オセンタルカの太陽帝国

私的設定では遠州地方はだらハッパ文化圏
信州がドラゴンパスで
柏崎辺りが聖ファラオの国と思ってます

メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品49。

2021年05月30日 04時35分27秒 | わたしの好きな曲

私が最も愛しているメンデルスゾーンの音楽の中でこの曲が一番粘着している作品であるのに、まだコレクション集を作ってなかったな。

 

この曲について私は2005年ぐらいに感想を書いていましたが、面倒くさいのでコピペ。

「美しい音楽が数多いクラシック作品の世界の中で、私が世界一最も素晴らしく、世界で一番美しいと思う作品は、メンデルスゾーンのこの曲だと思う。
ただ単にメロディが美しいというだけではない。周りにあるものを絡み取って引きずり込んでいく、ほの黒い、甘美な美しさがステキなのである。とてもロマンティックです。雨のしとしと降る夕暮れどきに聴きたい。あるいは全天が真っ赤に染まる夕暮れ時に聴きたい。あるいは、周囲15kmに二人切りしかいない濃密な湿気の丑三つ時。淡い霧雨どき。
本当に、ただ単にメロディが美しいだけでは無い。ピアノとヴァイオリンが重厚に折り重なり畳まれる第一楽章、超高速でコロコロとピアノが転がる第三楽章、しくしくメソメソと大人を脅し続ける第四楽章、嗚呼、美しい、美しい。ただ単にメロディだけに寄りかかるのではなく、いろんなガラス細工をうずたかく積み上げて、うっかり触れば割れてしまうかのような作為的な可憐さを見せ付けるのだ。そのきらびやかさは、まるで無理矢理に涙を誘うお昼のメロドラマのような甘美さがあるんですよ。私はこれを、「メンメン泣き」と呼ぼうと思う。
例えば、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調やベルリオーズの幻想交響曲、ベートーヴェンの皇帝やモーツァルトのハ短調協奏曲のように、あまりの素晴らしさに感嘆して、似たような響きの作品を捜そうとしても、類例のなかなか無い、全く独創的な芸術作品がある。
一方で、この曲のような甘ったるいメロディ作品は、他の作曲家によっても結構作り出されているので、メンメン泣くのにとても気が楽だ。例えば、モーツァルトのヴァイオリンソナタホ短調。ブラームスのピアノ五重奏曲、ピアノ三重奏曲第三番。フランクのヴァイオリンソナタ。チャイコフスキーの偉大な芸術家の思い出。
その中でも、とくに、メンデルスゾーンのこの曲がピカ一。
こんなに愛しているのに、私がこの曲で持っているCDは2枚だけ。チョン・キョンファ、アンドレ・プレヴィン、トゥルトゥリエ、この三人が競い合うCDがあれば、他は要らないと思う。
 こんなに浪漫的な音楽なんだから、なんかステキな香りのする逸話とかあったらいいのにね。
この音楽に関しては、作曲にまつわるエピソードがまったく無いのだ。せいぜい、この音楽の作曲当時、作曲者はベルリンにいたが、国王おかかえの音楽家がこの音楽を演奏するのを聴いて、あまりにその演奏の緊迫感の無さに、メンデルゾーンが激怒したという話があるというくらいだ。それをきっかけにメンデルスゾーンは王都ベルリンに大きく失望し、遠くザクセン王国のライプツィヒに秀れた音楽院を設立するのである。
・・・って、メンデルスゾーンを激しく失望させたこの当時のプロイセン国王は、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世。私が最大級に愛する冷峻な風景画家カスパル・ダーヴィト・フリードリヒを保護した芸術王なんだけどなあ。(皮肉なことである)」

 

学生の時、私は今で言うアニメ同好会に属していましたが(私の大学では『アート部』と言って、バイク同好会、セーラームーン同好会、レトロ漫画同好会、竹本泉同好会、TRPG同好会、鉛筆画同好会、久留米ラーメン同好会、民俗学同好会、プラトニック恋愛同好会等を包括していました。部室に漫画がいっぱいあった)、ある日誰かのアパートの部屋で「ガンダム0083一挙鑑賞会」を開催したとき、(翌日みんなで映画館に0083劇場版を観に行った。長かったガンダム氷河期が融け始めた頃だったのです。1992年か。ただしこの作品は私は最初っから大嫌いでした)、だれかに「自分はヴァイオリンの音が大好きなので、何かいい曲あったら教えて」と言われて、数日かけて10曲選定した中に、この曲とチャイコフスキーの『偉大な芸術家の思い出』を入れたのです。それを渡したとき、「どうしてヴァイオリンと言ったのにピアノの曲が」と言いたげだったあの人の顔はいまだに忘れない。でもこの曲は(そのころの)私にとっては豊醇なヴァイオリンの音を聞くための曲だったのですよ。

でも、今となって改めて聞くと、この曲の価値はヴァイオリンよりもむしろチェロだなあ。

アルゲリッチは凄いが、私が聴きたいのはこれじゃない。アルゲリッチさんはすごい。映像では手元が全く見えないのに全てを支配しているのがわかる。この人は魔女です。

アルゲリッチ別ヴァージョン。アルゲリッチさん最近よくこの曲を弾いているんですね。こういうのはあんまりやらないイメージだった。(まあ十何年前に『偉大な芸術家の思い出』をやってるからな)

ヤッシャ・ハイフェッツ、アルトゥール・ルービンシュタイン、グレゴール・ピアティゴルスキーによる歴史的名演。1950年。動かない。・・・が、これは近代的再編集によって音を鮮やかに甦らせた物で、これはこれで素晴らしいと思うんですが、私は全くこれには心引かれない。音はいいんですが、私はこの曲は富士山のすそ野のように裾野の部分に音が欲しいと思うんですよね。これでは音が中央によりすぎちゃっている。(悪口ではないんじゃぞ)。ハイフェッツは凄い。

これも動かない動画。ダヴィット・オイストラフ、スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキー、レフ・オボーリン。1948年。これもヴァイオリン主体に録音が編集されている作品なのですが、ハイフェッツよりこっちはかなり私好み。オイストラフは性向がめちゃくちゃ鷹揚で音色が肉厚で細かい所が香り高いので、他の所が(私には)どうでも良くなってるんですね。オイストラフ大好き。恐らくこれを聞いて私はこの曲をヴァイオリンの曲だと思ったのでしょう。ただし大学生の頃は私はこのCDは持っていなかった。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ご無沙汰してます)
2021-08-13 22:10:28
一匹の鯨のセカンドブランドが
静岡市に出来たので
こんなご時世ですが
色々クリアになって静岡に来た際には
是非
R30の現在地を確認しに来てください

たまたま
このブログにたどり着き
オープン当初を懐かしく思い
コメントしてしまいました
アンブロケトゥス・ナタンス。 (麁鹿火)
2021-08-20 11:41:36
なんと!
数日前に第一テレビの番組で拝見いたしました。
もう4年ぐらい伊豆にも行ってないのです。静岡だったらすぐそこですから、近いうちに絶対伺います。
テレビでは檸檬ラーメンを見ましたが、R30は御健在なんですね。(かなり進化していそう)。2006年のワールドカップが懐かしい。また15年後ぐらいに浜松に「100万匹目ぐらいの鰻」をぜひ!

それにしてもブログって、残しとくものですね

コメントを投稿