梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

一言言いたくなる書き込み

2016-02-21 15:43:58 | 日記
   本日は珍しく二回目の書き込み。引用部分は北海道の、とある中学校教師がFacebookに書き込んだものです。この人は半ば定期的にこうした書き込みをし、本も出版しているのですが、私はどうしてもこの人を好きになれません。

   「教師はいまだに、学級経営において、子供たちを自分の〈人間性〉で動かそうとします。もちろん、〈人間性〉で動かせるのならばそれに越したことはないのかもしれません。しかし、〈人間性〉というものは、日々の具体的な事象事象によって、刻一刻と評価が変わっていくものです。ちょっとしたミスが命取りとなって人間性に対する評価はドン底まで落ちることがあります。
   生徒とのちょっとした約束を忘れていた、判断に迷っているうちに保護者に連絡するのが1時間だけ遅れた、生徒が嘘をついているように思えてつい怒鳴ってしまった、こうしたことで簡単に変わってしまうものです。
   こういうミスを一切おかすことなく仕事を遂行できる、そういう能力のある人だけが〈人間性〉で学級を運営していけるのではないか、私はそう感じています。つまり、私たち凡人には不可能なのです。こうしたことに畏れを抱かない、お気楽な教師だけが実は自らの〈人間性〉を絶対視しているのです。」


   私は、生徒たちを動かすのは、教師の人間性だと思っています。こう書くと嘘をつけ!と言われてしまいそうですが、私はそう信じて38年間仕事をして来ました。そもそも、筆者が書いているような、ささいなミスで生徒からの信頼が失われることなどありえません。この程度のことで生徒にそっぽを向かれるとしたら、それはその教師の日頃の態度によほど大きな問題があるのです。それに、自らの人間性を絶対視している教師など、長い教師生活の中で一人もお目にかかったことなどありません。

   そもそも、筆者はこの短い文の中で、大きな自己矛盾を犯しています。最後の一文にある、「こうしたことに畏れを抱かない、お気楽な教師」がいるとしたら、常識で考えて、それは自己の人間性を向上させることを怠っている教師なのであって、筆者は実は人間性を軽視している教師を批判していることになるのです。。なおかつ、人間性で学級運営をできないとする筆者自身は、何をもって学級運営をしているのかを、全国の教師たちに示すべきです。

   筆者は、人間性というものを極めて狭く、限定的に捉えていると感じます。生徒たちを深い愛情で包み込むような人間性なくして教師としての完成は有り得ません。教師からそれを除いたら、単なるテクニック論しか残らないのです。

   面白いことに、この人がFacebookに書き込みをすると、全国の教師達から、「いいね」が集まり、「シェアさせてください。」が集まり、賛同する書き込みが集まります。一つとしてこの教師の意見に疑義を呈する書き込みは出たことがありません。それを見ていると、全国の小学校教師は自分の頭で物を考えることが出来ないのだろうかと不安にすらなってしまいます。

   この人の書き込みは常に上から目線で、すべてを知り尽くしたかのような語り口です。できることなら彼が勤務している中学校へ行って、生徒たちからの評判を聞いてみたいという気がします。

まずは自分の頭で考えよう

2016-02-21 09:14:16 | 日記
   しょっちゅう書いているテーマではありますが、専門家の言うことをう鵜呑みにしてはいけないという事例をまた見つけてしまいましたので、一応ここで書いておきます。その前に、はるか昔に書いた情けない事例を復習しときます。

   昔、「披露した筋肉は柔らかくなる」という研究発表をした学者がいて、定説になりかけたことがありました。大阪大学で、油圧式の「筋硬度計」なる役に立つのか立たないのかよくわからない代物を開発して、ピッチャーがウオーミング・アップした後で腕の筋肉の硬さを計測しました。その結果、ウオーミング・アップ前よりも筋肉が固くなっていることがわかったので、疲労すると筋肉は柔らかくなるという結論を出したわけです。

