『廣島の詩』
廣島の詩編集委員會・編/広島市中央公民館1955年
10年後に出されたアンソロジー。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/ec/0d3a1f7df1a50c282e833d23744cee00.jpg)
「序」に書かれてあります。下「」引用。
「何故人類はかくも常に自らを憎まねばならないのだろうか、カインの末裔である人間といってしまえばそれまでのことであるが、無心の子供を見、緑なす山野と、流れる川を眺める時、われらは矢張り喪失せる楽園への郷愁を覚える。しかも現実の世界を見ると、永遠の死の灰に息の根も止まりそうな状態におかれている。人類が自らの無知のゆえに苦しむ愚を、敢えてしている今の姿は、一歩退いて考えれば寔に哀感に耐えないものがある。人類に光明を与える筈であった科学が、プロメシウスの火のように、却って人類の禍する結果を現にわれわれの宇宙が、世界が眼のあたり眺めているのではないか。
「広島」が人類始まって以来の劫火を受けて、今年は十年になる。十年の歩みを山に訊ねてみるがいい、比治山に。川にきいてみるがいい、七つの川。いや、その七つの川にまたがった大地の骨粉にきいてみるがいい。恐らく山も川も大地も、黙して静かに天を指すであろう。天が一番よく知っているからだ。
「広島」は今や世界の一つの象徴となっている。世界の何処にも「広島」を繰返してはならいという声の抵抗がきこえる。-略-
「広島の詩」編集委員会が生れたのは、このような意識の結晶からであった。それはテライでも何でもない。誰かがしなければならない「広島」の仕事であった。広く深く強く内面的にアッピールするということ。-略-此の一巻の詩集は、その新なる出発点となるべきだ。「広島」の叫びが世界の果々まで響き、老人すらも大なる幻を夢みる日を、われわれは心から待ち望んで止まない。
一九五五年八月
「広島の詩」編集委員会
大原三八男 米田栄作 田辺耕一郎 渡辺鼎 宮川造六 真木賢三 清水高範 堀池良雄 木下夕爾 滝口節夫 (順不同)」
「無言歌」米田栄作・作
「神話」四国五郎・作
「くにちゃんへ」勝矢ふみこ・作 下「」引用。
「-略-
カラッポになったくにちゃん
私は探します
くにちゃんの魂を
誰がとっていったのか
世界中の火とにききます
ほんとうのくにちゃんが
かえってくるまで」
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廣島の詩編集委員會・編/広島市中央公民館1955年
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「序」に書かれてあります。下「」引用。
「何故人類はかくも常に自らを憎まねばならないのだろうか、カインの末裔である人間といってしまえばそれまでのことであるが、無心の子供を見、緑なす山野と、流れる川を眺める時、われらは矢張り喪失せる楽園への郷愁を覚える。しかも現実の世界を見ると、永遠の死の灰に息の根も止まりそうな状態におかれている。人類が自らの無知のゆえに苦しむ愚を、敢えてしている今の姿は、一歩退いて考えれば寔に哀感に耐えないものがある。人類に光明を与える筈であった科学が、プロメシウスの火のように、却って人類の禍する結果を現にわれわれの宇宙が、世界が眼のあたり眺めているのではないか。
「広島」が人類始まって以来の劫火を受けて、今年は十年になる。十年の歩みを山に訊ねてみるがいい、比治山に。川にきいてみるがいい、七つの川。いや、その七つの川にまたがった大地の骨粉にきいてみるがいい。恐らく山も川も大地も、黙して静かに天を指すであろう。天が一番よく知っているからだ。
「広島」は今や世界の一つの象徴となっている。世界の何処にも「広島」を繰返してはならいという声の抵抗がきこえる。-略-
「広島の詩」編集委員会が生れたのは、このような意識の結晶からであった。それはテライでも何でもない。誰かがしなければならない「広島」の仕事であった。広く深く強く内面的にアッピールするということ。-略-此の一巻の詩集は、その新なる出発点となるべきだ。「広島」の叫びが世界の果々まで響き、老人すらも大なる幻を夢みる日を、われわれは心から待ち望んで止まない。
一九五五年八月
「広島の詩」編集委員会
大原三八男 米田栄作 田辺耕一郎 渡辺鼎 宮川造六 真木賢三 清水高範 堀池良雄 木下夕爾 滝口節夫 (順不同)」
「無言歌」米田栄作・作
「神話」四国五郎・作
「くにちゃんへ」勝矢ふみこ・作 下「」引用。
「-略-
カラッポになったくにちゃん
私は探します
くにちゃんの魂を
誰がとっていったのか
世界中の火とにききます
ほんとうのくにちゃんが
かえってくるまで」
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