Carpe Diem

シンシナティ大学で都市計画を勉強していた、ある大学院生の物語。現在はマンハッタンで就活。

THE BOTTOM BILLION

2012-01-09 23:15:18 | daily life
国際開発の先生から薦めてもらった"THE BOTTOM BILLION"という興味深い本を
読み終えたので、要約という形で簡単に触れてみたい。





世界の現状を見ると筆者のPAUL COLLIERがいうには、
世界には10億人のお金持ちの人たちと50億人の貧しい人々に分けられる。
(現在の人口は70億人なので残りの10億人がどこに定義されているか分からない。)
その貧しい50億人の内訳は経済が成長しつつある40億人と、
本当に貧しいとされる10億人 (The Bottom Billion) に分けられる。
最も貧しい人々の70%はアフリカに属し、
残りの30%の中にはラオス、カンボジア、北朝鮮などといった国々がこれらに属する。

そして筆者はこれらの国々には”4つの成長を促進を妨げる罠”のどれかが当てはまると主張する。
その4つとは1紛争、2資源、3政治、4悪環境だ。
なぜこの4つかというと、
紛争は極度の貧困から引き起こされる可能性が高く、
紛争が続くと経済発展に多くの負の影響が表れさらに頻度が増す。
資源が多いと、それらをめぐり近隣の諸国が奪いにきて紛争に突入する可能性が高くなる。
政治に関しては良い政治だと年間最大10%の経済成長が見込まれるのに対して、
悪政になるとお金が政界のトップなどの一部の人々のポケットにお金が入ってしまうためだ。
これらの4つの罠からは逃れるのは難しいが、逃れられない訳ではない。

しかしThe Bottom Billon に対して特に厄介なのがグローバリゼーションだ。
筆者はグローバリゼーションを大きく3つに分類する。
1、Trade in Goods
2、Flows of Capital
3、Migration of People
簡単に言えばグローバリゼーションとはもの、資本、人の流れということだ。
3、の人の流れを例にとってなぜグローバリゼーションがThe Bottom Billionに対して、
大きな負の影響を与えるのかということを説明してみたい。
グローバリゼーションによって以前に比べて、人々が国境を越えるのは簡単になった。
その結果貧しい国々からアメリカなどの先進国に優秀な人材が流出するようになった。
特に家族の中で初めて海外に渡るのは難しいが、家族の一人でも海外に渡ったら
その後は加速度的に海外に出て行くのが簡単になる。(国籍などの関係で)
それにより最貧国は優秀な人材を海外に流出してしまうので、
最貧国の発展の原動力となる優秀な人材の流出が成長を一段と鈍感にしてしまう。

それらの諸問題に対して、
筆者はそれぞれの国への補助や軍の介入、法律の改正、輸出入の政策の改善などを提案する。

そして筆者は本書の中でずっと、"We cannnot rescue them"と主張し、
私たちに出来ることはそれらの最貧国が自分たちで変われるように手助けをするしかないのだと。


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