   しかし紺野義雄という元十種競技の選手が、運動すると筋肉は固くなるという発表をしていたので、阪大の側から論争を吹っ掛けて来たのだそうです。大阪大学の研究発表を掲載したのは科学朝日という雑誌なのですが、これには頭を抱えて、もうそっちでどうにかしてくれと、匙を投げてしまいました。
 
   私に言わせえば、わざわざこのために「筋硬度計」などという代物を開発すること自体、学問というものめんどくささを告白しているようなものです。筋肉が固くなったかどうかなどは、手で触ってみればわかることです。しかし、研究発表で学説を打ち立てるとなれば、金をかけてでもそんなくだらない代物を作らなければならないのですね。

   皆さんはとっくにご存知のことですね。ウオーミング・アップをなぜするのか。日本語で準備運動と呼ぶことからも分かる通り、激しい運動をする前に、筋肉を「柔らかく」して、可動域を広げ、体が良く動くようにするためです。しかし、学者というものはある一点に思考が集中すると、当たり前のことが見えなくなってしまうことがあります。

   学者がある事について本当に知識があるのかどうかは、私たちが自分の責任できっちりと見極めなければなりません。世間では、特に、教授という称号を持った人物が発する言葉は当然正しいはずだという誤解をしがちです。

   今日の新聞で読んだ、「元気なう」といコラムの内容です。「コーヒーと健康②」というタイトルなのですが、まずはカフェインを含む清涼飲料水を飲み過ぎて死亡した若者の例に触れてから、「でも、カフェインは肝臓病に効果があるし、片頭痛対策にコーヒーを勧める病院もある。」と、コーヒーの利点について話を進めていきます。

   問題は、東京薬科大学名誉教授で、「コーヒー博士」と呼ばれる人物の発言です。妊娠中と授乳中の女性はコーヒーを避けるべしとした後で、もう一つ注意を呼び掛けています。「カフェインは細胞の中のカルシウムを排出してしまうので、骨粗しょう症の人も避けた方が良い。不安なら、カルシウムたっぷりの牛乳を入れて飲みましょう。」

   実は既に、牛乳を飲むと中に含まれているリン成分のために体内のカルシウムが排泄され、骨粗しょう症になる可能性があるということが、アメリカで統計的に立証され、発表されているのです。ただの民間人である私が知っている知識を、どうして薬科大の名誉教授が知らないのか、不思議でなりません。

   私たち素人は、健康に関する知識に振り回されがちです。良く観察すると実はインチキだと思われるもににぶち当たることは珍しくありません。ダイエットに成功して本まで出版した芸能人はモデルから芸人に至るまで多様でしたが、全員例外なく出版後はリバウンドして見事な体形に戻ってしまっています。おそらくは自主的に行ったダイエットではなく、出版社からの本の出版を前提としたギャラが提示されていたはずです。

   最近ライザップはAKB48の峰岸みなみをCMに起用し、「肉だって食べていいんです。」式のうたい文句を掲げていますが、実際には毎食を写メしてライザップに送り、指示を受けなければなりません。「これから握りずしを食べます。」と写メを送ると、すかさず「ネタだけ食べて、シャリは食べないように。」という返信が来ます。つまりCMのうたい文句は、「脂身のない赤身の肉だけ食べてよろしい。付け合わせのジャガイモは食べてはいけません。ライスも口をつけないでください。」という意味なのです。「・・・しか食べてはいけません。」を、「・・・だって食べていいんです。」と言い換えてしまっている、恐ろしいCMという訳です。

   それから・・・何という名前の俳優でしたでしょうか、「ロング・ブレス・ダイエット」というダイエットを考案して、スタジオまで開き、そっちがすっかり本業になってしまった感がある俳優がいましたね。彼の提唱するロング・ブレス・ダイエットとは、「息を吸ってはそれを力を入れながら長く吐く」といった程度のものに見えますが、実際は違います。息を吸ったり吐いたりするのと同時に、様々なポーズを取り続けるのです。このポーズが結構体力を必要とするのです。かつ、ポーズそのものは彼が考案したものとは言えず、どこのジムでも行われていそうなものばかりです。

   何につけても、実行してみるのは良いことですが、話の口当たりの良さに飛びつくと、当てがはずれることもあるということですね。