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2015年3月27日テレビ朝日の報道ステーションに出演した元経済産業省官僚の古賀茂明氏が、自らの番組降板をめぐり菅官房長官らを批判しました。
これについて、菅長官は「極めて不適切だ」などと反論しています。
この事件は、27日の番組「報道ステーション」に出演した古賀氏は自身が同番組を本年4月から降板することをめぐり、
「菅官房長官をはじめ官邸の皆さんにはバッシングを受けてきた」
などと発言したものです。
これに対して、菅官房長官は3月30日に
「言論の自由、表現の自由というのは、これは極めて大事だと思っておりますけれども、事実に全く反するコメントをですね、まさに公共の電波を使った報道として極めて不適切だと思っています」
「放送法という法律があるので、まずテレビ局がどのような対応をするかをしばらく見守っていきたい」
とテレビ朝日の対応を「見守る」考えを示しました。
見守ると言いますが、放送法では総務省がテレビ局に放送免許を与える→テレビ局への免許を取り消すこともできる、という規定があるのですから、「テレビ局がどのような対応をするかしばらく見守っていきたい」というコメントの前に
「放送法と言う法律があるので」
とつけた枕詞は、場合によっては免許を取り上げて放送できるなくするぞ、という露骨な恫喝です。
そのため、「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスターが同30日夜の放送で
「番組としては、古賀氏がニュースと関係のない部分でコメントしたことに関し残念だと思っています。テレビ朝日としては、そういった事態を防げなかったという、この一点におきましても、テレビをご覧の方々に重ねておわびをしなければならないと思っております」
と述べる事態となっています。これからの報道ステーションが腰砕けにならないか、注意してみていかなければなりません。
ところで、2014年12月の衆議院総選挙の選挙運動期間中に、安倍首相がTBSの選挙関連番組に出演した際に、市民へのインタビューの内容などが自分に対する批判に偏重していると発言した後、自民党が各テレビ局へ「公正な報道」を求める通達を出して、事実上、安倍政権への批判を封じた事件は記憶に新しいところです。
安倍政権の強権的姿勢の象徴的存在である菅官房長官の今回の発言は、突発的な事件を奇貨として、安倍政権がマスメディア支配がさらに強化しようとする策動ですから、鋭く批判されなければなりません。
安倍首相 TBS番組への注文・テレビ局への「公正報道」通達は「言論の自由だ」と報道の自由は一顧だにせず。
憲政史上最悪の官房長官であることは間違いない。血も涙もないとはこの人のこと。
さて、菅官房長官は、古賀氏の「官邸から圧力を受けた」という発言に対して、「事実無根だ」と言っています。しかし、常に頑張り続けているウェブニュースサイトであるリテラの記事
「事実無根じゃない! 菅官房長官が古賀茂明を攻撃していた「オフレコメモ」を入手」
によって、菅氏の記者会見でのオフレコ発言が暴かれました。
(オフレコ)
Q 会見で出た、ISILの件でまったく事実と違うことを延々としゃべっていたコメンテーターというのはTBSなんでしょうか。
A いやいや、いや、違う。
Q テレビ朝日ですか?
A どことは言わないけど
Q 古賀茂明さんですか?
A いや、誰とは言わないけどね。(※肯定の反応)ひどかったよね、本人はあたかもその地に行ったかのようなことを言って、事実と全然違うことを延々としゃべってる。放送法から見て大丈夫なのかと思った。放送法がある以上、事実に反する放送をしちゃいけない。本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど。
どうだろう。これは古賀氏が『報ステ』発言の動機として説明したことと完全に合致する。古賀氏は『IWJチャンネル』でこう語っていた。
「官房長官は名前は出さないけど明らかに私を攻撃してくる。『俺だったら放送法違反だと言ってやったのに』と言ってるという話も聞いている。官房長官という政府の要人が、放送免許取り消しもあるよという脅しですよ」
このように、この件で古賀氏が言った「官邸の圧力」が存在しているのは明らかです。
ところが、こんな発言を記者たちの前で堂々としているのに、強面の菅氏のオフレコ発言だということに恐れをなして全く報道しない今のマスメディアは不甲斐ないの一言と言えるでしょう。
こんな顔で笑っているところを見たことないんですが。
ところで、本件で事件の一方当事者として焦点になっている古館氏については、私は
「久米宏でさえ信用していなかった私はどうも信用できない。私にとって古館伊知郎は永遠のプロレス実況アナウンサー」
というようなことを何度か書いてきました。
しかし、彼を真正面から記事にしたのは
原子力村がNHKに続き、報道ステーション古舘伊知郎に圧力を加えた 「番組切られても本望」 動画追加!
