アカネさんシリーズ001 恋のタイムマシーン 101PCもできる 「できない小一郎か! 名文句ね!」 「それもいうなら、できない子ほど、かわいいでしょう!」 と、小一郎はいう。 「おばあさん、一回だけだよ。ぼく、これから授業に行くんだからね」 「わかった、わかった」 学校か、こんな姿で行くこともできないと茜は思う。 事務所にオセロを借りに行く。 事務長はパソコンを昼休みだというのに、叩いている。 「何をしているの」 「ああ、データ・ベースをつくっているのですが、よくわからないんですよ」 「どこが、あの……」 横で二人の会話をみていた小一郎には、何のことか、わからないことを事務長はいう。 それに応えて茜は難しいことをいう。 「つまり、桐というのは、データ・ベース・ソフトですけど、それだけを考えて使っていたら、宝の持ちぐされというわけです。様々に使えるのです。日本管理工学の松というワープロ・ソフトなどとも互換性がよく……」 まるで、茜はインストラクターのようだ。 それにしても、皺がいっぱいのインストラクターだな! と小一郎は思う。 「そうですか。こうすれば、住所録になるというわけで、それにここで、こう設定すると、年齢とか町名を指定できるわけですね」 「そうです」 「それにしても、あなた、わたしより、ご高齢だと思いますのに、よくご存知ですね」 なにが、あなたより、ご高齢よ! わたしはまだ、二〇歳よ! 華(はな)の二〇歳よ!
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