酒の三幸

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第39回三幸ワイン会のご報告☆

2019-03-25 17:09:53 | ワイン

春到来皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

今年初のワイン会のご報告です!

今回は、「シチリアワインとじっくり向き合おう!」をテーマに、赤、白の比較試飲をしながら、美味しいイタリア料理とマリアージュ楽しみました~

 

まずは白ワイン、シチリアで最も栽培面積の多い白品種カタラットと破竹の勢いで人気上昇中のグリッロの同一生産者、同一ヴィンテージ比較です。

①モンドゥーラ2017/フナロ(写真左 カタラット100%)、②ピンツェーリ2017/フナロ(写真右 グリッロ100%)

色合いは、ほぼ同じグリーンがかった明るいイエロー。香りから違いがわかりました。

①は柑橘系果実、カリンなどの黄色い果実のほんのり甘いコンポート、蜜、花、ミネラル、ほんの少し白コショーのニアンス、

②は、①よりもっと甘味を伴う果実、白桃や洋ナシの熟れた香りやフローラルなニアンスもより強く感じられます。ちょっと上品なゲヴェルツトラミネールを思わせる感じもあります。

口にふくむと、どちらにも果実味のボリュームを感じますが、やはり②の方がまろやかさがアフターまで持続していき丸く喉を通っていく感じ、①はアフターに柑橘系果実を食べた後のような爽やかな酸味が伸びていきます。

 

合わせるお料理は、

サーモンのカルパッチョ、岩塩とオリーブオイルだけでシンプルに味付け、サーモンには希少な5種類のスパイスがかけてあり、メインのお野菜は甘味と酸味のバランスがよいフルーツトマト、

ワイン①に合わせていただきました。シチリアは海に囲まれた島ですから、新鮮な魚介とのマリアージュ、とてもしっくりきますね 特にこのメニュー、味付けはシンプルですがワインに感じられる細やかな要素を意識して作ってくださっているのがよくわかります。

ワイン②には、

手羽先のコンフィのフリット、手羽先は低温の油で蓋をして蒸し揚げた後、高温で揚げ直しているそうです。また、添えのアスパラは、衣にチーズ粉を混ぜ合わせ揚げており、ひと味違ったフリットに。

白ワインにお肉の揚げ物?と思われるかもしれませんが、②のまろやかな触感がフリットにも合いますし、白ワインの酸味が油分をサッパリさせてくれる役割も果たします、シンプルな味付けは、揚げ物にレモンをかけたようなニアンスで、ワインの風味を味付けに利用しているともいえます。アスパラは、ワインのアフターに感じるグリーンの要素(青っぽいニアンス)にとてもフィット!衣にチーズ風味も感じられ美味しく、ワインのグラスも進みました。

手羽先の食べ方を説明してくださるシェフの潤さん

 

皆さんも比較試飲、真剣です! 

  

 

次は、ゆっくり味わうための白ワイン、シチリアではわずかにワイン生産量3%産地ながら、今や生産者が130軒ほどもひしめき合う注目のエトナのカリカンテ種メインの白ワイン、

③レ・サッビエ・デル・エトナ・ビアンコ2017/フィッリアート

カタラットが20%使用されているので、ワイン①と共通の要素も感じられます。香りは、黄色い果実、白桃、花、蜜、石灰のようなミネラル、若干のスパイスなど感じられる要素は多いのですが、香りだけでも気品を感じる、上質なシャルドネの様なイメージがあります。が、口にふくむとシャルドネとは違い再び柔らで豊かな個性的な果実味が広がります。後半からミネラルや酸もアフターにかけて伸びるのでフルーティーにとどまらず繊細な複雑性、余韻の深さが感じられます。美味しいです!参加者さんの中で「セクシー!」と表現された方がいらっしゃいますが、なんとなくニアンスはわからないではないです(笑)

③も①②に合わせたお料理でマリーアジュを楽しみました

皆さんに白ワインはどれが一番好きか聞いてみたら、やはり今人気上昇中のグリッロが圧倒的に好評でした

 

美味しさ伝わる満面の笑み

 

さて、今度は、赤の比較試飲へ、

白ワイン③で触れましたが火山土壌のため、フィロキセラ禍にさらされることなく、樹齢80~120年の自根の古木が残る注目の産地エトナの黒ブドウ、ネレッロ・マスカレーゼから造られた赤ワイン、異なる生産者で同一ヴィンテージ比較です。

 

 

