磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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女たちの〈銃後〉

2009年02月28日 | 読書日記など
『女たちの〈銃後〉』
   加納実紀代・著/筑摩書房1987年

著者は被爆者だという……。



■目 次■
〈序章〉私の「原爆の図」  7
 I 〈銃後〉への胎動--一九三○年代の女たち
死の誘惑--三原山・自殺ブームをめぐって  23
エロ・グロ・ナンセンスから白いかっぽう着へ  35
 II 〈銃後〉の組織化--国防婦人会を中心に
〈銃後の女〉への総動員  49
国防婦人会、その幻想の〈革新〉性  73
国防婦人会の解散と大日本婦人会の成立  85
 III それぞれの〈銃後〉
奥村五百子(いほこ)--〈軍国昭和〉の先導者  115
高群逸枝--その皇国史観をめぐって  139
八木秋子--屹立する精神  161
長谷川テル--矛盾を生きぬいたエスペランティスト  182
 IV 女たちの八月十五日--〈銃後〉の終熄
還ってきた〈息子〉  201
家計簿のなかの「八月十五日」  206
〈移民の村〉の女  219
〈終章〉生きつづける天皇幻想  231
あとがき  254


原爆の日のこと……。下「」引用。

「出勤する父を見送ったあと、五つになったばかりの女の子は、いつものように外にとびだした。彼女の遊び場は、すぐ近くの神社の境内だ。そこに行けば、だれか遊び相手がいるだろう。-略-
 ピカッときたのは、女の子が人形をとり出した直後だった。眼をあげると、あるはずのないところに一瞬太陽が輝き、縁側のむこうの波板のトタンべいが女の子の方に倒れてくる。
 真暗になった。いや、真っ白になったのか--。」

手帳をもっているという……。下「」引用。

「手元にある被爆者手帳によれば、私が被爆した地点は爆心から一・九キロメートル。二キロ以内での被爆者を「特別被爆者」というので、私はかろうじてその「特別」になるわけだが、私の住んでいた一角で、このとき屋内で被爆して生き埋めになったり焼死した人はいなかったように思う。」

三原山自殺ブーム。下「」引用。

「なぜこの時期、大島三原山で、このような〈自殺ブーム〉が起こったのか。
 表面的にみるならば、この〈自殺ブーム〉のきっかけをつくったのは、三人の女学生-略-」

むかしから、日本は人権意識の薄い国ですね……。

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「東京音頭」が流行したという……。下「」引用。

「西条八十作詞、中山晋平作曲この「東京音頭」は、一九三二年十月、東京が周辺五郡八二町村を合併して、堂々三五区五○○○万人の大都市に生まれかわったのを記念してつくられたものだが、たしかによく出来ている。日本人好みの湿り気のある節まわしながら、その軽佻浮薄ともいうべき調子のよさは、現代の若者をも、つい踊りの輪に誘いこんでしまう。しかし、かつてこの歌が、日本中を熱狂の渦に巻きこんだのは、たんに歌の出来だけではなく、時代背景に大きな関係がある。」

「美しい国」の「滅私奉公」……。 下「」引用。

「「大日本帝国」から「平和ニッポン」ヘ、「滅私奉公」から「主権在民」へ、という日本の変化、それをただ外枠の変化としてだけ受けとめ、身の丈を合わせて生きてきたとするなら、その生活者としてのしたたかさは、彼女を「経済大国ニッポン」の中に埋没させてしまっているだろう。」







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