『週刊金曜日 2011-7-29』
平井康嗣・編/金曜日2011年
特集名 放射能とお魚
「放射能被害に冷淡な政府をあてにせず独自に動く市民 60人の親子が関東から初の“集団疎開”」 下「」引用。
「夏休みに入り、首都圏では放射能から子どもを守ろうと九州などへ疎開する親子が急増している。七月二六日には関東から初の集団疎開となる六○人の親子が長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)へ向けて出発した。「東京の放射線量はチェルノブイリの立ち入り禁止区域の線量と同レベルにあり、子どもたちの安全を考えると一刻の猶予もないのです。しかし、行政による避難対象区域以外の地域からの自主疎開に対しては支援も補助もありません。疎開先に血縁者でもいない限り、経済的な負担も大きく疎開も困難。そこで夏休みの間だけでも、参加者には最低の負担で子どもたちが安心して過ごせるような退避計画を企画したんです」-略-」
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政府は非常に冷淡。下「」引用。
「「もともと、政府は放射能被害に対して非常に冷淡。今回の原発事故に限らず、広島・長崎の被曝二世や三世への対応を見ても明らかです。国は何もしてくれません。これからは個人と町や村といった小さな単位の自治体が手を組んで、行動を起していくべきなんです。」
「水産庁のモニタリングデータから 水産物の汚染度を読み解く」中地重晴。下「」引用。
「水産庁からは水産物のモニタリング結果が日々、公表されている。このデータからうかがえることとは? -略-」
「今、知っておきたい産地表示の落とし穴 アバウトすぎる魚の表示」 下「」引用。
「魚を選ぶとき、産地に気をつけなければならないことはわかった。では、産地表示を見るときのチェックポイントとは?-略-
獲ったところも水揚げした港もどちらも産地にできる-略-
かなりビックリ! 抜け穴だらけの加工食品の産地表示-略-
生産&販売の全段階で放射能チェックが必要-略-
しかし、実態は、「産地が表示されていない」「表示された産地もどこなのかが非常にあいまい」「表示そのものも信頼できない」「放射能検査もすり抜けて流通している」「出荷が自粛されていても平気で流通させる」というありさまである。これでは「輸出品のほうがはるかに安全だ」ということになりかねない。
食からは複合被曝(内部被曝と外部被曝)を受ける。水産物や農産物、畜産物の汚染調査を生産時点だけでなく、スーパーマーケットなどの店頭商品も検査すべきだ。今まで以上の検査の量と質を向上させない限り、消費者の不安を拭い去ることはできない。」
「セシウム牛が比較的安全な牛に変わりうる! チェルノブイリ原発事故の教訓を活かせ」山内正敏。下「」引用。
「-略-家畜は新陳代謝が早く、汚染されていない餌をしばらく食べさせると体内のセシウムが抜けてしまうからだ。
牛の新陳代謝は乳が数日で、筋肉でも一~二カ月程度。つまり、高汚染乳を出した牛でも一週間後には基準値以下の乳を出せるし、筋肉の生体検査で高汚染だった牛が二カ月後には基準値以下の比較的安全な牛に変わりうるということだ。もちろん、これは汚染されていない餌を食べさせた場合。だから飼料の放射能検査は旧ソ連三カ国(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)では常識だ。しかも、食肉処理前の放射能検査で不合格だった場合は、農場に送り返して汚染されていない餌を食べさせ続けるという指導まで徹底している。」
セシウム結合剤。下「」引用。
「セシウム結合剤でセシウムの体内への吸収を抑える方法だ。茶のタンニンが鉄と結合して体内への吸収を抑える(だから貧血の人は禁茶となる)のと同じ原理で、セシウムが体内に吸収される前にセシウムと科学結合して、そのまま排出する方法だ。
