磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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非核自治体運動の理論と実際

2008年11月22日 | 読書日記など
『非核自治体運動の理論と実際』
   西田勝・編/オリジン出版センター1985年

「はじめに」にで書かれてあります。下「」引用。

「アメリカの対ソ核戦略の変化の中で特に極東において核戦争の危機が高まっています。たとえば北朝鮮を核戦場に想定しての米韓あるいは日米の合同軍事演習は昨年以降、通年化し、それに対抗してソ連の軍事演習も日本以南あるいは以東の水域にまで及んで、その度数を増しています。-略-本書も『非核護憲都市宣言運動のすすめ』と同様、その続編として草の根反核運動の手引書あるいは参考書として使っていただければ幸いです。
 地球を考えながら、地域から行動を!
 Think globally act locally!
 一九八五年七月  編者」



非核五原則を訴える……。下「」引用。

「昨年夏、坂本義和、大江健三郎氏によって従来の「非核三原則」(「持たず、作らず、持ち込ませず」)では不十分になったとし、「使わせず、すてさせる」を加えた「非核五原則」を国是とすべきであるとの提唱が行われた。さらに「三原則」の中の「持ち込ませず」には、核兵器だけでなく、それに関するいっさいの施設を含めるべきだとし、またアジア・太平洋地域を一日も早く非核化しなければならないとしている。同感である。問題は、どうしてこの「五原則」を国是にすることが可能かということである。」

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よく書かれていることですが、軍人より民間人が殺される時代になっていますね……。下「」引用。

「与謝野晶子が「君死にたまふことなかれ」という反戦の歌を詠んでおりますが、「君死にたまふことなかれ」というのは、「君」という戦闘員に対して非戦闘員である晶子がいうのです。我々が死ぬといっているのばない。晶子の時代の戦争は、大体軍人が死ぬのでありまして、市民は殆ど死なない、そこで「君死にたまふなかれ」となるのであります。今の戦争というのは次表のとおり第一次世界大戦では死亡者の九五%は軍人でありましたが、第二次世界大戦では五二%しか軍人は死んでいません。決して絶対数が少ないというのではありません。-略-」

レーガン大統領で考えをかえた人たちもいたそうです……。下「」引用。

「労働党執行委員で国会の外務・軍縮委員長であるヘレン・クラークさんは、「レーガン大統領がホワイトハウス入りして“ソ連は悪の帝国”“限定核戦争”などの発言をしたことが、この国でも反核感情を刺激した」と語った。これがニュージーランド人の反核意識に新たにつけ加わった要因といえよう。」

レーガンの子分・中曽根。下「」引用。

「さらに中曽根首相は非核自治体運動に非協力的な態度をとるよう指示した自民党の総裁でもあるが、ロンギ首相は南太平洋非核地帯条約の実現のたけめ国際舞台でも活躍しているのである。両首相を比べれば、まさに“月とスッポン”ではいか。オークランド大学のある学生は中曽根首相の「不沈空母発言」などを「大変、残念に思う」と語った。中曽根首相が一九八五年一月、ニュージーランドを訪問した際、オークランドの反核・平和グループは「非核の国へようこそ。一緒に核のない世界をつくりましょう」という横断幕を手に、中曽根首相にやんわりと彼らの心情を表明した。」

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「不沈空母」ではなく、日本を「核戦争の戦場」にしたのが、中曽根です。
アメリカは戦場ですらないと勘違いしているのが……。
そうであったとしても、「核の冬」……。

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「神戸方式」について。下「」引用。

「七五年以降、神戸に入港した外国艦船のうち、核保有国であるフランス(三隻)、インド(四隻)の二ヶ国はいずれも『非核証明書』を提出した。イギリスは七八~八四年にかけて七隻の入港を打診してきたが証明が必要との市側の説明で入港を断念している〔注4〕。米艦については打診すら一回もないという。なぜ、アメリカは神戸港入港をあきらめただろうか。-略-七五年、アメリカはインドシナから撤退、ちょうどこの年に『神戸方式』が生れた。
 しかし、八○年代に入り、レーガン政権の誕生とともに再び日本への米艦隊の寄港は増えつつある。『核の存在を明示しない』という米戦略にとって神戸方式のようなやり方がアジア・太平洋諸国に広がりつつあることは大きな脅威であろう。
 『核艦船寄稿拒否』を掲げる労働党が政権を獲得したニュージーランドや『非核』をうたった憲法・政府措置をとったいくつかの太平洋・インド洋諸国にとって神戸は先駆けとして大いに注目され、交流も活発になっている。」

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