磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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岩波フォト・ドキュメンタリー世界の戦場から コソボ絶望の淵から明日へ

2009年03月04日 | 読書日記など
『岩波フォト・ドキュメンタリー世界の戦場から コソボ絶望の淵から明日へ』
   大石芳野・著/岩波書店2004年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「虐殺と破壊のあと、政治に翻弄された子どもたちの心の闇。
平和と和解の芽吹きを探る魂の再生の記録。」



■目 次■
写真編
I 破壊されたふるさと  3
II 心の闇は深い  10
III 険しい復興への道  26
IV 心の軌跡  34
V ふるさとの情景  44
本文編
1 ベリバリムくん 破壊された家  49
2 ラビノトくん 心の闇を抱えて  52
3 帰省した人びと  54
4 アフリムくん たとえ一家は無事でも  58
5 タヒレさん 家族を失った女性たち  61
6 ヴァルドゥリンくん 父親を殺されて  63
7 パイテムくん 戻った笑顔  66
8 イヴァデヤちゃん 恐怖の記憶  67
9 サディクさん 虐殺の村 I  70
10 ファルックくん、フィスニックくん 虐殺の村II  72
 あとがき  76
 関連地図  77


今も苦しんでいる人たちがいることだろう……。下「」引用。

「リリドナさん(12歳)は2歳のとき父親が目の前でセルビア警察官に拷問され、そのショックと紛争
の後遺症が重なって辛いという。」

学校がかわった……。下「」引用。

「ミドロヴィッツァの北に住む僅かなアルバニア系の子どもたちは、紛争以前と違って南の学校へ通う。セルビア系とアルバニア系が同居できない状態になった。」

コソボの難民……。下「」引用。

「一九九九年の春、アカシアの花が満開に咲くマケドニアをわたしは訪れた。コソボからの難民を収容するキャンプがあちらこちらに設置されていたからだった。かつて同じユーゴスラビアの一員だったマケドニアは独立した。そこに、同胞だったコソボの住民が着のみ着のまま、震えながら立っていた。
 政治に翻弄された人びとの明暗がフェンスを挟んで明確に見て取れた。コソボからの難民は、誰も彼もみな絶望的な表情だ。とりわけ子どもたちは、深い悲しみを瞳に漂わせる。それでも、必死に前を向こうとする努力が手にとるように感じられた。」

民族浄化」という狂気が街を覆えば……。下「」引用。

「「民族浄化」の惨劇は今も世界の至る所で繰り返される。わたしたち一人ひとりの内側にも「民族浄化」的な発想が眠っているのではないだろうか。そして、それはほんの些細なことで火を噴き出しかねない。それだけに、遠い国の他人事ではすまされそうもない。加害も被害も含めて我がここととして考えることが、コソボの子どもたちと繋がっていくことになる。」


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