セシウム結合剤として旧ソ連や欧州で広く使われているのは六シアノ鉄酸塩(染料の紺青と同じ成分)で、数万等の牛がこの恩恵にあずかった。これは改良を加えたのがボリと呼ばれるもので、北欧で開発され、トナカイや山羊の放牧でも使われている。これは一回摂取したら何カ月も胃の中に留まり、六シアノ鉄酸塩を少しずつ溶け出すため、食肉処理予定の数カ月前に一回与えれば済む。-略-」
--チェルノブイリの教訓。下「」引用。
「落ち葉・枯葉・腐葉土は取り除け。
山火事は放射能をまきあげる。
カリウム系の追肥は効果的。
痩せた土地ほど二次汚染。
飼料も放射能検査せよ。
山菜採りはあきらめろ。
森は放射能の宝庫。
マメ科は避けよ。
藁は高く切れ。
焚き火厳禁。
深く耕せ。」
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「『新聞研究』がボツにした原発報道批判記事 上 「安全神話」崩壊でも変わらぬ日本新聞協会」 下「」引用。
「日本新聞協会には、国内の主要な新聞社や通信社、テレビ局一三三社が加入している。
その機関誌『新聞協会』(月刊)が、自ら依頼した原稿を不掲載とした。
日本のマスコミを代表する組織は「言論・表現の自由」をどう考えているのか。
ボツにするのが当然だったのだろうか。
広く読まれるべき原稿だと考える小誌は、以下にその明石昇二郎さんの原稿全部を掲載する。」
・報道機関こそが熱心な「安全神話信奉者」
「筆者も体験した「圧力」の数々」 下「」引用。
「東京電力をはじめとする電力会社や通産省(のちの経済産業省)、科学技術庁(のちに文部科学省に再編)は「国策」の名の下に、科学的根拠の希薄な「5重の壁」説など論拠として、どこかの原発で事故が起きるたび、原発の安全性を強調し、触れ回ってきた。それも、多額の電気料金や税金を原資として。
その一方で、国や電力会社は、原発の危険性を指摘する科学者やジャーナリスト、市民らに対して、不当なまでの攻撃を仕掛けてきた。ジャーナリスト自身がこうした抗議を屁と思わない人であれば、今度はそのジャーナリストが寄稿した報道機関に対して平然と圧力をかけてくるのである。それが、下衆な彼らのやり口だった。-略-」
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かつての「原発」報道の現場には、日下氏のような戦うジャーナリストがいたという。
「100億円超の東電債持つNHKが東電を批判できるかのか」丸山昇。 下「」引用。
「「NHK自体が原子力ムラの仲間」との指摘も-略-
保有金額の大きな方から上位五社と、おおよその保有金額は次のとおり。1. 東電一四五億円、2. 中部電力六八億円、3. 関西電力六五億円、4. 中国電力五一億円、5. 東北電力四五億円
驚くことに東京電力だけでなはく、保有債券の上位五社がすべて電力会社で占められている(六位以下は未確認)。五社の合計は三七四億円になり、総保有額の約四割にのぼる。NHKと電力会社の密接な関係が、こんなところにも現れている。債券購入による資金提供も、原発を推進する東電など電力会社の事業を事実上支援するもの。このこと自体、報道機関として不適切な資金運用ではないか。-略-」
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--「あきらめないで!依然つづく「茶のしずく石鹸」の健康被害」 下「」引用。
「国民生活センターによると、二○一一年七月上旬までに、同商品に関する相談が全国の消費生活センターへ六四○件寄せられ、このうち健康被害に関する相談は二四七件だった。被害内容の多くは湿疹やかぶれなどの皮膚障害だが、全身性アレルギーを発症した約二○%あった。なかには呼吸困難や意識不明などの「アナフィラキシー」を起こし、緊急搬送された人も。
一年三カ月ほど同商品を使用した宮城県の三○歳代の女性の場合、車の運転中に突然、全身がかゆくなって意識が遠くなり、病院に搬送された。その後、別の病院で検査したところ、同商品による小麦アレルギーと診断された。-略-」
目次
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平井康嗣・編/金曜日2011年
