中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

江南の旅 -杭州-

2006-10-21 11:02:29 | 中国のこと
 中国の地図を見ると雄鶏のような形をしている。胸の辺りには上海があり、その南にあるのが浙江(Zhejiang せっこう)省、北に江蘇(Jiangsuこうそ)省、東に安徽(Anhuiあんき)省がある。

  

 この江蘇、安徽の南部と浙江北部は、中国最大の大河である長江(通称揚子江)の下流にあって江南と呼ばれ、古くから自然の恵み豊かで文化の発達した地方である。今回は上海を起点にして、浙江省の省都である杭州(Hangzhou)と紹興(Shaoxing)を訪れた。

 杭州には上海から高速道路で約2時間で行ける。途中は豊かな農地が広がり運河もよく見られる。流れがあるかないかのような水面を大小の船が往来しているのは、いかにも中国的な風景である。



 杭州に近づくに連れて、およそ農家とは思われないような立派な住居が次々に姿を見せる。杭州は絹織物の産地として有名で、このあたりの農家は養蚕業を営んでいるので非常に豊かだと言う。



 杭州は10~13世紀に南宋の首都臨安として外国貿易で繁栄し、多くの文人達がこの地で活躍した。風光明媚な西湖に面し、蘇州とともに「天に極楽あり、地上に蘇杭あり」とその繁栄ぶりが謳われた。13世紀にこの地を訪れたマルコ・ポーロは、有名な「東方見聞録」で「世界第一の豪華・富裕な都市」と賞賛している。今でも落ち着いた、豊かさを感じさせる都市である。

 杭州と言えばやはり西湖(Xihu)だろう。面積は6平方キロ弱の小さな湖だが、杭州の西に面し、他の三方は緑豊かな丘陵に囲まれた美しい湖で、湖面には大小の遊覧船が行き交っている。かつての王侯貴族や文人、富裕な商人達がこの湖で優雅な舟遊びを楽しんだということだが、今は庶民の楽しみとなっている。



西湖から見る杭州






 蘇堤(Sudi)。11世紀の北宋の詩人で文章家であった蘇軾(蘇東坡)が杭州の太守として赴任中に、湖を浚渫して作らせた長さ2.8キロの堤。春の明け方の様子が良いとされ、「蘇堤春暁」として「西湖十景」の中に入れられている。
 


 白堤(Baidi)。唐の詩人の白居易(白楽天)が造らせたと言われる堤。途中に錦帯橋と言う橋がある。



 人工衛星から撮った西湖。西にあるのが蘇堤、北にあるのが白堤。(Google Earth)


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1 コメント

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杭州 (nao0880)
2009-03-22 10:55:34
中国迷爺爺さん、こんにちは。
ミャオ族の記事から、順番に拝見させていただいております。
「迷」の文字そのままに、中国に親しんでいらっしゃいますね。
順番に中国迷爺爺さんのブログ記事を楽しませていただきます。

私は杭州を2006年と2007年に訪れました。
どちらも、7月の暑い日で公園売店やコンビニで冷たいビールを補給しながら西湖の周りを散策したものでした。
舟での西湖めぐりも良かったです。

私は、2002年から中国・煙台市に設立された合弁会社の仕事で初めて中国を訪れました。
これまでに、これまでに二十数回・合計100日間あまりの中国滞在です。
来週は煙台出張です。
また、来ます。

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