大阪府の中原徹教育長(44)が11日、教育長を辞職する考えを明らかにした。府教育委員会の臨時会議で述べた。部下らに対するパワーハラスメントや威圧的言動が問題視されていた。

 中原氏のパワハラ問題を巡っては、大阪府教委の第三者委員会が2月20日、「教育長として不適切」などと批判する報告書を公表。現在開会中の府議会に、一部会派が中原氏の辞職勧告決議案を議長に提出したほか、府内41市町村の教育長が「毅然(きぜん)とした対応」を求める要望書を府教委に出すなど、中原氏の続投方針に対する批判が高まっていた。

 第三者委の報告書によると、中原氏は施策などについて意見が食い違った部下職員4人に対し、配置転換や解職をほのめかしたり、大勢の前で叱責(しっせき)したりしていた。また、女性の教育委員に対して罷免(ひめん)要求をちらつかせていたという。

 中原氏は橋下徹大阪市長の大学時代の友人で、橋下氏の府知事時代に公募された府立高校の校長を経て、2013年春に教育長に就任した。

 

毎日新聞 2015年03月09日 大阪朝刊

 大阪府の中原徹教育長がパワーハラスメント(パワハラ)を繰り返したことが判明しました。教育現場への影響が懸念されます。

 厚生労働省のホームページによると、パワハラとは、職権などを背景にして、業務の範囲を超えて継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、働く関係を悪化させる行為だと定義しています。うつ病などの原因になることもあります。

 弁護士3人による府教育委員会の第三者委員会が、2月20日に公表した報告書は、中原教育長が府教委職員4人にパワハラをしたと認定し、「職責として不適切」と断じました。具体的には、自分が進めようとする政策に反対する職員や、仕事ぶりが期待に沿わない職員に対し、大勢の前で叱りつけたり、配置転換や降格を示唆したりしました。

 教育行政を担う教育委員会では、教育委員の中から教育長と教育委員長を選びます。教育委員長は会議を取り仕切り、教育委員会を代表する立場ですが、非常勤で、細かい状況まで目が届かないとの指摘もあります。一方、教育長は常勤で事務方を統括するという重責を担っています。

 報告書は一連のパワハラから、教育長としての資質に疑問を投げ掛けました。府議会の野党は、辞職を求めていますが、教育委員の職を解くには、知事が罷免を提案し、議会の同意が必要です。松井一郎知事は中原教育長を続投させる方針のため、しばらく与野党の対立が続きそうです。

 今回の問題で、中原教育長と教育委員の間に溝が生まれました。報告書では、府教委の職員が教育長に意見するのを自粛するという影響が出ていると、懸念を示しました。部下とのコミュニケーションが尽くされていないことが原因と指摘しており、今後は教育方針を決める際に、教育委員や職員としっかりと話し合いをして進めることが求められています。【大久保昂】

 

 

橋下氏の〝盟友〟大阪府の中原教育長が辞任示唆 女性教育委員へ高圧的発言「罷免要求出す」 

記者会見する大阪府の中原徹教育長=29日午後、大阪市中央区の大阪府庁(村本聡撮影)

2014.10.29 19:22 産経新聞


 大阪府の教育委員会議で29日、女性教育委員(40)が中原徹教育長(44)から高圧的な発言を受けたと指摘した。中原氏は同日の会見で「事実関係に異論はあるが、彼女が不快な思いをしたことは間違いない。自分に(教育長の)資格があるか一晩考えたい」と述べ、30日に進退を明らかにするとした。

こども園めぐり「目立ちたいの?」「誰のおかげ?」…知事は「辞任させぬ」

 松井一郎知事は記者団に対して「辞任はさせない。(中原氏に対して)『教育改革を仕上げてくれ』と言った」と述べた。

 委員と中原氏は21日、府が府議会に提出した幼稚園と保育園の機能を併せ持つ「認定こども園」の定員上限を引き上げる条例改正案について、議会での答弁内容を確認するために会談。

 委員によると、中原氏に「母親の立場として、より少人数が理想だと思う。(答弁を求められたら)ウソは言えない」と伝えたところ、中原氏から「目立ちたいだけでしょ」「誰のおかげで教育委員でいられるのか。知事でしょ」「罷免要求を出しますよ」などと言われたといい、「自由に発言できる状況にないと思った」と語った。

 条例改正案には委員会などで反対意見が相次ぎ、自民党などが定員を維持するよう要求。府は取り下げて修正案を出し、28日未明の本会議で可決された。

 中原氏は橋下徹大阪市長の大学時代からの友人で、橋下氏が府知事時代に公募で府立高校の校長に採用。平成25年4月から松井知事の任命で教育長に就任した。橋下氏は「委員が府教委の決定を議会で翻す答弁をしようとしたことが原因と聞いている。話を聞いた限りでは委員がおかしい」と擁護した。

