日記

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大学いろいろ

2024年05月11日 | 日記


さて、昨日から大学での実際の作業が始まりしました。
まずは機ごしらえ。手前に綾棒を取り付け、本筬、綜絖と通していくのが、今までと全く逆で調子が出ません。
 
綜絖穴も大きく糸も太いので、指で糸を摘まんで通す。
今までだと綜絖に最低二日はかかっていたけど、本数少ないので昨日は一気に済ます。
 
そして3時ころから助教の先生に手伝っていただきながら、糸を千巻に巻き取る。
 
綴れ織りなので「力いっぱい菊を回す」ことになり、先生が手元で糸を引っ張り、私はしゃがんで糸を巻き取って行く。
 
女二人の力仕事。機織りとはげに力仕事でもあります。
 
さて織り機ですが、開学当初に京都のメーカーに特注したものらしい。
杉かと思いましたが、夫に言わせれば檜じゃろとのこと。確かに杉のように柔らかくはなさそうです。
 
檜の無垢材多用、組み立てはほぞ多様で、ボルトで固定などしておりません。織機全体、軽くはないけど、重くもない。糸との馴染みもよさそうで、さすが日本の手仕事と思いました。
 
筬も、曲尺に鯨尺多数。曲尺とは、よく大工さんが持っている直角の定規の単位らしく、着物などは鯨尺が単位らしい。今の今まで知りませんでした。
 
曲尺が鯨尺より少し短い。一寸が3.03㎝。曲尺で10目の筬は約3㎝に10目。
10㎝では約33目。30羽/10㎝の筬より幾分、密ということになりますね。
 
夏休み外して持って帰るつもりでしたが、筬はともかくとて、織機が変われば織り目も微妙に変わり、しない方がよさそうです。
 
200㎝のつづれ織り、来年1月半ばまでに出来るでしょうか。できないかもしれないけど、途中で切ってもいい反復のデザイン。いざとなったら何とかする。

それにしても・・・前に4年生の学校出たのは53年も前、その間の時代の変化は大きく、学生気質も変化の方が大きいのではと感じています。
 
もちろん学風もいろいろあるでしょうが、ちょうど30年前、中四国で初めて芸術系の学部を備えた公立大学として開学。他に国際と情報があります。
 
通い始めていちばん驚いたのは、学内がとても静かだということです。校舎の外で人の話し声がほぼしない。
 
キャンパスを歩く学生すら稀。
 
みんなどこで何している?と不思議です。
 
大学は山の斜面を切り開いたところにあり、後ろは山、向いは住宅団地です。いわゆる学生街というものがない。書店、喫茶店、食堂などなど、安くてきれいではなくて、でもいつも人がたむろしていたようなあの学生街が。
 
学生はバスで15分の横川駅まで速やかに帰るらしい。そこでたまるのかもしれませんが。
 
私が若いころは・・・と懐かしがるにもあまりに長い年月が経ってしまいましたが、前半の二年間、特に教養部時代の一年間は昼間の講義はテキトーに流して、午後5時から7時くらいまでのサークル活動その他に力を注いでいました。
 
私は美術部だったので、美術教室で絵を描き、準備室に部の道具その他を置いていましたが、他のサークルは第一食堂の隣にサークル棟があり、細かく区切って各サークルの活動拠点となっていました。
 
汚くて賑やかで、いつも誰かがいて、あの混沌の中からいろいろなものが生み出されていったのでしょう。学生の自治組織=学友会というものがあり、やがて全共闘とのバトルに敗れて・・・その後、長く講義がない期間が続き・・・
 
というようなことに大学側も懲りたのでしょう。なるだけ学部を越えて学生が集まらないように、よからぬことをしないようにと、設計の段階から考えているのかとも思います。未確認で類推ですが。
 
全共闘って何・・・?と思う向きにはおうちのおじいちゃんおばあちゃんに聞いてみましょう。ただし70歳半ば以上。
 
県立大学で、以前社会人向けの講座を夜に聞きに行った時には、18時には守衛さんがカギを閉めて回り、学内から学生を出していました。
 
こちらも門前の学生街はない。学生街の喫茶店もない。すっきりと大人しい。
 

織の教室も留学生を除いて全員女性。物静かで、工房では作業しているかデザイン考えてるかの個別作業。無駄話もほぼありません。道具を取りに行くときの足音が物音といえば物音。
 
いつも賑やかだった、以前習っていた織り工房とはえらい違いです。
 
学生さんは私がとても年寄りに見えるらしく、親切に声かけてくれます。この椅子に座ってくださいとか、分からないことかあれは何でも聞いてくださいねとか。その親切が心地いい。片意地貼らずに好意には甘えましょう。
 
次はいよいよ織り始めるのかな。がんばって一日数センチだそうで、5㎝として20日で1mしか織れません。週一なので残りはそんなもんです。
 
その他に会派の作品も織りたいし。昼夜織りなんかは機ごしらえで8割方終わっている。今になればとても楽だったと思える今日この頃。
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