特集名 放射能とお魚
「放射能被害に冷淡な政府をあてにせず独自に動く市民 60人の親子が関東から初の“集団疎開”」 下「」引用。
「夏休みに入り、首都圏では放射能から子どもを守ろうと九州などへ疎開する親子が急増している。七月二六日には関東から初の集団疎開となる六○人の親子が長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)へ向けて出発した。「東京の放射線量はチェルノブイリの立ち入り禁止区域の線量と同レベルにあり、子どもたちの安全を考えると一刻の猶予もないのです。しかし、行政による避難対象区域以外の地域からの自主疎開に対しては支援も補助もありません。疎開先に血縁者でもいない限り、経済的な負担も大きく疎開も困難。そこで夏休みの間だけでも、参加者には最低の負担で子どもたちが安心して過ごせるような退避計画を企画したんです」-略-」
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政府は非常に冷淡。下「」引用。
「「もともと、政府は放射能被害に対して非常に冷淡。今回の原発事故に限らず、広島・長崎の被曝二世や三世への対応を見ても明らかです。国は何もしてくれません。これからは個人と町や村といった小さな単位の自治体が手を組んで、行動を起していくべきなんです。」
「水産庁のモニタリングデータから 水産物の汚染度を読み解く」中地重晴。下「」引用。
「水産庁からは水産物のモニタリング結果が日々、公表されている。このデータからうかがえることとは? -略-」
「今、知っておきたい産地表示の落とし穴 アバウトすぎる魚の表示」 下「」引用。
「魚を選ぶとき、産地に気をつけなければならないことはわかった。では、産地表示を見るときのチェックポイントとは?-略-
獲ったところも水揚げした港もどちらも産地にできる-略-
かなりビックリ! 抜け穴だらけの加工食品の産地表示-略-
生産&販売の全段階で放射能チェックが必要-略-
しかし、実態は、「産地が表示されていない」「表示された産地もどこなのかが非常にあいまい」「表示そのものも信頼できない」「放射能検査もすり抜けて流通している」「出荷が自粛されていても平気で流通させる」というありさまである。これでは「輸出品のほうがはるかに安全だ」ということになりかねない。
食からは複合被曝(内部被曝と外部被曝)を受ける。水産物や農産物、畜産物の汚染調査を生産時点だけでなく、スーパーマーケットなどの店頭商品も検査すべきだ。今まで以上の検査の量と質を向上させない限り、消費者の不安を拭い去ることはできない。」
「セシウム牛が比較的安全な牛に変わりうる! チェルノブイリ原発事故の教訓を活かせ」山内正敏。下「」引用。
「-略-家畜は新陳代謝が早く、汚染されていない餌をしばらく食べさせると体内のセシウムが抜けてしまうからだ。
牛の新陳代謝は乳が数日で、筋肉でも一~二カ月程度。つまり、高汚染乳を出した牛でも一週間後には基準値以下の乳を出せるし、筋肉の生体検査で高汚染だった牛が二カ月後には基準値以下の比較的安全な牛に変わりうるということだ。もちろん、これは汚染されていない餌を食べさせた場合。だから飼料の放射能検査は旧ソ連三カ国(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)では常識だ。しかも、食肉処理前の放射能検査で不合格だった場合は、農場に送り返して汚染されていない餌を食べさせ続けるという指導まで徹底している。」
セシウム結合剤。下「」引用。
「セシウム結合剤でセシウムの体内への吸収を抑える方法だ。茶のタンニンが鉄と結合して体内への吸収を抑える(だから貧血の人は禁茶となる)のと同じ原理で、セシウムが体内に吸収される前にセシウムと科学結合して、そのまま排出する方法だ。
