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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

橋下市長は不滅です。たとえ法的知識が乏しくても。人権感覚がマヒしていても。

2013年05月02日 | 橋下維新の会とハシズム

(伊丹・宝塚市長選での日本維新の会の惨敗を受け、取材に応じる橋下徹共同代表=大阪市中央区で 2013年4月15日)



  私が休筆している間に、大阪市の橋下徹市長が、自らの出自を取り上げた週刊朝日の連載「ハシシタ・奴の本性」について、刑事・民事の両面で訴訟を起こす意向を明らかにしました。2013年4月6日には、訴える対象は週刊朝日を発行している朝日新聞出版だけではなく、親会社の朝日新聞社も含まれることも明らかにしています。

 私は橋下市長の天敵として知られ?、週刊朝日のこの記事については以下のような記事を書いたら、このブログとBLOGOSであわせて20万人以上のアクセスを得ました。憲法の人権制約に関する合憲性判定基準を当てはめたら、ごく普通の結論だったのですが。

 橋下氏は人権侵害されたとおっしゃるのですが、彼のどんな人権が侵害された可能性があるのでしょうか。考えられるのはプライバシー権や名誉権です。

 しかし、彼が被差別地域の生れであるとか、お父さんたちがどういう人だったかと言うことは、2011年の大阪ダブル選挙直前から様々なメディアで取り上げられ、もはや周知の事実ですから、プライバシー性=秘匿性はかなり低いでしょう。

 また、そのこと自体を書かれても、今更、彼の名誉=社会的評価を下げるというものでもありません。 橋下氏自身、お父さんたちのことは何十万人もいるフォロワーに向けて何度もツイートしています・・・・(以下略)

佐野眞一氏と週刊朝日の「ハシシタ 奴の本性」は橋下徹大阪市長の人権を侵害していない

 


 そういう経緯もあったので、まだ人気取りに利用するのか、と呆れるとともに興味津々で見守っていました。

 この橋下市長の行動のきっかけは「橋下さんではもう視聴率取れない」橋下市長は飽きられた?〈週刊朝日〉 という記事なのですが、その中の

「もう橋下さんでは視聴率がとれない。議員団とのドタバタ劇に大阪人は興味を示さない。先日、大阪市が全職員に行った組合活動のアンケート問題を取り上げたけど、視聴者の反応はニブかった。大阪でも物事をうまく動かせなくなっている」(在阪テレビ関係者)

という部分がお気に召さなかったそうです。

 重大な人権侵害をし、謝罪したにも関わらず、未だに人をバカにしたような記事を書いている、「性根が腐っている」「2度目の面会なんかあるか、バカ」などと書き連ね、「こういうはちゃめちゃな朝日新聞グループに対してはきっちりと慰謝料請求することに決めた」としていますが、誰が見ても落ち目のケンカ屋が、もう火が消えた焼けボックリ(自棄ぼっくり?)に火をつけようとしているようにしか見えません。

 だいたい、週刊朝日の全面謝罪で和解が済んだのですから、私が週刊朝日側の代理人弁護士なら、そもそも人権侵害に基づく損害賠償義務はないという主位的主張の予備的主張として、仮に人権侵害があり、橋下氏に損害賠償請求権が発生していたとしても裁判外の和解成立で権利は放棄された、と必ず主張するでしょう。

 また、橋下市長も週刊朝日のことを事実誤認をもとに鬼畜と言いましたから相殺も主張するなあ。

週刊朝日のことを間違えて「鬼畜」と言っちゃった橋下市長の謝り方

 

橋下市長は、ツイートで「法人格否認の法理」で朝日新聞の本体を訴えると主張している
橋下市長の4月7日のツイートでは、親会社を訴える理由を、
「週刊朝日と朝日新聞は資本関係・人的関係で一体的。朝日新聞社の週刊誌部門を切り出し法人格をまとっただけ。週刊誌が無茶な記事を書いても自分たちに火の粉が降りかからないようにするため。まさに今回のような事態でも朝日新聞が逃げられるようにしたせこい手法。法人格否認の法理を使います」とツイート


 