 

 

 

「報告書は真実でないところがある」 第三者委報告書に異議 道半ばの教育改革には言葉詰まらせ…

辞職会見に臨む中原徹大阪府教育長=11日午後、大阪市中央区の大阪府公館(山田哲司撮影)

 大阪府の中原徹教育長が11日、府教委職員らへの発言が弁護士による第三者委員会に「パワーハラスメント」と認定された問題を受けて、大阪市中央区の府公館で緊急会見を開き、引責辞任を表明した。午後5時すぎから行われた会見は約40分間にわたったが、中原氏は一度もいすに座ることはなく、両手を体の前で組んだまま沈んだ表情で質疑に応じた。第三者委の報告書の内容について、「大いに真実でないところがある」と異議を唱えながらも、道半ばとなった教育改革に質問が及ぶと声を詰まらせた。

 《約60人の報道陣が待ち構える中、午後5時に中原氏が会見場に入ると、一斉にフラッシュがたかれた》

 「みなさん、ご存じかと思いますけど、先ほど臨時の教育委員会議で、私の辞職願に対する合意を教育委員からいただきました。まずは私の方から辞職願を出すに至った理由と背景を説明させていただきます」

《謝罪よりも前に、辞職のきっかけとなった第三者委の「パワハラ認定報告書」の内容に異議を唱え始めた》

「(弁護士による)第三者委員会の報告書があってその中身を見たんですが、今までは個人としての意見というのは、公職を続ける限り出すべきでないと思いお話できませんでしたが、こうして辞職願を出したとうことで、個人としての率直な感想をお話しさせていただきますと、第三者委員会の報告書の(職員)4名に対する事実については、私は大いに真実でないところがあるという風に思っています」と切り出し、「内容について不可解であったり、作為的な部分を感じざるを得ないようなところもありました。しかし、その際、教育長として、公人として教育改革を進めるということを選択するのであれば、そういったことはすべて飲み込んで、全体として報告書を受け入れて、前へ進むということを決断して、ここで(続投を表明する)会見を(2月20日に)させていただいたところです」と重ねた。

 《続いて、昨年から立て続けに起きた府立高校などでの入試ミスに話が及ぶ》

 「教育改革を進めるという決断をしたんですが、実際に教育現場のお子さんや保護者の方に直接、悪影響がない中で、教育改革を進めていこうと思っていたんですが、昨年、北千里高校で大きな入試ミスがあって、大きな被害を出してしまった反省に立って高校入試をしっかりとやり遂げるというのが今年の重大案件になっていたが、今年も2校で入試のミスがあった。合否が入れ替わるほどではなかったが、去年あれだけのミスがあった中で、現場レベルで、受験生の方々、保護者の方々にご迷惑がかかったことが、会見のすぐ後に起きてしまったということで、因果関係は分からないが、因果関係があると思う方がいても仕方がないと思います。その頃から、組織のトップとしてけじめをつけなければならないと思うようになりました」と辞職の決断に至った経緯を説明した。

「ただし、私自身、(府議会に)予算と議案を上程しておりまして、(教育長に就任してから)2年間がもうすぐ終わろうとしています。その中で教育改革の礎といいますか、レールを敷き終わるような感覚がありまして、それはきちんと説明責任を果たさなければいけない。(府議会教育常任委員会で)答弁をする機会が今日が最後でありましたので、その場できちんと説明しなければならず、今日まで続けようということで今日の判断に至りました」

 《これまで携わった大阪の教育改革に話が及ぶと、中原氏は目に涙をため、声を詰まらせた》

 「私は(府立和泉高校の)民間人校長として3年間務めまして、その後、教育長として2年。大阪に来させていただいて、教育改革がまあ、道半ばで。もっと大阪の子に英語をしゃべってもらいたいと思いましたし、経済的な格差によって夢をあきらめたり、人生をあきらめたりするようなことがあってはいけないということで、(学び直しの)エンパワメントスクールを作ったりした」と、自身が進めてきた教育改革に自負をのぞかせた。

 「いろいろと教育改革を続けたかったんですけれども、一連のゴタゴタが続いて、実際に現場にご迷惑をかけてしまっていると考え、決断に至りました。府民のみなさんには、教育改革を期待されて教育長にさせていただいたと思っておりまして、それが道半ばで終わってしまうことに対しては本当に申し訳なく思っております」と謝罪した上で、「松井一郎知事をはじめ、支えて下さったみなさんには、おわびとお礼を申し上げたい」と述べた。

 

 

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