中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

西安の反日デモ

2012-09-19 07:39:39 | 中国のこと

 チャットで西安の李真にデモの様子を聞いてみました。西安でも15日の土曜日のデモはひどかったようです。「今回は西安で今までで最悪のデモです」と李真は言い、日本車はほとんど壊され(李真の車はトヨタですが隠していたようです)、元の全日空ホテルや鐘楼飯店(日本料理店かどうか分かりませんが)のロビーが壊されたりしたようです。「それほど日本が憎いのなら日本製品は一切買わなければいいのに」と言いましたら、「中国の原発は日本の三菱重工業の協力でできたそうでそれならそれも壊したらいい、そんな勇気はないでしょう」と李真は言いました。そして「自分の住んでいる町がこんなに怖いとは思わなかった、悲しいです」とも言いました。直接暴徒たちの様子を見たわけでなくテレビで知ったのではないかと思いますが、よほど怖かったのでしょう。参加者の多くは若い世代で、彼らは経済的には最低だそうで、その鬱憤を「反日」に名を借りて晴らしているとしか思えません。それで「愛国無罪」として許されるのですから何をか言わんやです。「愛国無罪」と称して暴力を振るうことは許されないと毅然として言えない中国政府も情けない限りです。 

 また李真は「今回の事件の後、西安では海外に移民する金持ちの人が増えるでしょう」とも言っています。最近西安では富裕層が増え、彼らは今回の事件に恐怖したのではないかと思います。「自分の財産を政府が保障してくれないから」だそうです。李真は「もしかして文化大革命の時代に戻るか」と心配していました。あの狂気の沙汰だった文化大革命の時期には、「造反有理」のスローガンのもとで、多くの無辜の人命が奪われ、多数の人たちが塗炭の苦しみを経験し、莫大な数の貴重な文化財は破壊されました。その真剣な反省を今でも中国共産党はしていません。李真の父親は資本家層出身だとされて、進学できるはずだった北京の有名大学にも行けず地方に下放されました。前にどんな時代でしたかと聞いたことがありますが、何も物が言えない時代だったと父親は言っていました。その悪夢が甦るのでしょう。文化大革命のひどさとは比較できませんが、今回の反日デモも相当ひどかったのだろうと想像します。 

 今回のデモの中の不法分子は今後追及されるようで、李真が送ってくれた新聞の見出しには、「デモの中には法律を守らない者がいる。これからそのような者を捜索し、追及する」と言っているようですが、さてどこまでできるか、正直疑問に思います。西安城内(旧市内)でのデモは禁止だそうです。新聞の見出しに続く記事には、香港では5000人が平和に散会したとありましたが、長く英国の統治下にあった香港は中国大陸とは雰囲気が違い、デモをしても洗練されているのかも知れません。 

 「愛国無罪」にしても「造反有理」にしても程度の低い者に恣意的に利用されると混乱を招くだけです。

 

 

 

 


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