磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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冬景色

2005年12月27日 | 短編など
冬景色

1.

ヒュー、ヒュー。
北風がふきはじめました。

「ふう」
手がかじかんでいます。
小学生の子どもたちは手をこすります。
分厚い雲が空をおおいます。

空から小さな雪たちがこぼれます。
「うわー雪だ」
小さな手に落ちた雪はすぐに溶けました。

「あはは……」
愉快な声がこだまします。
初雪です。


2.

ヒューヒュー。
北風はさらに力を増しました。

「はあーはあー」
小学生は白い息を吹きます。
手袋が愉快に動きます。
空から雪が降ります。
地面に落ちた雪たちも、
力を増して溶けません。

ヒューヒュー。
北風に舞っていた枯葉たちも白い雪で見えません。
小学生たちも少しふくらみました。
着膨れている子どもたちもいるのです。
お日様はあまり顔をださないようになりました。


3.

空から無数の雪たちがこぼれて来ます。
「うわー、広いなあー」
小さな雪の一つがいいました。
「下、柔らかそうだなあー」
と声をかけてきました。
雪たちは静かに、おしゃべりしています。

夜になって、
雪たちは北風に吹かれて舞いました。

「♪ジングルベル、ジングルベル、
鈴がなる……」
子どもたちが歌っています。
部屋のなかは明るく、暖かそうです。

「♪ジングルベル、ジングルベル、
鈴がなる……」
雪たちも静かに歌いました。


3.

狐が一匹。
寒さをこらえて、鶏小屋を鋭い目つきで
にらみつけていました。

雪たちに北風は合図を送りました。

ピューピュー。
雪は風に集められ、一匹の大きな白熊になりました。
狐はおどろき、矢のように逃げて行きました。

「せっかくのクリスマスだから、ごめんさないね」
北風はいいました。

狐はふりかえって、
「白熊がいるなんて思わなかった。
それにしても、今夜の雪はあたたかいなあー。
不思議だなあー」

子どもたちは、
「♪ジングルベル、ジングルベル、
鈴がなる……」
と夢の中でも歌っていました。


5.

二月、節分です。
寒いです。
北風は、鬼どもでさえ、凍えさせます。

雪はしかし、減り始めました。

三月、春です。
北風の力は弱まり、
南風の登場です。
氷のなくなった川は、
さらさらと音をたてて流れ、
まぶしい春がやって来ました。





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ありがとうございます。




もくじ[クリスマス・ストーリー]





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2 コメント

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今週からね・・・ (みっちゃん)
2005-12-27 22:53:06
すんごく寒くないですか?鱧男さん・・・

いやぁ~雪も降ってないのにこんなこと言っちゃぁいかんですけど・・・



サブイのよ・・・
返信する
寒いすっ^_^ (鱧男)
2005-12-27 23:12:15
風邪もひいてないですけど、外に出るときはマスクをつけると温かいので、使用しています。



インフルエンザも流行っているとラジオで話してましたよ。



雪が降ると温かくなると、昔の人はいいましたよね。

雪振る前くらいが一番寒いそうです。



京都は底冷えですからね。

もっと寒いすっ。



湿気が多いと熱いし、寒く感じるような気がします。

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