です。
そして、私のように眉唾物で彼を見てきた視聴者も多かった中で、この記事は数十万回閲覧されました。もともとの「出自」による予想を超えて、古館氏は非常によく頑張っていると私も再評価しています。
ただ、今回の事件で、古館報道ステーションも危ういことがよくわかったのも事実です。
こ
「『報道STATION』ではスペシャル番組として、去年の12月28日の夜、原発の検証の番組をお送りしました。津波で原発が壊れたのではなく、それ以前の地震によって一部、(福島)第1原発のどこか が損壊していたのではないかという、その追求をしました。今回、このスペシャル番組で、その追求をすることはできませんでした。"原子力ムラ"というムラ が存在します。都会はこことは違って目映いばかりの光にあふれています。そして、もう一つ考えることは、地域で、主な産業では、なかなか暮らすのが難しい というときに、その地域を分断してまでも、積極的に原発を誘致した、そういう部分があったとも考えています。その根本を、徹底的に議論しなくてはいけない のではないでしょうか。私はそれを、強く感じます。そうしないと、今、生活の場を根こそぎ奪われてしまった福島の方々に申し訳が立ちません。私は日々の 『報道STATION』の中でそれを追求していきます。もし圧力がかかって、番組を切られても、私は、それはそれで本望です。また明日の夜、9時54分に みなさまにお会いしたいです。おやすみなさい」
これに対して、古賀茂明氏については、こんな記事で触れてきました。
思想調査アンケートは違法でもやり遂げ、エネルギー戦略会議は適法でも休止という橋下維新の会の矛盾
野田民主党政権にさえ負けて、橋下原発推進の会だとばれた橋下維新の会は、必ず「弱い者イジメ」に走る
大阪府市統合本部に結集した橋下市長・松井府知事と特別顧問の無能と無謀
つまり、経産省を退官後、すぐに橋下大阪市長の特別顧問に就任した古賀氏を、私は全く評価していないということです。
上の最初の記事にあるように、古賀氏は最終的には橋下市長から切られました。しかし、逆に言うと、橋下市長の有名な「原発再稼働容認発言」以降の、橋下市長の原発容認への転向があっても、古賀氏が相変わらず橋下市長の主宰する「エネルギー戦略会議」にとどまり続けたのは紛れもない事実です。
古賀氏が「I am not Abe」のプラカードを掲げて地上波放送に登場した勇気は素晴らしいものだと思います。
また、今回の降板に関して、官邸の圧力を公開したのも大変立派だと思います。
しかし、官邸に対して以上に、日本のテレビ局で唯一と言っていいほど健闘している報道ステーションに大打撃を与える形で、自分の出演に幕を閉じたのは、全くいただけません。
厳しいようですが、彼のやっていることは単なる目立ちたがり屋。スタンドプレーなのです。
確かにこれは放送史上に残る大事件だった。
ところで、今は大阪「都」構想住民投票直前という緊急事態なので、私も「利用」してしまっていますが、橋下維新を批判するために安倍政権の内閣参与である藤井聡教授を持ち上げるのは非常に危ういと自覚しなければなりません。
これは安倍政権を批判するために橋下維新の特別顧問であった古賀氏を持ち上げることも同様だということです。
こういうことをやっていると必ず裏切られます。少なくともその心構えが必要です。
あげくの果てには脱原発を曲がりなりにも唱えたから橋下市長を支持するとか、同じく都知事選でよりによってプルトニウム入りのプルサーマル原発を推進した小泉元首相に支えられた細川氏を支持するとか、「リベラル」と呼ばれる人たちの迷走ぶりは目を覆わんばかりです。
また、A級戦犯容疑者であった岸信介元首相を「対米自主独立派」wとして称揚する孫崎亨氏を信奉したりするのももってのほかだと思います。佐藤優氏などまがい物をつかまされている例は枚挙にいとまがありません。
さらには、選挙速報番組で権力者に鋭く迫ることで「池上無双」とまで称賛されて名を馳せている池上彰氏のニュース解説も、中庸・公正を装っているだけに、私は非常に危険だと思っています。
彼の根っこは新自由主義者であることは認識されているのでしょうか。
池上彰さん、しっかり解説してください!日米両国とも富裕層の税率は低く、貧富の差は拡大し続けています!