セシウム結合剤として旧ソ連や欧州で広く使われているのは六シアノ鉄酸塩(染料の紺青と同じ成分)で、数万等の牛がこの恩恵にあずかった。これは改良を加えたのがボリと呼ばれるもので、北欧で開発され、トナカイや山羊の放牧でも使われている。これは一回摂取したら何カ月も胃の中に留まり、六シアノ鉄酸塩を少しずつ溶け出すため、食肉処理予定の数カ月前に一回与えれば済む。-略-」
--チェルノブイリの教訓。下「」引用。
「落ち葉・枯葉・腐葉土は取り除け。
山火事は放射能をまきあげる。
カリウム系の追肥は効果的。
痩せた土地ほど二次汚染。
飼料も放射能検査せよ。
山菜採りはあきらめろ。
森は放射能の宝庫。
マメ科は避けよ。
藁は高く切れ。
焚き火厳禁。
深く耕せ。」
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「『新聞研究』がボツにした原発報道批判記事 上 「安全神話」崩壊でも変わらぬ日本新聞協会」 下「」引用。
「日本新聞協会には、国内の主要な新聞社や通信社、テレビ局一三三社が加入している。
その機関誌『新聞協会』(月刊)が、自ら依頼した原稿を不掲載とした。
日本のマスコミを代表する組織は「言論・表現の自由」をどう考えているのか。
ボツにするのが当然だったのだろうか。
広く読まれるべき原稿だと考える小誌は、以下にその明石昇二郎さんの原稿全部を掲載する。」
・報道機関こそが熱心な「安全神話信奉者」
「筆者も体験した「圧力」の数々」 下「」引用。
「東京電力をはじめとする電力会社や通産省(のちの経済産業省)、科学技術庁(のちに文部科学省に再編)は「国策」の名の下に、科学的根拠の希薄な「5重の壁」説など論拠として、どこかの原発で事故が起きるたび、原発の安全性を強調し、触れ回ってきた。それも、多額の電気料金や税金を原資として。
その一方で、国や電力会社は、原発の危険性を指摘する科学者やジャーナリスト、市民らに対して、不当なまでの攻撃を仕掛けてきた。ジャーナリスト自身がこうした抗議を屁と思わない人であれば、今度はそのジャーナリストが寄稿した報道機関に対して平然と圧力をかけてくるのである。それが、下衆な彼らのやり口だった。-略-」
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かつての「原発」報道の現場には、日下氏のような戦うジャーナリストがいたという。
「100億円超の東電債持つNHKが東電を批判できるかのか」丸山昇。 下「」引用。
「「NHK自体が原子力ムラの仲間」との指摘も-略-
保有金額の大きな方から上位五社と、おおよその保有金額は次のとおり。1. 東電一四五億円、2. 中部電力六八億円、3. 関西電力六五億円、4. 中国電力五一億円、5. 東北電力四五億円
驚くことに東京電力だけでなはく、保有債券の上位五社がすべて電力会社で占められている(六位以下は未確認)。五社の合計は三七四億円になり、総保有額の約四割にのぼる。NHKと電力会社の密接な関係が、こんなところにも現れている。債券購入による資金提供も、原発を推進する東電など電力会社の事業を事実上支援するもの。このこと自体、報道機関として不適切な資金運用ではないか。-略-」
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--「あきらめないで!依然つづく「茶のしずく石鹸」の健康被害」 下「」引用。
「国民生活センターによると、二○一一年七月上旬までに、同商品に関する相談が全国の消費生活センターへ六四○件寄せられ、このうち健康被害に関する相談は二四七件だった。被害内容の多くは湿疹やかぶれなどの皮膚障害だが、全身性アレルギーを発症した約二○%あった。なかには呼吸困難や意識不明などの「アナフィラキシー」を起こし、緊急搬送された人も。
一年三カ月ほど同商品を使用した宮城県の三○歳代の女性の場合、車の運転中に突然、全身がかゆくなって意識が遠くなり、病院に搬送された。その後、別の病院で検査したところ、同商品による小麦アレルギーと診断された。-略-」
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