じゃがブログ ~さいとう小児科~

じゃが院長のつれづれ日誌をメインに、趣味(合唱・囲碁・絵)や道楽(温泉・ラーメン・酒)にまつわるエッセーを掲載。

「方便麺」とは何モノぞ?

2012年02月09日 | ◎じゃが日誌
中国には「方便麺」という食べ物があるそうです。何だと思いますか?

石ちゃんの「まいう~」は、「うまい」のひっくり返しですよね。

「嘘も方便」という言葉があります。「うそ」をひっくり返して、「そう」。
「方便麺」は「そう麺(素麺)」のことではあるまいか?

私の推理は、見事にハズレました。

同じものを、台湾では「泡麺」というのだそうです。
かたや「方便」、こなた「泡」。ともに同じ麺類を意味しているとは。。。

なんと、答は「即席ラーメン」なんですと。

今どきのお湯を入れれば出来上がる「カップ麺」だけではなく、鍋で調理するインスタント・ラーメンも含めた「即席麺」全体を指すらしい。
同じ漢字文化圏でありながら、即席ラーメン発祥の地日本での命名「即席麺」を、どうしてわざわざ「方便」だの「泡」だのと言い換えなければいけなかったんでしょうかね~?

「方便」には、どこか「まがいもの」の響きがあります。
ラーメンはもともと、中華料理の「拉麺」からヒントを得た「日本食」です。中華料理ではスープの仲間でしかないのに、日本食ではれっきとした一食分の食事扱いですからね。

もしかすると、「即席」の意味が中国語では違うのかも知れません。日本語での「たちどころに」という意味合いが「方便」だとすれば、納得がいきます。

goo辞書によれば、

< 方便(ほうべん)には、次の意味がある。

 仏教で、悟りへ近づく方法、あるいは悟りに近づかせる方法のことである。
 仏教以外の物事について導く・説明するための手法のこと。
 真実でないが有益な説明等を意味する場合もある。
「嘘も方便」という慣用句ではこちらの意味で使用されている。
 上記の意味がさらに転じて、都合のよいさまを悪く言う場合にも用いられる(「御方便なものだ」)。
 あるいは、「詭弁」とほぼ同じ意味で用いられることもある。 >

というふうに、日本語では「たちどころに」という内容とは結びつきません。


「泡麺」はどう解釈するのでしょう?

「泡沫」と書いて「うたかた」と読みます。

同じくgoo辞書によれば、

< うた‐かた【泡沫】
 《「うたがた」とも》
 1 水面に浮かぶ泡(あわ)。「―の如(ごと)く消える」
 2 はかなく消えやすいもののたとえ。「―の恋」「―の夢」 >

とのこと。

「泡沫麺」・・・すぐに出来上がる麺というよりは、すぐに食べきってしまう麺。そんな感じがしてきませんか。
「沫」なしの「泡麺」だと、お湯を注ぐと中からブクブクと泡立ってきそうなイメージです。なんだか不気味~。


漢字の国どおしでは、筆談で意思疎通ができるものと思っていました。
でも、「即席麺」を例にとっただけで、そうとは限らないぞという気がしてきます。
彼の国へ赴いたときには、筆談で「即席拉麺」と説明しても、なんのことやら伝わらないと知らねばなりません。
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