 そのうえ、橋下市長は週刊朝日の背後にいる朝日新聞まで被告にすると宣言し、その法的理屈として、上のツイートのように法人格否認の法理を持ち出しました。

 この法理は、たとえば、本当に悪いY会社をⅩさんが訴えたいのに、形式上、Ⅹさんの相手方がZ会社に見えるときに、Z会社には活動の実態がない(形骸化)とか、Y会社はZ会社が別会社であることをいいことに利用している(濫用)、ことを理由に、Z会社がY会社と別会社であることを認めず、ⅩさんからY会社への請求を直接認める理屈です。

 しかし、週刊朝日(Z)が活動の実態がないとか、朝日新聞(Y)が橋下市長(Ⅹ)を誹謗中傷するために週刊朝日を利用したとか言えるわけがありません。

 法人格否認の法理という言葉は弁護士だから知っていたのでしょうが、弁護士の血が騒ぐとまでツイートした橋下弁護士が、法律の知識がまるでなくなってしまっていることに改めて気づかされました。だから違憲・違法なことを平気で出来るという面もありますな、これは。法的センスのなさが酷すぎます。

 あまりに恥ずかしい主張なので、朝日新聞はこれくらいにしといたると言い訳して、被告にしない公算が強いです。


 さて、4月26日付け毎日新聞は特集ワイド:続報真相 橋下氏「イライラ」のわけと言う記事の中で、

在阪のテレビ関係者が明かす。「橋下さん の出演で視聴率は稼げた。しかし、体罰による自殺が起きた桜宮高校の入試中止を決定したころから『けんか手法』には距離を置こうという雰囲気が出てきた。 大阪都構想や市政のニュースは報道しますが、必要以上に彼の言動を追い掛けるのはどうかと。橋下さんは敏感な人ですから、風向きの変化を感じているはずで す」

と報じています。これが本当なら「テレビの魔術師」橋下市長にとってはかなり痛手でしょう。毎日新聞も訴えられるかもしれません(笑)。

 ウォッチャーのわたくしに言わせれば、橋下市長の人気の秘密は選挙でも討論でも連戦連勝の強さにありました。人々は橋下氏が敵を作ってはなぎ倒す姿に心の薄暗い部分を刺激されて喝采を送りました。それが安倍首相にいいところを持っていかれ、ケンカの強さの見せ場がなくなったのが人気凋落の原因です。

 しかし、ここ数年、橋下市長をウォッチングしてきたわたくしとしては、橋下市長はこのまま終わるような政治家ではないと思います。ポテンシャルは今人気の安倍首相の何倍もあります。安倍首相は岸信介の孫でなく、自民党でなければ何もできない、議員にもなれていないような人ですから。田中角栄氏同様裸一貫でのし上がった橋下氏は、ある意味真正の「政治の天才」です。格が違います。

 人々の心に悪のフォース=憎しみの心がある限り、人間心理の暗黒面を操る橋下市長は不滅です。これほど人の負の感情を駆り立てる人はいません。吸血鬼が燃え尽きた灰からでもまた復活するように必ずや蘇り、違憲・違法の蛮行を繰り返すと予言しておきたいと思います。

怨念の政治家 橋下徹大阪市長と安倍晋三元首相が日本を不幸にする

落ち目で文楽補助金凍結も解除 支持率低下に悩む橋下市長に、起死回生のウルトラQを指南する

 


橋下は死なず。ただ消え去るのみ。と言えればどんなに心は平穏か。

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「石原、早く死にゃあいいと思っているかもしれないが、そうはいかないぞ」
「誰が引退するって言ってるの? 週刊誌を呼んでこい、張り倒してやるから」

 日本維新の会の石原慎太郎共同代表(80)の復帰会見が3月30日、都内で行われた。冒頭で「軽い脳梗塞で入院したが、後遺症はない」と打ち明けてからは「石原節」が全開した。

 司会者が「質問は党大会についてのみ」と報道陣にくぎを刺しても自らしゃべり続け、「入院中に短編小説を二つほど書いた。なかなかよくできている」と新作の売り込みまで行った。

 同党は同じ日、大阪で初めての党大会を開催した。テレビ中継で参加した石原氏が憲法問題などをまくしたてると、共同代表の橋下徹大阪市長(43)は押されっぱなし。「参院選の象徴になるのは、あなたの去就ですぞ」と際どいことを言われても橋下氏は笑うしかなかった。

