酒の三幸

閉店後もこれまで温かく支えてくださったお客様と繋がる場所として、ブログを継続させて頂きます。その後の生活やワイン情報等。

第21回三幸ワイン会のご報告☆

2014-04-29 17:46:23 | ワイン

先日、開催いたしましたワイン会のご報告です。

このワイン会は、日頃お店のお客様と接していて、「ワインは大好きなんだけど、お店に来てどのように選んでいいのかわからない」というお声が大変多いことに気づき、ご自分でほしいワインの味わいを表現できたり、プライスカードの説明を見てだいたいの味わいが把握できるように、少しでもお役に立てたらという思いからスタートし、お陰様で20回を突破いたしました

ここまで続けてこられましたのも、お客様おひとりおひとりのワインに対する熱い思いに支えられてのことと感謝の気持ちでいっぱいです

そこで今回は、「20回突破記念」ということで、お得意先のイタリアンのお店 Primo Piattoさん(粕谷4-14-4 ハイラーク芦花公園 1F TEL.03-3326-2386)にて、春をテーマに私がセレクトしたワインとそれに合うPiattoさんオリジナルお料理で、参加者の皆様にマリアージュを楽しんで頂きました

4月23日(水)午後7時半より、

  

 

前半の泡、白ワインは、春のイメージから「穏やかで心地よい果実風味&繊細で上品な印象」をテーマにセレクトし、これに合わせるお料理は、すべて「野菜」をテーマに出して頂きました。

 

では、スパークで乾杯!からスタート

 

①<イタリア・アブルッツオ州>マラミエーロ・ブリュット・ロゼ NV

桜をはじめ花々の美しい季節ですから、綺麗なサーモンピンク色のロゼをセレクト! 繊細で上品な赤いベリーの風味に瓶内二次発酵によるクリーミィな泡立ちが調和し、柔らかい口当たりのエレガントな味わいです。使用品種:ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)

 

皆様のご健康とご多幸を祈り、また皆様のワインライフが益々豊かになりますように、そして20回突破をお祝いして、

かんぱーい

  

甘酸っぱいチャーミングな果実風味が完熟フルーツトマトとマリアージュ クラッカーには、いろいろな野菜の粉末が混ざっています。

 

次に白ワイン、

 

②<西オーストラリア州>プランタ・ジェネット・リースリング 2013

リースリング特有のオイルを思わせる穏やかなミネラル香のあとに柑橘系果実、白い花、蜜のような上品な心地よい香が追いかけてきます。フレッシュな果実味とミネラル感が魅力のスッキリとした味わいです。

アフターのキレの良さが「大根のタリアテッレと春キャベツのサラダ仕立て」のみかんドレッシングのさっぱり感とマッチ!「タリアテッレ」とは、パスタの一種で大根をそれに見立てたサラダです。右の写真のように大根をパスタの形状に似せてスライスしています。

続いて、

③<ブルゴーニュ>ポール・ペルノ・ブルゴーニュ・アリゴテ 2011

アリゴテは、ブルゴーニュ地方でシャルドネに次いで(生産量は少ないものの)格付けワインとして認められている白品種です。繊細な果実風味にのど越しで花のニアンスが感じられる奥ゆかしい味わいのワインとなります。

こちらは、アリゴテの中では、比較的ボリュームのあるタイプ。上記のリースリングに比べ、もう少し甘味のある熟した柑橘系果実、パイナップル、バナナなどのトロピカルフルーツの香、色合いも濃く、口中で豊かな果実味がなめらかに広がります。時間の経過とともに若干のクリームやヴァニラのニアンスが感じられますが、豊かで丸い酸とミネラルがしっかりと支えとなり、フレッシュで爽快な印象を残しつつ、余韻はリースリングよりも深く感じられます。

「アスパラと菜の花の温かいサラダ、焼きパルメザンチーズ添え」には、このワインのなめらかな口当りがサラダのソースに合いますし、チーズのような乳製品もヴァニラヤクリームのニアンスにはまります。 

   

 

ワインで疲れた舌を休めるため、あるいは口中をさっぱりさせるためにパンの存在は重要ですね、ワインとパンは発酵食品としてもお仲間なので相性も良いのですが、こちらのパンは、EXバージンオリーブオイルのみを使用した、オリーブオイルの風味の心地よいパンなのです。

オリーブもワインのおつまみにグーッですから、ワインをメインに頂くときは、このパンだけでWのおつまみを楽しめる感じですぅ 

  

皆さん、私の説明に真剣に耳を傾けてくださり、ほんとうにうれしいです。

さて、いよいよ後半の赤ワインへ、

赤は凝縮感のあるふくよかな味わいの方がお好みの方が多いので、「フレッシュ果実の凝縮感&エレガントさの融合」をテーマに、ただ濃いのではなく、そこに香、口当り、アフターの印象などに春らしい柔らかさ、やさしさ、清々しさなどの感じられるワインをセレクトいたしました。

凝縮感のある赤ワインなので、合わせるお料理はボリュームのある肉料理「鶏、豚、牛3種」がテーマです。

まずは、

④<南アフリカ>ボーランドセラー・ピノタージュ 2011

ピノタージュは、ピノ・ノワールとサンソーの交配種で、南アフリカの固有品種でもあります。凝縮した果実風味の中にもピノらしい華やかさが感じられ、タンニンは柔らか、アフターに適度な酸味があることで、全体をエレガントな飲み口に仕上げています。