ジャーナリストとしての筋を貫いた暴露だったが、あのタイミングでは、異常な朝日バッシングに火を注いだともいえる。
そもそも人権尊重というような基本的な事さえ言うコメンテーターがだんだん減って、佐高信氏のように地上波から干されてしまっている評論家も数多くいます。魚住昭さんや斉藤貴男さんのような骨太のジャーナリストがテレビに出る機会は全くありません。
もちろん、吉永みち子さんや室井佑月さんなどのごく少数の人を除いて、テレビに出ていると信用できないと逆に太鼓判を押せるような状況ですから、少しでも権力批判をするようなキャラクターに期待せざるを得ない気持ちはわかります。
しかし、有名人に頼らなくても人道は語れます。
リベラルを自認する方々には、是非、一人すっくと立ち、誰にも頼らずにおのれの信条を語ることをお勧めしたいと思います。
とにかく格好いい。大ファンですが盲信したりしません(哀)。
この記事で確実に読者減ったな。
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孤軍奮闘の「リテラ」のスクープ!菅長官の古賀攻撃オフレコメモ!
事実無根じゃない! 菅官房長官が古賀茂明を攻撃していた「オフレコメモ」を入手
左 内閣官房長官・衆議院議員 菅義偉ホームページより/右 『国家の暴走 安倍政権の世論操作術』(角川書店)
『報道ステーション』(テレビ朝日系)で爆弾発言を行った古賀茂明氏へのバッシングが止まらない。ネットでは、古賀氏に対して「捏造だ」「被害妄想だ」「陰謀論を平気で事実のようにしゃべっている」という声があふれ、そして、30日には、菅義偉官房長官が記者会見で、古賀発言を完全否定した。「テレビ朝日の『報道ステーション』のコメンテーター」が、生放送中に菅官房長官の名を挙げて「バッシングを受けた」と語ったことを、「まったくの事実無根」「事実に反するコメントだ。公共の電波を使った行為であり、極めて不適切だ」と批判したのである。
よくもまあ、こんな白々しい嘘がつけるものである。そもそも、菅官房長官は、この会見で「放送法という法律があるので、まずテレビ局がどう対応されるかを見守りたい」と発言。テレビ朝日に対して、あからさまな圧力をかけていたではないか。
これだけでも、菅官房長官が日常的にメディアに圧力をかけていることの傍証となるものだが、本サイトはもっと決定的な証拠を入手した。
古賀茂明氏が『報道ステーション』で「I am not ABE」発言をした少し後の2月某日、菅は会見の後のオフレコ懇談ではっきりと、古賀バッシングを口にしているのだ。その「オフレコメモ」を入手したので、ここに紹介しよう。
メモはまず、官房長官会見でのこんなやりとりが書かれている。
(会見)
Q イスラム国の事件を受けて、今月初めごろにフリージャーナリストや作家がマスコミの間で政権批判を自粛するような雰囲気が広がっていると指摘するような声明が出た。
マスコミも政権批判をすれば取材がしにくくなるという懸念があって、これをもって政府から暗黙の圧力という指摘もあるが
A まず、政府としては、もとより憲法が保障する報道、表現の自由は最大限尊重されると考えている。そして我が国においてもあらゆる政策についても、国会や言論界で自由闊達な意見の表明が行われているではないでしょうか。
つい先日、この運動をやっているかたが、テレビに出て発言をしていましたけれども、ISILへの対応について、政府を批判してましたけれども、あたかも政府が人命に本当に危険迫るようなことをしたと、あたかも見てきたような、全く事実と異なることを、テレビ局で堂々と延々と発言していました。そういうことを見ても日本はまさに自由がしっかりと保障されているのではないでしょうか。はき違えというのもあるかだろうと思います。
公式会見でも十分、マスコミ報道を皮肉るものだが、その後に、オフレコ制限がついた部分のメモがこう続いている。
(オフレコ)
Q 会見で出た、ISILの件でまったく事実と違うことを延々としゃべっていたコメンテーターというのはTBSなんでしょうか。
A いやいや、いや、違う。
Q テレビ朝日ですか?
A どことは言わないけど
Q 古賀茂明さんですか?
