サッカー日誌 / 2014年07月07日


ビバ!ブラジルW杯時評(1)


(お断り)
 ブラジル・ワールドカップ期間中、現地から取材日誌を送り続ける予定だったが、グループ・リーグが終わらないうちに挫折してしまった。
 いったん中断して、これまでの時評と同じ形式で随時、掲載することにする。
 ブラジル国内を転々としながらの移動、宿泊、取材に思いのほかに手間がかかり書く時間をとれなかった。
 旅行は仲間たちの手助けを受けながら順調に進んでいる。


サムライブルーはなぜ敗退したか
日本 1引き分け2敗(6月24日)

★敗因は「弱いから」
 ブラジル・ワールドカップで、日本代表チームは1引き分け2敗、1勝も挙げられずに敗退した。
 敗因は明白。「弱いから」。
 ブラジルに登場した32チームを、A、B、Cの3クラスに分けると、日本の実力は明らかにCクラスである。敗退は実力通りである。
 日本のサッカーの特徴として個人的な機敏さやパスをつないで攻めるテンポの速さが強調されてきた。
 また、ボール扱いの巧さや中盤での判断力のよさが長所とされてきた。
 しかし、サッカーの勝負は部分的な良さで決まるわけではない。それぞれの国がそれぞれの良さを持っている。その良さをどう生かすか? 相手の良さをどう抑えるか? それが勝負である。そういうものを含めた総合力を考えると、日本の実力はCクラスである。

★第1戦がすべてだった
 実力が「Cクラス」であるにしても、その実力を世界のヒノキ舞台で、ほとんど発揮できなかった。その原因を究明することが重要である。
 第1戦のコートジボワール」との試合で、立ち上がりに先取点を挙げたあとは「日本の良さ」を見ることが、まったくできなかった。相手が日本の良さを抑え込むことに成功したとみることもできるが、香川も岡崎も長友も1本のシュートさえ放つことができなかった。90分間、抑え込まれ放しなんてことは、ふつうでない。フィジカルな面でも、メンタルな面でも、コンディショニング(状態管理)に失敗したとしか考えられない。
 日本のような立場のチームにとっては、第1戦がもっとも重要である。ブラジルなど優勝をめざすチームは準決勝あたりに体調のピークを持っていくように調整するが、日本は初戦に勝たなければ、その後の展望は開けない。第1戦を失ったことが、日本代表にとって、今回のワールドカップのすべてだった。

★夢だけ語るのは子どもと同じ
 選手たちは、第1戦の重要性を、どう考えていたのだろうか?
 大会前に本田圭佑など一部の選手は「優勝をめざす」と宣言していた。
 意気込みを語るのは悪くはない。しかし実現への具体的な筋道を考えることなしに大きな夢を語るのでは子どもと同じである。
 客観的には世界のトップレベルとは、かなりの差がある。そのことを選手一人一人が認識していれば、夢を実現するためには、まずトップ・コンディションで第1戦に臨むことが必須であることを分かっていたはずである。
 フィジカルな面であれ、メンタルな面であれ、第1戦にベストの状態で望めなかったのは、監督あるいはトレーナーだけの責任ではない。体調管理は、まず選手たち自身の問題である。


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