こちらのワインは、完熟ベリー、スパイスの香や樽由来のスモーキーな香、煮詰めたプラムジャムを思わせる甘味のある果実味と柔らかなタンニンのなめらかな口当り、ほどよい酸味が濃い味わいを和らげています。

 

合わせてお料理は「美桜鶏と青柚子胡椒のラグーソースのリングイーネ」、青柚子胡椒の華やかさとピノタージュの奥ゆかしい華やかさ、胡椒のスパイシー感と酸味をワインに感じられるスパイスのニアンスと程よい酸味のアフターに沿うように、作って頂きました。

一般的なピノタージュですと、もう少し甘さ控えめで酸味ベースとなるので、このお料理とさらにマリアージュGood!だと思います。

 

次に、

⑤<チリ>ペレス・クルス・カベルネ・ソーヴィニヨン・レセルバ 2011

皆さんお馴染みのチリカベですね! でもこのチリカベ、ちょっとユニークなんです。

熟したベリー、スパイス、ドライフルーツ、ヴァニラなどの香にミントやローストしたハーブのニアンスがアクセント!これは造られている土地の風土によるものだそうですが、ペレス・クルスの造るワインに共通してこのハーブのニアンスが感じられるのです。果実味は、プラムのようなフレッシュでジューシー、タンニンは細やかで口当りなめらか。凝縮した果実感にハーブの清々しさが心地よく感じられ、ボリューム感をほどよくしています。 

これに合わせてのお料理は、これまたユニーク なんとこのワインを使った「ペレス・クルス・カベルネ・ソーヴィニヨンのリゾット スモークした豚バラ肉添え」

 

リゾットというと、サッパリとしたスープにお米が浮かんでいるイメージですが、こちらは、ワインでお米をグツグツ煮込んだ感じ、やや固めの食感もなんだかお米ではなく別なものを食べている感じもいたしました。もちろん同じワインを使っているので相性は良いですし、お肉のスモーク加減もほどよくワインのハーブやオークのニアンスと口中で一体になっていました

 

赤のラストは、

⑥<カリフォルニア>マージェラム・M5 2011

フランスの三大銘醸地のローヌ地方のタイプのブレンドワインです。ジャミーでエキゾチックなスパイシー感のグルナッシュ、適度な酸味&スパイシー感のシラー、色濃く土の風味や豊かで細やかなタンニンが特長のムールヴェードル他、ローヌ地方で使われる赤品種5種がお互いに無いものを埋め合ってひとつになった様なブレンド感が絶妙!熟した黒系ベリー、スパイス、土、タバコなど豊かで深い香、完熟した果実味にシルキーなタンニンが溶け込み、口当りまろやか、アフターに感じる酸でエレガントさアップ! 

 

このワインには、「葡萄牛のグリル 5種のスパイス風味」。葡萄牛とは、ワインの搾りかすを飼料に混ぜて食べさせて育てた牛のこと、これを聞いただけでもワクワクしますよね~ 5種のスパイスは、ホワイト、ブラック、グリーン、ローズ、コリアンダの実だそうで、フランス産で残りわずかのものを使用してくださいました。感謝感激

5種類のいろいろなキャラクターのスパイスとワインの持つスパイスの要素が混ざり合うのも楽しかったですし、もともとジビエ料理と相性のよいローヌワインには、やはり素朴な肉の旨味が感じられる料理は、サイコーです

 

さて、最後のシメは、極甘口白ワインで、

⑦<ボルドー>シャトー・ガロー 2012

熟した柑橘系果実、ハニー、アカシアの花などの香に様々なハーブの香、トロリ感のある甘美な味わいの中にもフレッシュな酸の爽やかさが感じられます。 使用品種:セミヨン85%、ソーヴィニヨン・ブラン15%

 

デザートは、「ドライフルーツ入りブリオッシュとフルムダンベール」  

フルムダンベールは、フランス中部山岳地帯オーヴェルニュの良質な牛のミルクから作られる青カビチーズです。ヘーゼルナッツのような香ばしい香、青カビはしっかりと入っていますが、刺激や辛さはなくマイルドでクセのない味わいと、しっとりとなめらかな食感が特長です。青カビチーズに慣れていない方にも食べ慣れた方にも、どちらにも満足頂ける味わいです。極甘白(特に高級貴腐ワイン)と青カビチーズのマリアージュは、ワイン学習では、ベーシックなパターンです。意外と結びつきにくい組み合わせだと思いますので、ぜひ試して頂きたく、Piattoさんにお願いいたしました。

また、ブリオッシュはフランスの菓子パン、ドライフルーツの様々な風味が極甘口白だけでなく赤ワインにもマリアージュ

 

最後に皆さんとご一緒に 

 

今回もいっぱい飲んでいっぱい食べておいしく楽しいひとときとなりましたが、参加者皆さんが初対面の方もいらっしゃる中、会話も弾み盛り上がってくださったことも、たいへんうれしく思いました。

まさにワインは、人と人をつなぐ潤滑油ですね~

参加者の皆様に心から御礼申し上げます。

ありがとうございました

そして、私のわがままをいっぱい聞いてくださり、おいしいお料理を作ってくださったPrimo Piattoさんに心から感謝いたします。

ありがとうございました

 

この会を励みに、また有意義で楽しい会を企画していきたいと思います。

今後ともどうぞ宜しくお願い致します。