A いや、誰とは言わないけどね。(※肯定の反応)ひどかったよね、本人はあたかもその地に行ったかのようなことを言って、事実と全然違うことを延々としゃべってる。放送法から見て大丈夫なのかと思った。放送法がある以上、事実に反する放送をしちゃいけない。本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど。
どうだろう。これは古賀氏が『報ステ』発言の動機として説明したことと完全に合致する。古賀氏は『IWJチャンネル』でこう語っていた。
「官房長官は名前は出さないけど明らかに私を攻撃してくる。『俺だったら放送法違反だと言ってやったのに』と言ってるという話も聞いている。官房長官という政府の要人が、放送免許取り消しもあるよという脅しですよ」
ようするに、嘘をついていたのは古賀氏でなく、菅官房長のほうなのだ。明らかに、「放送法違反」という言葉で古賀氏と『報道ステーション』を攻撃しなから、平気で「事実無根」などと強弁する。捏造と謀略による報道弾圧を繰り返してきた安倍政権の官房長官ならではの手法といえるだろう。
しかし、信じられないのが、マスコミの対応だ。彼らはこのオフレコ懇談の席に同席し、誰よりも菅官房長官が嘘をついていることを知りながら、なんの追及もせずに、「事実無根」発言を垂れ流していたのである。
もっとひどいのが、当事者である『報道ステーション』だ。菅官房長官の会見やその後のオフレコ懇談には、当然、テレビ朝日の担当記者も出席しており、同様のメモが報道局全体で共有されていた。
ところが、昨晩の『報道ステーション』では、そういう報道は一切なかった。菅の圧力を否定する会見をコメントなしで流し、古舘伊知郎が「古賀さんがニュースと関係のない部分でコメントをしたことに関しては、残念だと思っております。テレビ朝日と致しましてはそういった事態を防げなかった、この一点におきましても、テレビをご覧の皆様方に重ねておわびをしなければいけないと考えております」と謝罪したのだ。
しかも、30日の会見VTRからは、わざわざ菅がテレビ朝日に圧力をかけた傍証となる「放送法という法律があるので、まずテレビ局がどう対応されるかを見守りたい」をカットしていた。
チーフプロデューサーの更迭で4月から番組そのものが大きく変わるといわれている『報道ステーション』。改編を前にすでに報道を捨てたということなのだろうか。
(山水 勲)
古賀『報ステ』発言の動機は菅長官!
続報! 古賀茂明『報ステ』爆弾発言は菅官房長官の圧力が動機だった! 古賀批判は的外れ
内閣官房長官・衆議院議員 菅義偉ホームページより
27日の『報道ステーション』(テレビ朝日系)での古賀茂明氏の発言が大きな反響を呼んでいる。本サイトでも2ヵ月前に報道していた「官邸からの圧力による『報ステ』女性チーフプロデューサーの更迭と古賀降板」を裏付ける内容に、ツイッターで「報ステはだらしない」「古賀さん、よく言った!」「やっぱり官邸の圧力なのか」などの書き込みが殺到している。
しかし、不可解なのが、その一方で古賀批判が盛り上がりを見せていることだ。その代表的なものが「官邸の圧力というのは古賀氏の被害妄想」という意見だろう。たとえば、池田信夫氏などはブログで「(テレビ局に対し)政治家が出演者をおろせなどということは絶対ない(あったら大事件になる)。」「彼は政治とメディアの関係を誤解しているようだが、報ステのような番組に政治家から圧力がかかることはありえない。」等と言っているが、政府がメディアに公式で出演者降板を申し入れたりしないのは当然。問題は、上層部や番記者、報道への抗議を利用した揺さぶり、さまざまなチャンネルを使った裏の圧力なのだ。池田氏らはこの間、安倍官邸が裏でマスコミに何を仕掛けてきたか、本当に知らないのだろうか。
『報ステ』の古賀氏発言についても、菅官房長官は番記者を集めたオフレコ懇談ではっきりと「放送法違反」「免許取り消し」などをちらつかせて、プレッシャーをかけている。テレビ朝日上層部に対しては、番組審議会委員長の見城徹幻冬舎社長を使った揺さぶりもあった。
まあ、池田氏の場合は政治スタンスからしてなんとしても現政権の圧力を否定したいだろうから当然としても、驚いたのは比較的リベラルだと思われたジャーナリストたちも古賀批判を口にしていることだ。
ツイッターを見ると、『とくダネ!』や『Mr.サンデー』(ともにフジテレビ系)にレギュラー出演している『ニューズウイーク日本版』元編集長の竹田圭吾氏は「古賀茂明という人はテレビで発言する機会を与えられていることの責任と義務をまったく理解していない」とつぶやき、ジャーナリストの江川紹子氏も「公共の電波で自分の見解を伝えるという貴重な機会を、個人的な恨みの吐露に使っている」などと書き込んでいる。
いったいこの人たちは何を言っているんだろう。古賀氏が言ったのは、「テレビ朝日の早河会長と、古舘プロジェクトの佐藤会長のご意向で今日が最後ということで。これまで本当に多くの方に激励していただいた。一方で菅官房長官をはじめとして官邸のみなさんからものすごいバッシングを受けてきました」という言葉だけだ。
