黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

長崎さるく #32 二十六聖人/中町教会

2009-07-25 05:08:17 | 長崎さるく
すでに過去の記事で何度かお伝えしてきた、
「二十六聖人の殉教」ですが、その殉教の地は、
JR長崎駅からほど近い小高い丘を登ったところにあります。



ザビエルによって伝来されたキリスト教の信者が、
時の権力者によって処刑された最初の事件ということで、
日本のキリスト教の歴史にその名を留めますが、
殉教の地には二十六人の姿をレリーフにした銅板があります。
全員足が宙に浮いている構図で作られているのは、
おそらく天へ昇るイメージかとも思いますが、
腰を若干前へつきだしたポーズからは、
足の力が極端に脱力している印象を受け、
斜め上を見上げる悲哀とも絶望とも、
またまた慈悲とも空虚ともとれる眼差しと共に、
一度見たら忘れられない強烈なインパクトを与えてきます。



記念碑の横に建つ建物が、通称西坂教会、
正式には「日本二十六聖人記念聖堂 聖フィリッポ教会」で、
大浦天主堂同様、二十六聖人へ捧げられた聖堂です。
ガウディの研究者である今井兼次氏が、
サグラダ・ファミリア教会を意識して設計したそうですが、
本家の馬鹿がつくほどの壮麗さには足下も及ばないながら、
その奇抜なデザインは印象に残ります。





どの教会も、聖堂内は基本的に撮影禁止なので、
これまでアップしてきた聖堂の内部の画像はありませんが、
二十六聖人の殉教地からほど近い中町教会は、
一応撮影禁止の掲示がなかったので撮影してしまいました。
聖堂内も紹介できればと思います。



中町教会でひときわ目を惹くのは、
キリストの誕生から最後の晩餐、
そして磷付からから復活までのストーリーをモチーフにした、
半円形のステンドグラスです。
これは美しい!



聖堂内は両壁面のステンドグラスから入る、
柔らかい光に包まれて、いやでも荘厳な雰囲気を醸し出しています。





ところで長崎の市内を歩いていると、
こんな教会にも出会いました。



「日本キリスト教団長崎銀屋町教会」通称「長崎教会」
オフィシャル・サイトを見ると、
長崎で一番歴史の古い教会、とあります。
全然知りませーん。





これまでアップしてきた教会は全て、
ローマ教皇庁と直結した教会なのに比べて、
この教会は「日本キリスト教団」という教団の
教会だったのですね。

タイルで作ったクロス、長板張りの味のある壁面など、
よく見ると、これまで見てきた教会とは違って、
素朴な魅力を感じたりもします。

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2 Comments

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日本基督教団 (えいはち)
2009-07-25 15:35:17
日本基督教団はプロテスタント諸派が合同した団体なので、
「長崎で一番歴史の古い教会」には首を傾げざるを得ません。
プロテスタントでは最古ということでしょうか。
東京を普通に町歩きして出会う教会は日本基督教団のものが最も多いと思います。
近所ですと代々木八幡神社の山手通りの向かいを入ったところの代々木教会、
幡ヶ谷の西原商店街の、礼拝のテーマが毎回面白い城西教会、
新しい代ゼミタワーのふもとに昔からある代々木中部教会、など。
また、飯田橋駅前の富士見町教会、渋谷公園通りの山手教会、百恵&友和が挙式した霊南坂教会もそうです。

それにしても、このガウディもどきはスゴイですね。
それも二十六聖人のすぐ脇だとは。
このレリーフも正面からの写真しか知らなかったので、
1枚目の画像は驚きました。
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 (廃墟徒然草)
2009-07-26 05:06:28
日本キリスト教団に関しては、そういった流れがあったんですね。
勉強不足ですみません(汗)

ちなみに日本キリスト教団のサイトの教区一覧を見てみると、
代々木中部や富士見町、そして霊南坂は掲載されていますが、
城西や山手は掲載されていませんね。
山手教会のサイトを見てみると、
霊南坂からの分派とかかれ、
また日本キリスト教団は1,700の教会から成り立つ、
などとも書いてあります。
なんか奥深いですね。

二十六聖人は確かに正面画像が多いですね。
ガウディもどきも画像に入れたかったので、
必然的に斜めの構図になったんですが、
妙な立体感を感じる結果になりました。
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