 その橋下氏をとり巻く環境が地元・大阪で変わりつつあるという。先の衆院選の大阪小選挙区では出馬した14人中12人が当選(2人も比例復活)した「橋下王国」だが……。

「もう橋下さんでは視聴率がとれない。議員団とのドタバタ劇に大阪人は興味を示さない。先日、大阪市が全職員に行った組合活動のアンケート問題を取り上げたけど、視聴者の反応はニブかった。大阪でも物事をうまく動かせなくなっている」(在阪テレビ関係者)

 一方で、橋下氏の露出が増えているのが、“古巣”のバラエティー番組だ。3月10日には「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)に約5年ぶりに登場し、23日には「たかじんNOマネーGOLD」(テレビ大阪)に出演した。

「焦ると政治家はネット番組ややわらかい番組に出たがるものです」(議員秘書)

※週刊朝日 2013年4月12日号

 

毎日新聞 2013年04月26日 東京夕刊

伊丹・宝塚市長選での日本維新の会の惨敗を受け、取材に応じる橋下徹共同代表=大阪市中央区で4月15日、川平愛撮影
伊丹・宝塚市長選での日本維新の会の惨敗を受け、取材に応じる橋下徹共同代表=大阪市中央区で4月15日、川平愛撮影

 ◇蒸し返す朝日新聞との因縁/狂った国政進出シナリオ/石原氏だけが頼り?

 ◇宝塚、伊丹両市長選で惨敗/揺らぐ「大阪都構想」/「けんか手法」の限界…

 最近、日本維新の会を率いる橋下徹共同代表(大阪市長)がイライラしているようだ。昨年12月の衆院選 前は雑誌に「首相候補者」「閉塞(へいそく)社会を打ち破る救世主」という見出しが躍ったが、最近は「賞味期限切れ」といったトーンも。橋下さんは焦って いるのか。【瀬尾忠義】

 「今ごろなんで?」と多くの人が思ったはずだ。今月初め、橋下さんは朝日新聞社を訴えると言い出した。実は、石原慎太郎共同代表の“暴走”が関係しているという。

 橋下さんのツイッターでの発信力はすさまじい。「つぶやき」の読者、フォロワーは102万人を超え、日 本の政治家ではナンバーワンだ。過激発言は度々で、6日には「週刊朝日」が昨年10月26日号に掲載した橋下さんの出自に関する記事について「民事、刑事 の法的手続きを取る」とつぶやいた。

 この問題は、朝日新聞社側が全面的に謝罪し、朝日新聞出版の社長が引責辞任して「ノーサイド」(橋下さん)になったはずだ。だが、再び怒らせたのが週刊朝日(2日発売)の橋下市長出演のテレビ番組の視聴率が低迷しているとする記事だった。

 「イライラがついに爆発したのでしょうね」と口火を切るのは「橋下徹 改革者か壊し屋か」などの著書が あるジャーナリストの吉富有治さんだ。「今回の記事の内容は当たり障りがないのに、解決した問題を蒸し返すのは因縁を付けていると言われても仕方がない。 実は怒りの原因は、別の朝日新聞の報道だと見ています」

 吉富さんが指摘するのは朝日新聞が5日に掲載した石原共同代表のインタビュー。「日本は強力な軍事国家 になるべきだ」という内容だ。「橋下さんは石原発言の火消しに躍起になるあまり、『インタビューした朝日新聞が悪い』と逆ギレしたのでしょう。問題をすり 替えるのが彼の手法ですから、週刊朝日の問題を持ち出して提訴と言い出したのでしょう」と解説する。

 石原さんは橋下さんが「御大」と呼ぶ政治家。だが、石原さん率いる旧太陽の党との合併が、今や悩みの種になっているらしい。

 「橋下さんは合流後に脱原発路線を捨て、石原さんはタカ派的な発言を繰り返して自民の別動隊になってし まった。これが維新の支持率を下げた」(吉富さん)。確かに毎日新聞が4月20、21日に行った世論調査では維新の政党支持率は7%で前回の3月調査より も2ポイント低下した。39%の自民との差は大きい。

ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「自公の圧勝で国政進出のシナリオが狂ったことがイライラの種。橋下さんが頼っているのは実は石原さんだけ。旧太陽 の議員らベテラン議員はプライドがあるから橋下さんの指示通りには動かない。そのあつれきが日銀総裁人事案をめぐって民間登用を主張する橋下氏と政府案を 支持する国会議員団のゴタゴタとなって表れた」と指摘する。実際、旧太陽のベテラン議員はこう打ち明ける。「橋下さんは俺たちのようなジジイが嫌いなんだ ろう。だけど国会運営の機微を知り、他党と渡り合っているのは橋下さんではなく、経験を積んだ俺たちなんだよ」。高齢の石原さんの議員引退説がささやかれ る中、ある与党議員は「石原さんという重しがなくなった維新は分裂するかもしれない。国会に足場がない橋下さんは党運営を考えると頭が痛いはずだ」と話 す。

 衆院選で54人を当選させた選挙の強さは影を潜めた。兵庫県宝塚、伊丹両市長選で公認候補を立て、公務 員批判と役所改革を訴えたが惨敗。維新の馬場伸幸衆院議員は敗因を「国政選挙は政党で選ぶ傾向が強いので橋下パワーがさく裂する。でも市長選は地元密着の 課題が争点で、維新パワーが及ばなかった」と分析する。

 風の変化を感じているのが橋下さんを取材してきた毎日放送記者の森崎俊雄さんだ。「府知事選、市長選で の橋下さんの街頭演説は人が群がり身動きできなかった。それが衆院選の時は橋下さんが演説しても立ち止まらない人が少なくなかったし、人が通れるスペース があった。有権者の過度な熱気も冷めていた」。橋下さんは「賞味期限切れ」なのか。23日、大阪府庁に登庁した松井一郎幹事長(府知事)に尋ねると「橋下 パワーが落ちてきたことはない。ただ有権者から日々注目されてちょっと慣れられてしまったかなというところはありますかね」と答えた。

 お膝元の大阪市政はどうか。

 「自ら『二重行政の象徴』とした府市の水道事業統合は絶望的です」と吉富さんは指摘する。橋下さんは 08年に知事就任以降、当時の平松邦夫大阪市長と統合に向けた交渉を開始した。しかし、府内の市町村長らが反発し決裂。橋下さんは大阪市の責任と主張し、 「大阪都構想」を公約に市長選に立候補、当選した。

現在、大阪市を除く42市町村で作る大阪広域水道企業団と大阪市水道局を統合する案には、大 阪市議会が反対している。公明党の辻義隆市議は「大阪市の水道料金は府内で3番目に安い。統合されれば価格が平準化され、大阪市の水道料金が値上げされる 可能性がある。市民に負担を強いるような案はのめませんよ」と反対理由を説明する。同案は5月の市議会で審議されるが、大阪維新の会も慎重姿勢で、否決が 濃厚だ。

 この状況を平松前市長はどう見ているのか。「橋下さんは大向こう受けすることは先頭に立ってやります が、地道に説得して意見をすり合わせることは得意としていない。力で乗り越えればいいという考えの人ですから。行政トップは、何もかも号令したままに動か せる権力者であるという思いが強すぎるのでは」

 橋下さんの胸中をある維新議員がそんたくした。「市政は水道統合問題や待機児童の解消など地元の問題の対処に追われている。橋下さんがやりたいのは統治機構改革。市政がうまく回らず、市長に飽き始めているのではないか」

 「大阪都構想」のシナリオも危うい。橋下さんが腹心として堺市に送り込んだ竹山修身(おさみ)市長は「大阪都構想の阻止」を掲げて再選を目指すと宣言。維新側は「飼い犬に手をかまれた」と反発、今秋の市長選には対立候補を擁立する構えだ。

 立命館大法学部の村上弘教授は「大阪都という名称は魅力的ですが、構想が実現しても名は府のまま。また 大阪、堺両市が持つ国との直接交渉権、政策権限や重要な財源を府が吸収し、基礎的な権限などを特別区に渡す『大阪市・堺市廃止分割構想』です。政令市が消 滅すると政策のエンジンを失い、大阪は衰退してしまう。橋下さんは市長になり大阪市の有用性にお気づきのはず。構想から撤退してもいいはずですが、できな いんでしょう。政策実現よりも『統治機構を変える』と訴える作戦なら有権者に夢を与え、維新の賞味期限が続きますから」と言う。

