昨日の議員会館での脇本氏の
五分間の発言の内容が手元に
来ました。
無駄がなく、ただ事実のみを
わかりやすく語っておられると
思います。
どうぞ、ごらんください
11・29国会内発言 「診療報酬引き上げと患者負担軽減で医療の再生を」 脇本征男
私は、本年6月22日東京地裁に被告国を相手に提訴した「歯科技工の海外委託問題訴訟原告団」80名の代表です。
被告国は、答弁書の中で、私たちの訴えに対して、具体的事件争訟性がないこと、確認の利益がないことなど反論しています。
すなわち、海外委託により原告らにどれほど具体的な影響が及んでいるのかが一つの争点になっています。しかし、私どもはあくまでも「17年通達」は国の誤判と考えております。法律は曲げてはいけません。
次回12月18日第3回公判までに、歯科技工士の実態をできるだけリアルに主張する必要があり、今準備を進めているところです。
私は40年この仕事をして参りました。私たちは政令や省令で資格者となったのではありません。
国が定めた「法律」で「歯科技工士」の免許を得た、れっきとした医療従事者であります。その殆どが何らかの形で、保険の仕事に携わっております。
日本歯科技工士会の「2006歯科技工士実態調査報告」によれば、歯科技工士の大半を占める自営者のほぼ半数(45.3%)が週労働時間76時間を越え、年間に換算すると4000時間以上。そのうち12%の者は週労働時間100時間を越えて就労するという。
一方収入面では、自営歯科技工士の年収は、平均502万円(平均年齢50.7歳)、その約3割(28.8%)が250万円以下という状況にあります。
ちなみに勤務者では平均392万円(平均年齢38.5歳)、その約3分の1(34.2%)は年収250万円以下です。
歯科技工所経営者の39.1%、勤務歯科技工士の60.8%が離職(業)を考えていることを明らかにしています。
その主な理由は低賃金・低報酬、長時間労働(週平均65.5時間)等であります。
このような歯科技工士の厳しい環境を反映して、歯科技工士の高齢化が進む一方、各地の養成機関の募集停止、定員削減が急ピッチで進行しております。
「入れ歯」需要は2025年まで増えるとの推計がされておりますが、この状況を放置すれば、将来にわたって、良く噛め、長持ちする「入れ歯」の確保が危ぶまれる事態となります。
これらの実態から、「入れ歯」づくり・調整時に必要な技術料を適正に評価して引き上げることと、一番お願いしたいことは、「製作技工と製作管理に要する費用」を定めた、昭和63年の「大臣告示」、いわゆる「7:3問題」の趣旨を最大限尊重し、「国民の最良の補綴物に資する」ため、「決められた制度は守る・守らせる」施策を徹底して頂きたいと考えております。
そのことによって歯科技工士が安定して、希望を抱いて歯科技工を続けていける環境作りが何よりも緊急に必要なことだと考え懇請いたします。
昔から「社会保障の政策の乏しい国は滅びる」との格言があります。
せめて、黒子の如く、目立たない存在ながら重要な役割を担っている立場の者へ、光をあてる政策こそ国の仕事と考え、ここに救済の手立てをお願い申し上げます。