上げが上がらずに、伸び悩んでいる時や支出の方が上回っている時の気分と言ったら最悪以外の言葉が見当たらない。あとユーザー数に関しては新規ユーザーの伸びも重要だけど、サービスの購読をやめるユーザーを低く抑えることも本当に重要だ。そういうのもどれだけユーザーを獲得しても、その分のユーザーが辞めてしまったら、マーケティングやセールスの費用をかけたのに見合ったリターンが来ないからだ。



6.3 採用・実力以上を出す環境

いつも採用でよく言われるのは常に自分達より優秀な人たちを探せということ。これはとても納得ができるし、事実伸びているスタートアップはこのことを守っていると思う。ただ一方で現実問題として、スタートアップの初期の時期や、ちょうどうまくいっていない時に採用をしたい、またプロダクトを早くリリースしたいから多少妥協しても良いからエンジニアを採用しなければいけない時も出てきるだろう。

その時は可能ならできるだけ採用を引き延ばしで、(投資家から投資してもらうのと同じで)一番状況が好転した時(または好転したように見える時)に採用するのが良いかもしれない。その時に重要だと思うのが自分より優秀な人材を相手に堂々と振る舞えること、またその人の才能を120%発揮させることができることなどなどを話して働いてもらうのがいいのではないかと思う。うちの会社はこれくらいしか業績がないから、この中堅のエンジニアでも仕方ないと思うとどんどん人材の品質に妥協をしてしまい、優秀な人材が会社を去っていく懸念にもなる。

あとは出来たら正社員で雇う前に1、2週間ほど給料を払って一緒にプロジェクトを働いてもらえないかと打診してみて、それが出来たらその間にお互いの働き方が合うか、会社の文化に合うかなど色々と見てみた方がお互いのためになりそうだ。


Inspired by Startup Playbook (http://playbook.samaltman.com/)



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unit-economics (sam )
2016-09-13 23:19:14
http://blog.samaltman.com/unit-economics
how to hire (sam)
2016-09-13 23:20:35
http://blog.samaltman.com/how-to-hire

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