 官僚や与党を「敵」とする「けんか手法」で支持を集めてきた。在阪のテレビ関係者が明かす。「橋下さん の出演で視聴率は稼げた。しかし、体罰による自殺が起きた桜宮高校の入試中止を決定したころから『けんか手法』には距離を置こうという雰囲気が出てきた。 大阪都構想や市政のニュースは報道しますが、必要以上に彼の言動を追い掛けるのはどうかと。橋下さんは敏感な人ですから、風向きの変化を感じているはずで す」

 維新の起死回生策とみられるのが橋下さんの参院選での立候補。これも道は険しい。馬場議員は個人的な見解として否定する。「橋下さんは維新で最強で 最後のカード。半数改選の参院選で、維新がいくら勝っても過半数は取れないのだから出るべきではない。それに橋下さんが国政に転じた後で都構想に反対する 大阪市長が誕生したら維新は終わる」。別の維新議員も「橋下さんの後釜で勝てる市長候補はいない」とこぼす。一方、ライバルの平松さんは「『もう一度、市 長をやってほしい。大阪の良さや文化を失っていくのを見ていくのはつらい』という声が増えているのは事実。そのような支持に支えられたら考えます」と再挑 戦を否定しない。

 24日の記者会見で橋下さんに「人気が落ち着いてきたのでは」と質問すると、言葉を遮るように「落ち着いたというか、なくなったんでしょう。現実的にそんなもんだったんでしょう」と語気を強めた。

 相変わらず強気の橋下節なのか、それとも本心からのいらだちなのか。

 

 

   橋下徹大阪市長が2013年4月6日からツイッターで激しい朝日新聞批判を再開し、「慰謝料を請求する」などと発言している問題について、ネットでは「政治家として他にやることがあるだろ」などという批判も出ている。

   橋下市長は13年4月2日発売の「週刊朝日」の記事「石原慎太郎代表の復帰と賞味期限切れで焦る橋下市長」の記事に触れ、「朝日新聞は自分たちがしたことに反省の色がない」とし、橋下市長の出自に関する週刊朝日の連載を再び批判した。

   重大な人権侵害をし、謝罪したにも関わらず、未だに人をバカにしたような記事を書いている、というのだ。

   「性根が腐っている」「2度目の面会なんかあるか、バカ」などと書き連ね、

「こういうはちゃめちゃな朝日新聞グループに対してはきっちりと慰謝料請求することに決めた」

などとした。

   これに対してネットの掲示板やツイッターでは、賛否両論が出ているが、

「見ていて不快です。あのさぁ、そんなことやっているヒマがあったら大阪市の現実に目を向けて」
「ひさしぶりに橋下徹の名前を見たと思ったら、朝日新聞との確執か。。寂しいかぎりだな」

などといった批判的な意見も少なくない。

 

橋下氏、朝日批判を再開「お前らは重大な過ちを俺にやったんだ!」

2013.04.07


週刊朝日連載問題の経緯【拡大】

 週刊朝日が日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の出自に関する連載記事を昨秋に掲載した問題をめぐり、同誌と発行元の親会社である朝日新聞社に対し、6日のツイッター上で法的措置を講じる意向を表明した橋下氏は7日、朝日新聞などに対する書き込みを再開。批判の矛先を同紙の論調にも向け、「日本国は謝り続けろ、アジア諸国に配慮しろ、傷つけた相手には配慮しろ、いつも言っているじゃないか。自分たちのことでも実践しろよ」などと改めて謝罪を要求した。

 橋下氏は7日のツイッターで「従軍慰安婦問題も、日韓基本条約で法的な賠償問題は解決済みであるにもかかわらず、韓国に配慮せよと朝日新聞は言い続けている」などとした上で、「しかし同胞である日本人には冷たいね」「お前らは重大な過ちを俺にやったんだ。そのことを忘れるな」とクギを刺した。

