じゃがブログ ~さいとう小児科~

じゃが院長のつれづれ日誌をメインに、趣味(合唱・囲碁・絵)や道楽(温泉・ラーメン・酒)にまつわるエッセーを掲載。

淀工グリーのプロジェクトX

2005年05月11日 | ◎合唱は楽し
知る人ぞ知る、大阪は淀川工業高校グリークラブは、これまでに何度も全国コンクールで金賞を獲得した高校合唱界の名門です。

昨晩のNHK「プロジェクトX」で、その創始者である高嶋昌二氏と、当時の第一期生たちの物語が放映されました。
高嶋氏は、昭和54年に京都大学を卒業と同時に、淀工に国語教師として赴任。当時の荒れに荒れていた学校に、合唱を通して生徒たちの「やる気」を引き出そうと取り組みました。

そのためのさまざまなエピソードが、時代背景とともに語られました。中には、手製の「餃子券」を作って、懇意にしている中華料理店での「無料」餃子サービスを、自腹を切ってまで生徒にしてあげたという、感心を通り越して呆れてしまうほどの打ち込みようでした。これだけの情熱ですから、生徒たちの胸に響かないはずがありません。

新卒教師と高校生ですから、今になってみればそれほど年の差があるわけではありません。出演していた高嶋先生と当時の生徒たちは、見た目ほとんど同じくらいの年輩に見えました。合唱に長く携わっている先生が、実際以上に若々しく見えたからかもしれません。


ここでダブって見えるのが、私の高校時代の合唱仲間、N君です。彼が生徒指揮、私が部長を務めて、一緒に県大会・東北大会へ出場しました。つい先日のことのように思い出されますが、もう30年以上も前の話になってしまいました。

N君は卒業後、W大のグリークラブに入り、そこでも頭角を現して学指揮を務めました。彼の責任学年のときの定期演奏会には、私も自分の授業(講義だったか実習だったか、記憶にない)をサボって聴きに駆けつけました。高校時代からのライフワークともいえる、佐藤真作曲「土の歌」の男声合唱ヴァージョンの初演を、W大オーケストラとの共演で、それは素晴らしい出来栄えで歌ってくれました。まさに、万感迫るものがありました。

そのN君は、卒業後、山形県内のあちこちの高校を経て、十数年前には母校の国語教師として凱旋帰校(?)し、再び合唱活動に心血を注いだのです。
沈滞気味だった合唱部(我が校は音楽部と称していました)へ、声の良さそうな生徒に目を付けては自ら個人交渉して引っ張り込み、あれよあれよという間に部員を倍増させました。
最初の数年は雌伏の時。すぐに目は出ませんでしたが、そうした努力が報われないはずがありません。やがて、その指導力が実を結び、県大会はおろか東北大会でもどんどんと頭角を現してきました。
そして、ついに強豪ひしめく東北大会を金賞で通過し、見事全国大会でも金賞を獲得することができたのです。このとき、部員数は100名を遙かに超え、当時の高校混声合唱団としては最大規模(今もそうかも)の団体として、全国から注目を集めました。
ひとたびその実力が認められると、高校内での評価も高まり、彼と彼の合唱団を慕って新入部員が引きも切らない状態になり、なんと全校生徒の5人に1人は音楽部員という、異常事態にまで陥ったことがありました。

さすがにこの頃は大変でした。全国大会ともなると、これだけの大人数が日本中を移動するわけですから、飛行機もチャーター便になったり、貸し切りバスでの移動にしても越山会の旅行並みに何台も連ねての大キャラバンになってしまいます。高校の部活予算の大半を費やしてしまいそうになり、さすがにそれは不公平ということから、OBを中心として「後援会」が発足し、寄付集めをすることになりました。古巣の栄光ですから、金額の多寡はともかく、私も毎年きちんと送金しています。

私の場合、高校・大学とも合唱部でしたので、どちらからも寄付の案内が届きます。
大学のほうは、ある程度の年数寄付を出しましたが、近年は勘弁してもらっています。私自身がまだ「現役」で歌っていますからね~。こっちにカネかけたいんです。

N君ですが、N先生と呼ばなきゃいけないんでしょうけど、旧友はいくつになっても同じ目線でしか見ることができません。母校の指揮をいつまでとれるやら、高嶋先生のように教師としての出世よりも自身のライフワークの達成に人生の重きをおいて生きるのなら、定年まで今のまま続けてほしいんですが、それも外野の身勝手な願望にすぎません。
すでに高校合唱界においては「全国版」の指導者になっているので、それだけでも大したものだと思っています。同期生としては鼻が高い。(^o^)

テレビを観て始まり、最後には鼻が高くなって終わる、毎度のことですが話に一貫性がなくてスミマセン。
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3 コメント

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N先生について (まじ)
2005-05-12 11:15:45
はじめまして。TBさせていただきましたまじと申します。

記事にあったN先生ですが、高校の同期でいらっしゃるんですね。私は直接面識はないのですが、お名前はよく存じてます (某W大関係者でもあるので)。

2年前の合唱コンクールの全国大会のとき、先生が体調を壊して一時は棄権か、と思われたものの、出演順が最後になって見事な演奏をして金賞を受賞した、その感動的な場面にも偶然居合わせることができました。あれだけの人数では声を合わせたりまとめたりするのも一苦労だと思いますが、気持ちも声も一つになった、素晴らしい演奏だったと記憶しています。

表彰のとき生徒たちが客席から、「Nやん、ありがとう!!」と声をかけたのにはとてもジーンとさせられるものがありました。

また寄らせていただきたいと思います。
ありがとうございます (さいとう小児科)
2005-05-12 12:21:25
N君のご後輩とのこと、お読みいただいて感謝しております。



彼がコンクールで具合が悪くなったのは、高校3年の県大会のときに経験済みです。(^^;)



今は図太くなったんでしょうが、当時はとてもナイーブでした。重圧のせいか、すぐお腹をこわすんですね~。

すったもんだした記憶がありますが、最後はなんとか指揮が出来たような・・・結果は、東北大会まで行って「涙」でしたけど。



当時は東北大会が10月下旬だったので、そこまで全力投球した「おかげ」で大学は一浪する羽目になりました。ハハ。。



N君はストレートにW大へ行ってしまいましたが、後でちゃんと帳尻を合わせてくれました?(^o^)



例の、「1番エントリー」→「トリ演奏」の全国大会は、語りぐさになっていますね。翌年の年賀状にもそのことが触れてありました。ほんとうに幸せなヤツです。(^o^)
見ました・・・ (あんころ餅)
2005-05-21 12:58:18
小生も同番組を途中からでしたが見ました。

最後のタイトルバックに流れた「ファイト!」、良かったですね。

中島みゆきのオリジナルも良いですが、男子学生の力強い歌声に思わず聞き入ってしまいました。

昨晩、「中島みゆき/大吟醸」CDを借りてきて「ファイト!」ばかりを繰り返し聞いています。

淀川工業高校グリークラブの定期演奏会をネットで調べているのですが、なかなか見つからず・・・。

見つけたら新潟空港まで車飛ばしてひとっとび、ちょっくら行ってこようかなぁ~なんてね。

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