磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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同じ年に生まれて-音楽、文学が僕らをつくった-

2011年02月09日 | 読書日記など
『同じ年に生まれて-音楽、文学が僕らをつくった-』
   小沢征爾、大江健三郎・著/中央公論新社2001年

大江健三郎の子どもである、光も対談に参加。
健三郎は子どもが生まれる前と、生まれた後では文学作品も変化する。
やはり、芸術は愛だとジョン・レノンのファンであるボクは強く思う……。



クララ・ハスキルのことを小澤が語っている。

2000年ハーバード大学名誉博士号を、大江と小澤は同時に受けたという。
チョムスキーも同時に名誉博士号をもらったという。下「」引用。

「この前、ハーバード大学で一緒に博士号をもらって、儀式が長いから、午後など退屈だったけれど(笑)、僕が座ってた横にやはり博士号を受けられていた老人がいられて、後でその人から手紙がきた。ああいうお祭みたいなときは大抵俺は退屈するんだけど、この前はきみと話して退屈しなかった。今度はすもっとゆったりと話そう、という手紙をもらったんです。それは言語学者のチョムスキーさんからでした。
 チョムスキーという人は、世界全体のすべての言語に共通のものがあるという。手の平たいところまで共通で、こういうふうに指はバラバラになっているけど、指のいちいちをフランス語、ドイツ語すれば、その根もとの手のひらは、根本にあるものは、人間の言葉がつくられる仕組みは、つまり文法のなりたちはね……。」

チョムスキーの平和をふくめた働きを尊敬するという健三郎。

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小澤の母はキリスト教徒で、教会で賛美歌も歌ったという。

大江光について。下「」引用。

「大江 僕の子供は、人間の言葉は理解できないのに、音楽の言葉、音階は理解した。それが面白かった。最初の先生に和音を全部一緒に教えるメソッドで教えてもらったものですから、一カ月ぐらい経つと、世界じゅうの音の仕組みが分かったわけです。だから彼は音を聴けば安心して生きるようになった。そしてそれから音楽をつくるようになるという、新しい不思議もあるんですが。」

石原慎太郎は鎖国……。下「」引用。

「いま「三国人」と言ったりする。差別的に使われてきた言葉だということを知らなかったみたいなことを言うけれど、僕は同世代の作家の彼がそんなはずはないと知っている。差別的な言葉と意識して発言している。それに対して、現に差別されている側が批判をする。それは正しい。-略-日本人の鎖国性が彼を押し上げていると思うな。」

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核実験……。中華思想に似た意識をもっているという。下「」引用。

「大江 フランスの核実験を批判したときの、ノーベル賞をもらったクロード・シモンの反論など、まさにそれでした。」

大江光も対談に参加。

『戦わない日本』を主張する健三郎。下「」引用。

「彼の本は『勝つ日本』というんだけど、日本は勝たなくていい。むしろ勝つ必要がない、と僕は思っています。負けろといわないけれど。「戦わない日本」というのがいい、世界の一地方として、普遍的なことをそれぞれにやると考えています。」

どこの国もそうあって欲しいものですね……。







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