東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団 第17回定期演奏会(オール ベートーベンプロ)に行ってきました。
<日時、場所>
2005年5月7日(土)東京芸術劇場
<曲目>
ベートーヴェン作曲
コリオラン序曲
ピアノ協奏曲第3番
交響曲第7番
<演奏>
田村 響(ピアノ)
三石精一指揮
東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団
初めて聴くオーケストラでしたが、東京で10番目に誕生したプロオーケストラです。
で、演奏はと言うと、大変失礼な言い方で申し訳ないのですが、予想していたよりもずっと良かった。
まず響きが大変暖かい。それと集中力が高いオーケストラだと感じました。
冒頭のコリオランは、ゆっくりとしたテンポかつ重厚な響きでベートーベンにぴったりです。
途中、これでもかと何度も繰り返される音型などは、もっとはったりをきかせることも出来るはずですが、三石さんは絶対奇をてらった表現をしません。最後までほぼインテンポで押し通しました。
2曲目は、コンチェルト。
ソリストは田村響さん。弱冠18歳のピアニストです。本来ソロを予定した園田高弘さんが昨年急逝されたため、3年前の園田高弘賞ピアノコンクールで優勝した田村さんに白羽の矢がたったようです。
ただ、正直なところ、このコンチェルトはいまひとつでした。
田村さんのテクニックは十分だし、カデンツァも大変美しかった。
しかし、コンチェルトの醍醐味であるソロとオーケストラの対話が十分ではなかったと思います。
たとえば、終楽章の第二主題で雰囲気ががらっと変わるところでも、オケの表情も固いし、それをピアノが受け継いで新たな雰囲気で展開するというような演奏にはなっていなかった。
田村さんは本当に素晴らしい才能を持ったピアニストだと思いますが、コンチェルトにおいては「ピアノを弾く」ということに集中しすぎているような気がします。オケの反応にもっと関心をもてれば、また新しい魅力が生まれるのではないでしょうか。
さて、メインの交響曲第7番。
これはわくわくするような素晴らしい演奏でした。
第二楽章のアレグレットは、たんたんとした流れの中に哀しみをたたえた秀演。弦楽器が綺麗です。
スケルツォではトリオでやや苦しい部分もありましたが、全体によく音楽が息づいていました。
フィナーレは今夜の白眉。まさにアレグロ・コン・ブリオという演奏で、大変スリリングでした。
ティンパニーが要所を決め、管楽器(とくにフルート・オーボエ)も見事。さかんにブラボーがかかっていました。
最後に指揮者の三石さんのことを少しコメントしますと、とにかく奇をてらわず正攻法な音楽作りです。それが、今日のベートーベンでは大いに功を奏していました。またコンチェルトも含めてすべて暗譜で指揮をしていたことにもびっくり。大変求心力のある指揮ぶりだったと思います。
今日は、まぎれもなく「ベートーベン」を聴かせてもらいました。
<日時、場所>
2005年5月7日(土)東京芸術劇場
<曲目>
ベートーヴェン作曲
コリオラン序曲
ピアノ協奏曲第3番
交響曲第7番
<演奏>
田村 響(ピアノ)
三石精一指揮
東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団
初めて聴くオーケストラでしたが、東京で10番目に誕生したプロオーケストラです。
で、演奏はと言うと、大変失礼な言い方で申し訳ないのですが、予想していたよりもずっと良かった。
まず響きが大変暖かい。それと集中力が高いオーケストラだと感じました。
冒頭のコリオランは、ゆっくりとしたテンポかつ重厚な響きでベートーベンにぴったりです。
途中、これでもかと何度も繰り返される音型などは、もっとはったりをきかせることも出来るはずですが、三石さんは絶対奇をてらった表現をしません。最後までほぼインテンポで押し通しました。
2曲目は、コンチェルト。
ソリストは田村響さん。弱冠18歳のピアニストです。本来ソロを予定した園田高弘さんが昨年急逝されたため、3年前の園田高弘賞ピアノコンクールで優勝した田村さんに白羽の矢がたったようです。
ただ、正直なところ、このコンチェルトはいまひとつでした。
田村さんのテクニックは十分だし、カデンツァも大変美しかった。
しかし、コンチェルトの醍醐味であるソロとオーケストラの対話が十分ではなかったと思います。
たとえば、終楽章の第二主題で雰囲気ががらっと変わるところでも、オケの表情も固いし、それをピアノが受け継いで新たな雰囲気で展開するというような演奏にはなっていなかった。
田村さんは本当に素晴らしい才能を持ったピアニストだと思いますが、コンチェルトにおいては「ピアノを弾く」ということに集中しすぎているような気がします。オケの反応にもっと関心をもてれば、また新しい魅力が生まれるのではないでしょうか。
さて、メインの交響曲第7番。
これはわくわくするような素晴らしい演奏でした。
第二楽章のアレグレットは、たんたんとした流れの中に哀しみをたたえた秀演。弦楽器が綺麗です。
スケルツォではトリオでやや苦しい部分もありましたが、全体によく音楽が息づいていました。
フィナーレは今夜の白眉。まさにアレグロ・コン・ブリオという演奏で、大変スリリングでした。
ティンパニーが要所を決め、管楽器(とくにフルート・オーボエ)も見事。さかんにブラボーがかかっていました。
最後に指揮者の三石さんのことを少しコメントしますと、とにかく奇をてらわず正攻法な音楽作りです。それが、今日のベートーベンでは大いに功を奏していました。またコンチェルトも含めてすべて暗譜で指揮をしていたことにもびっくり。大変求心力のある指揮ぶりだったと思います。
今日は、まぎれもなく「ベートーベン」を聴かせてもらいました。
いつもありがとうございます。
日本新交響楽団を母体にして、1997年に三石さんを音楽監督として発足したオケです。
定演の数もうんと少ないし、名曲を時間をかけてじっくり熟成させていくスタイルが特徴でしょうか。
指揮者以下音楽に真摯に取り組む姿勢が、気に入りました。
私は埼玉県在住なので、なかなか神奈川フィルの演奏会にいけないのですが、yurikamomeさまの記事を読んで、何とか一度聴きに行かなくてはと思っています。
オケの練習も、ときどき芸術劇場の地下なので、romaniさんとばったり会うかも知れませんね・・・♪
いつもありがとうございます。
芸劇から自転車で5分ですか。何て素晴らしい環境!
うらやましい・・・。
私は読売日響のマチネー会員なので、月に1度は通っていることになります。
本当に、ばったりお目にかかれるかもしれませんね。
楽しみにしております。