写真左④エトナ・ロッソ2016/テヌータ・デッレ・テッレ・ネーレ、エトナの栄光の原動力となった大御所生産者のひとつ、そして写真右⑤エトナ・ロッソ2016/トルナトーレ、品質向上著しい華麗なニュー・スター的存在の生産者。

色調は若干④が濃い目でしょうか、淡い紫がかった赤色です。香りは、④の方が複雑に感じました。果実のトーンも赤いベリーの他ブラックチェリー、ブルーベリーなど黒系果実の要素も感じ取れ、その中にスパイス、上品なオーク香も混ざり合い、エキゾチックなムードも、口中では、バルサミックなニアンスもあり、細やかなタンニンとともにエレガントな中にもメリハリを感じる味わいに。造り手自ら「地中海のブルゴーニュ」と呼ぶように強めのブルゴーニュのピノ・ノワールに近い要素が感じ取れる。対して、⑤は、素直にピュアな赤いベリー、花を思わせる華やかな香りが心地よく、味わいももっとタンニンがシルキーで柔らかい口当たり、ほどよい酸味とともにアフターまできれいに伸び流れる感触。まさにエレガント・ピノを意識した造りを感じる。ニュースター的存在とは、この点が魅力だからかなぁと。参加者の皆さんもこちらが好きな方が多かったです。

合わせるお料理は、ピノ・ノワールに近いイメージで、そこに④に感じられる独特なスパイシー感を意識して、ボスカイオーラ(木こり)風に作って頂きました。

ツナとアンチョビガーリックオリーブのトマトソースのスパゲッティ

やさしいけど深みのあるパスタ、まさにワインの味わいと同じニアンスで、ツナも味が突出することなく他の具材と調和がとれて、上品にまとまっていました

そして、この特製手作りパンもご紹介しなければ!

参加者の皆さんにとってもヒット ほんのり甘味があって香ばしくてソフト感もグーッ

 

参加者皆さんそろったところで、カンパーイ

 

 

さて、最後の赤ワインは、濃い目のしっかりした味わいでシメたいと思います。

⑥ネロ・オロ2016/ザ・ワイン・ピープル、シチリアを代表する黒ブドウ品種ネロ・ダーヴォラを陰干し、または畑により遅摘みにしたものを使用、凝縮感のある芳醇な味わいが魅力です。色合いも濃いですよね、レーズンのような完熟ブドウ感に枯れた植物的なニアンス、甘苦いスパイスの要素、土中のミネラルなど複雑性に富んだ風味が感じ取れます。

 

合わせるお料理は、イベリコ豚のほほ肉の煮込み、ワインの風味の要素を取り入れ、ドライプルーン、オレンジピール、香味野菜と一緒に煮込んでいます。

上に載っているパプリカとの相性もピッタリ!頬肉の柔らかくほぐれる触感がたまりませーん

 

合わせるチーズもセレクトいたしました。

 

手前から、レッドチェダー12ヶ月、バッファロー・ブルーチーズ、オーガニック・プルーン(種抜き)

凝縮した果実味のしっかりした赤ワインには、熟成の長いチーズやブルーチーズと相性が良いことからセレクト。特に今回のバッファロー・ブルーは、珍しい水牛のミルクから造られており、ミルクの濃厚な旨みが青カビの風味と調和して美味でした。もちろんワインとのマリアージュもグーッ

 

潤さんもお疲れさま~

 

 っと、ここで参加者さんから、プーリア州(イタリア半島の「かかと」の州)で代表的なプリミティーヴォの差し入れが

有り難いですね~

南部イタリアを代表する赤ワイン同士、これまた比較試飲スタート!

デザートのチョコレートムースやチーズと楽しみながら

濃い色調、凝縮した果実風味から、味わいに共通点も多いのですが、この2アイテムの比較では、陰干しブドウ使用のネロ・ダーヴォラ(写真左)の方がやはり甘味が強くより複雑性も感じられ、プリミティーヴォ(写真右)は、黒系果実に赤系果実の要素も感じられ若干華やかさもあり、味わいにスパイスの要素や細やかなタンニンもありますが、ほどよい酸味が全体の味わいを引き締め、しっかりとした造りの中にもエレガントさを引き出していました。

 

私達を楽しませてくれた今回のワイン達でーす  拍手~

 

 

 

そして、

ほろ酔い気分のイイお顔の私達、 ポチッと 5,4,3,2,1  イェーイ

 

皆さん、遅くまでお付き合い頂き、美味しく楽しい幸せなひとときをありがとうございました 

次回は、ちょうど40回目を迎えますので、パーッとはじけられる楽しい記念企画を考えたいと思っています。

お楽しみに~

 

 

 


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