黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

同潤会三ノ輪アパート #02

2010-06-23 02:26:08 | ・同潤会アパート
前回からアップしている、
既に取り壊されてしまった同潤会三ノ輪アパートです。



敷地の入口のすぐ横には、なんと共同トイレがありました。
三ノ輪アパートの方位を見てみると、
Mapion
のポインターの上下が2棟のアパートですが、
下の棟のすぐ右に小さな建物があるのがわかります。
これが共同トイレでの位置すが、
風水ではトイレが吉とされる東の方角です。
果たして風水まで考えて設計されたかは分かりませんが、
居住エリアに最も影響のないところにしようとした結果、
選ばれた場所なような気がします。

2回目に見学に行ったときは、
住民の方が水を打って、奇麗に掃除をされていました。



狭い中庭の中央には、共同洗濯場がありました。
トイレはブロック塀だったので、
元来作られていた場所ではないのかもしれませんが、
共同洗濯場は住宅棟と同じ壁なので、
元来造られていたものだと思います。



共同洗濯場の内部。
左右の流しの高さが違うのには意味があるんでしょうし、
右側の流しの上の壁で仕切られたスペースは、
ビニールの水道管が渡される前に使われていた構造だと思いますが、
共同洗濯場というものを使った経験がないんで、
なんだか分からないのは残念です。
どなたかご存知の方がいらっしゃったら、
ご教授くださいませ。



これはたぶん井戸のあとでしょうか。
後ろの壁面の鍵型に曲がった部分の上部の装飾など、
20年代を彷彿とさせるデザインが施されています。





洗濯場の隅には、かつて使われたであろう、
洗濯桶が奇麗に積み上げられていました。
もうこの時点では使われていないようでしたが、
周囲の床麺にはゴミ一つなく、最初のトイレ同様、
最後まで愛情が注がれて、使われていたんだと思います。



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3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Googleの航空写真で見ると (pulin)
2010-06-23 17:47:53
この場所には、まだこの建物らしきものが写っているのが確認できますね。
Googleの写真はいつ撮ったのでしょう。
返信する
▼pulinさんへ (KLO@廃墟徒然草)
2010-06-24 04:17:16
Googleの航空写真がどのタイミングで更新されるのかは知りませんが、
過去にいくつもの場所を検索してみた感想だと、
閲覧できる写真は、1年から3年前位の間が多いような気がします。
返信する
▼pulinさん、追伸です (KLO@廃墟徒然草)
2010-06-24 04:21:06
Google地図のヘルプに、
航空写真の取得日に関しての記述がありました。
http://maps.google.com/support/bin/answer.py?hl=jp&answer=22040
やはり1年から3年位前の写真のようですね。
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