磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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戦争があった日のはなし9 いたどり谷にきえたふたり

2009年05月09日 | 読書日記など
『戦争があった日のはなし9 いたどり谷にきえたふたり』
   富盛菊枝・作/小林与志・絵/太平出版社1985年

表紙の裏(右ソデ)に書かれてあります。下「」引用。

「もえる室蘭のまちでであった
風のような女の子がいいました。
「いたどり谷へにげようよ、にいちゃん!」
(このぼくが、きみのにいさんだって?)
金(キム)少年は、ほほえんでいました。
それは、
日本へむりやりつれてこられた少年が、
ながいあいだ、わすれていたほほえみでした。」



むりやり「徴用」……。下「」引用。

「金少年のように、朝鮮から、そして中国から、むりやり「徴用」されたひと、戦場で「捕虜」になったアメリカ人、イギリス人、オランダ人、インドネシア人などもいました。」

強制連行・強制労働ということでしょうね……。

艦砲射撃があったという……。下「」引用。

「しずは、夏休みがおわって、学校へいくのがいやでした。
 あの日の艦砲射撃で、一条通りの防空ごうにはいっていた、だいすきな末松八重子が、いきうめなってしんでしまったからです。-略-
 室蘭の艦砲射撃でしんだひとは、五四○人あまり。
 マサコと金少年は、いきているひとにもしんだひとにも、かぞえられていません。」

「あとがき」で書かれてあります。下「」引用。

「-略-戦争は、ちからとちからのぶつかりあい。強いものだけがただしく、すぐれていて、勝つ。そういうりくつで、おこなわれてきました。
 強いもののりくつにしたがう社会からは、弱いものがはじきだされてしまいます。
 けれども、だれもが戦争の波におそわれ、のみこまれていくなかで、そんな弱いものにこそ、戦争にさからっていきたほんとうの強さがあったのではないでしょうか。
 マサコと金少年が、いたどり谷で、戦争をいきのびたことを、わたしは信じているのです。
  一九八五年二月
             富盛菊枝」








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