(1) あんなに苦しそうにしていたのに しばらくすると何もなかったように 音をたてることもなく 安らかにみえる 筋肉の伸びきった体は ゆりかごで眠るベィビー 腕の針跡は痛々しく思えるのに、 死に顔の安らかさは どういうこと どういうこと 生の支配のなくなった 腐ってゆくだけの体は 何と安らかで満ち足りているのだ 憎しみや悔恨ややるせなさは すっかり姿を消し 満ちたったように安らかだ 憎しみや悔恨ややるせなさは 決して消えたわけではないのに 関係なしに死に顔はある それに腹が立つ 悲しい (2) 死に顔を見ていると 笑い顔ばかり思い出されます それ以外は無理です 悲しすぎるから (3) 「最後のお別れです」と人はいう 魂の抜け殻のように歩いてゆく僕 見る 白い菊はイヤです 白い棺はイヤです 暗い火葬場はイヤです もうみんなみんなイヤです (4) ついに顔も見られません 肉体も灰となりました 白い骨はイヤです 黒い灰はイヤです それよりも箸がイヤです 箸がたまらなくイヤです かあさんの人生は終わりました でも僕の人生はこれからです (5) 母さんはいつまでも 母さん 小さくなっても大きくなっても 母さんはいつまで 母さん 下、1日1回クリックお願いいたします。 ありがとうございます。 もくじ「母」 |
【本人談】中原中也が好きで、模範にしていたころです。
中原中也の太宰治批判は素晴らしい。
高校生の僕は思いました。
どちらかといえば、スポ根系でした。(-_-。)おはずかしい・・・
だから、この鱧男さんの文章と、中原中也を比較にできませんが・・・
鱧男さんの文章からは、悲しい文面とは反対に、若い感情と息吹が感じられます。ヘンですかね?アタシ。笑
ダダイズムってそういうものだと思います。
ぼくにそれができたかといったら、疑問ですが……。