その後のやりとりは、キャスターの古舘氏から「ちょっと待ってください。今の話は私としては承服できません」「古賀さんがテレビ側から降ろされるというのは違うと思うんです」などと反論されたために、「ただ、古舘さんも言いましたよね、私がこうなったことに対して『僕は何もできなかった。本当に申しわけない』と」と応戦したにすぎない。
古賀氏が言いたかったのは“降板”についての恨みつらみではない。発言のポイントは「官邸のバッシングで」という部分にある。それがより鮮明になるのが後半戦だ。安保法制を始めとする国会論戦についての感想を求められ、「国民的議論がないまま、アメリカの言いなりで先へ先へ行こうとしているのは、とんでもないことではないか」ときわめてまっとうな意見を述べた。そして、いま安倍政権が進めているのは(1)原発大国、(2)武器輸出大国、(3)ギャンブル大国――への道だと指摘し、自分でつくってきたという「I am not ABE」のフリップを掲げ、「これは単なる安倍批判じゃないんです。日本人としてどう生きるかを考える材料にして欲しい」「官邸からまたいろいろ批判があるでしょうが、菅さんも、陰でコソコソ言わないで直接、言ってきてください」とかましたのだ。
ところが、ここでまた古舘氏が墓穴を掘る。「古賀さんのお考えは理解できますが、一方ではっきり申し上げておきたいのは…」と切り出し、過去に報ステが取り組んできた、原発再稼働への不安や核のゴミの問題、沖縄の辺野古の基地建設など、批判すべきところはしっかりやってきたと返した。すると古賀氏は、「そういう立派な特集をつくってきたプロデューサーが、(官邸の圧力で)更迭されるのも事実ですよね」と。古舘氏は「更迭じゃないと思いますよ。人事のことはわかりませんが」と応じるのが精一杯だった。
古賀氏が一貫して言いたかったのは、圧力があっても言うべきことは言い続けなければならないということだった。最後はマハトマ・ガンジーの言葉を紹介し、人が自粛して言いたいことを言わないようになると、知らず知らずのうちに自分が変わってしまう。そして、本当に大きな問題が起きているのに気づかなくなってしまう。そうならないためには、圧力があっても言うべきことは言い続ける。「これを古舘さんにも贈りたいんです」と締めくくった。
これを「私物化」だの「責任を理解してない」などと言うのは、それこそ、普段、番組に媚びて電波芸者を演じている自分たちを正当化したいだけだろう。
また、一部ネットには「プロレスと同じでシナリオのあるやらせでは」などと書かれているが、これもありえない。すべてガチンコ、事前打ち合わせなしの“ゲリラ発言”だったのだ。
実際、テレビ朝日内部は蜂の巣をつついたような状態となっていた。番組終了後、古賀氏の携帯に親しい知人が何人も電話を入れたが、呼び出し音が鳴るだけだった。実はこのとき、古賀氏はテレ朝報道局の幹部から約40分、吊るし上げをくらっていたというのである。テレ朝関係者はこう明かす。
「局幹部はみんな顔面蒼白でしたよ。番組終了後、4月人事で交代するプロデューサーやスタッフ、コメンテーターの恵村順一郎さんらを囲んだ送別会があったんですが、重要な関係者が顔を見せない。もちろん古賀さんも来ない。別室に呼ばれて“事情聴取”を受けていたんです」
古賀氏はそこで「ニュースと関係ないことを話しては困る」「なんで事前に言ってくれなかったのか」などとなじられたという。だが、ここには古賀氏の深謀遠慮があった。というのも、前回「I am not ABE」とやったときは事前にスタッフにも相談し、フリップもつくってもらっていた。ところがオンエア後、首相官邸から抗議を受けたことで現場スタッフは上層部から「何で止めなかったんだ」と責められた。そこで今回は誰にも言わず、自前のフリップを用意して本番に臨んだ。これで、末端の責任が問われることはなくなった。
古賀氏がここまでやらなければならなかったのには訳があった。親しい知人はこう打ち明ける。
「古賀さんのターゲットはズバリ菅官房長官です。番組中も何度も何度も繰り返し、菅さんの名前を口にしていたでしょ。菅さんは本気で古賀さんを潰そうと、裏で相当なことをやっていた。古賀さんだけではありません。安倍政権に批判的なコメンテーターを個人攻撃したり、逆に懐柔したりが目に余るようになってきた。一方、古賀さんの話によれば、テレ朝に対しても『(古賀氏の発言は)放送法違反に当たるかもしれない』と、免許取り消しをほのめかしながらプレッシャーをかけてきたと言うんです。これはもう看過できない。古賀さんはこう言っていました。『テレ朝には申し訳ないけど、ここで私が沈黙したら言論が権力に屈することになる。古舘さんら番組関係者は相談もなくいきなり言い出したので、私に裏切られたと思っているかもしれないが、時間が経てば理解してくれるはず』と。あれはいわば宣戦布告。戦いはこれからですよ」
いずれにしても、スタッフの入れ代わった4月からの新生『報道ステーション』がどうなるのか、ぜひチェックをしていきたい。
(野尻民夫)
『報道ステーション』で何が起きているのか。リテラが半年以上前から検証してきた記事、そして、今回の古賀氏の爆弾発言を取り上げた第一報はこちら。
●朝日新聞の次は『報道ステーション』がやられる!? 古舘降板、番組終了も
●官邸の圧力!?『報道ステーション』で安倍批判をした古賀茂明が番組を降ろされた!
