あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 241 歌舞伎 こんなところに拍子木があるわ……。 --ちがう世界に来て、茜は自分の生れて育った世界を冷静に考えている……。 自分が何もかも知っているわけじゃないんだと思う。 そして、いろいろな人がいろいろな価値観をもって生きているのだと思う。 それは、いろんな楽器をもちよって、演奏するオーケストラのような気がする……。 日本もいろいろな人がいて素敵なんだと思う。 そう思うと笑えてきた。 「どうしたのでござる。思い出し笑いは、スケベでござるよ」 「あら、それは私が言ったことね」 「そうでござったね……」 茜は今、考えていたことを話した。 「その通りでござるね。いろいろな人がいてこそ、世界が素晴らしい。ところが、女はダメだとか、この世界ではギャクでござるね」 「ええ、女性の方がいばっているわよ。でも、こんなことをしていたら、女性にこそ、困ったことだと思うのよ」 「どうしてでござるか?」 「何が大切かって、わからなくってしまうと思うのよ。何でも、権力でやってしまえるなんて本当に、恐ろしいことだわ」 「そうでござるね。権威ある人ほど、理性と教養と勇気と決断が必要でござるね。司馬遼太郎という時代小説家は、能力もないのに権威にある人たちのことを、罪があるというでごさる。それが、日本の第二次世界大戦での敗北の原因だったというでござる……。何でも、権威でごまかせる社会をつくってしまったでござるよ」 「そんなことしたら、大変ことになるわね」 「そうでござる。今も、汚れ仕事をすると出世ができるなどというでござるゥー。盗人たけだけしいとは、このことでござるゥ……」 茜は拍子木をならした。 「まるで、歌舞伎でござるねえー♪」 オカネスキーはうれしそうである。
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