●『報道ステーション』で古賀茂明が「官邸の圧力で降板」の内情暴露! 古舘が大慌て
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ご本人が負うことになる不利益は計り知れないわけで、当然そのことは理解した上での行動なわけですから、本人は当然と思っているかもしれませんが、その覚悟は相当なものでしょう。スタンドプレーというまとめ方は少し次元が低いようにも思います。
それから、大事な報ステのなかで番組を潰しかねない言動を取られたということについても、そもそも古賀氏発言とは関係なく、プロデューサーの交代など、既に上層部からは報ステの外堀はおろか内堀まで埋められつつあった、という状況のなかでは報ステは近いうちに陥落していた、というのが正しい予想でしょう。そうすると、古賀氏の件で報ステが死に体であることや、テレ朝幹部の姿勢のことまで白日のもとに晒した、というのは大きな意義があったといえます。テレ朝や政権にとってのベストな転向方法というのは視聴者からバレずにこっそり移行することでしょうから、古賀氏の行動で却っておかしな動きを取りづらくなる、ということになるかもしれません(古賀氏はそれを狙っていたと思いますけどね)。そう考えるなら、古賀氏の行動が意味をもつのは唯一マトモだけど今にも陥落寸前の報ステだけだった、ということなのでしょう。
弾圧と戦ったオームと同じだね
もはや
放送が終わった途端に普段は政治の話より音楽や芸術の話が多い友人達から「凄かった・・・」とコメントが。
世間に与えたインパクトは相当なものだったようです。
さて、30日月曜日、菅氏の「事実無根」発言映像の後で、古館氏は「ニュースと関係無いコメント」と「事態を防げなかったこと」にはお詫びをして終了。菅氏のコメントに関しては無視。私はこれを「菅発言への否定」と取りました。事実無根ならそう同調する筈ですから。
さて、IAILの機関紙の最新号で「イスラム国はチュニジアの博物館襲撃事件を実行したと言及した上で、「十字軍に加わる多くの国々に苦痛を与えることに成功した」と書いているそうです。勿論日本の名前も出ています。
「I am not ABE 」は古賀氏の半端無い危機感がテレ朝との間に温度差を起こしてスタンドプレーという事態を引き起こしたのでしょうが、これはこれで良かったのではないでしょうか。熱いお湯を掛けられないとカエルは死ぬことに気付かないままですから。
でも、確かに盲信は危険。私もすぐファンにはなりますが、広く浅くで盲信はしないタイプです。橋下氏の件もそうですが、古賀さんがTPP容認なのも気になるので、全面的に支持と言う訳ではないのですよね。
という、その意味が分からない人にはずーっと分からないでしょうね。
過ぎたるは及ばざるがごとしと言います。
少なくとも注視するくらいの気持ちがあっても罰は当たりません。
あと、言葉は悪いですが、味噌もクソも一緒という悪しき風習が未だに蔓延るから問題も多くなるようです。
http://s.ameblo.jp/amebloacchan/entry-12009129636.html
確かに盲信は危険ですが、時の権力者に対してキチンと物言え影響力のある人を私たち一般人が支えなければメディアによる支配は進むばかりかと思います。
信用出来ん。