 また、企業経営に与える人権侵害行為の影響についても「普通の民間企業なら廃業だよ。週刊朝日は、自らの本業中の本業の行為で重大な人権侵害行為をやった」と批判した。

 週刊朝日は昨年10月16日、橋下氏の出自を取り上げる連載を掲載したが、橋下氏の反発を受けて連載打ち切りを決定し、おわびを掲載。河畠大四編集長(当時)が更迭され、発行元の朝日新聞出版の神徳英雄社長(同)が引責辞任した。同社幹部が市役所で橋下氏に直接謝罪した経緯がある。

 一方、今月2日の最新号では、橋下氏の報道番組での露出が減ったとする大阪府民のコメントを紹介した上で、バラエティー番組出演が増えている-などと指摘する記事を掲載。これを受け、橋下氏は6日のツイッターで法的措置をとる意向を表明した。

 

   大阪市の橋下徹市長が、一度は和解したはずの週刊朝日(朝日新聞出版)に怒りを爆発させている。前回、橋下市長の逆鱗に触れたのは、自らの出自に関する連載だったが、今回の怒りの矛先は、橋下市長のメディア露出のあり方について茶化した記事。

   この記事をきっかけに、「過去の人権侵害記事について、民事、刑事の法的手続きを執ります」と、一度は解決したはずの問題を蒸し返す決意を固めたようだ。

連載問題は社長の引責辞任で解決したはずだった

橋下市長は、ツイッターで「人権侵害週刊誌の週刊朝日に対して法的手続きを執ります」と宣言した
橋下市長は、ツイッターで「人権侵害週刊誌の週刊朝日に対して法的手続きを執ります」と宣言した
 

   橋下市長の出自をテーマにした連載「ハシシタ・奴の本性」をめぐっては、2012年11月に朝日新聞出版の神徳英雄社長が引責辞任。親会社にあたる朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」が経緯を検証、橋下市長に報告の上で謝罪し、この時点では橋下市長も謝罪を受け入れて矛を収めていた。

   だが、13年4月6日14時30分、橋下市長は突然ツイッターで怒りを爆発させた。橋下市長が矛先を向けているのは、週刊朝日の4月12日号に「石原慎太郎代表の復帰と賞味期限切れで焦る橋下市長」と題した記事。紙媒体は4月2日に発売されたが、4月6日になって一部がウェブに掲載され、橋下市長の目に触れたようだ。記事では、在阪テレビ関係者が

「もう橋下さんでは視聴率がとれない。議員団とのドタバタ劇に大阪人は興味を示さない」

と橋下市長の影響力低下を指摘。その上で、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)や「たかじんNOマネーGOLD」(テレビ大阪)といった古巣のバラエティー番組への出演が目立つことを踏まえながら、

「焦ると政治家はネット番組ややわらかい番組に出たがるものです」

という議員秘書のコメントを紹介して出演を揶揄した。

「真正面からの政策批判かルール違反行為の追及で攻めて来いよ」

   この点について、橋下市長は

「週刊朝日が僕に対して重大な人権侵害をやったのはつい半年前。そのことで公人チェックを緩める必要はないが、せめてそのような大失態をやったなら、真正面からの政策批判かルール違反行為の追及で攻めて来いよ。それを、こんな人をバカにしたような記事を載せやがって」
「俺が知事になって今があるのは、行列のおかげだし、たかじんさんのおかげでもある。たかじんさんが復帰したと言うことで番組に伺って何が悪い」

と怒りをぶちまけた。その上で、週刊朝日への対応方針を改めることを宣言した。

「報道の自由、表現の自由が民主主義の根幹だからと思って黙っていたが、こういう人権侵害週刊誌は、性根が腐っている。黙っていたら調子に乗るばかりだ。公人になってから報道の自由は絶対的に尊重していたが、こりゃダメだ。人権侵害週刊誌の週刊朝日に対して法的手続きを執ります」

   あわせて、法的措置の対象は、今回の記事ではなく過去の連載であることも明らかにしている。

「今回の茶化し記事についてではないです。過去の人権侵害記事について、民事、刑事の法的手続きを執ります。ほんと週刊朝日もバカだよねえ」

   大阪市の橋下徹市長が、自らの出自を取り上げた週刊朝日の連載「ハシシタ・奴の本性」について、刑事・民事の両面で訴訟を起こす意向を明らかにした。2013年4月6日には、訴える対象は週刊朝日を発行している朝日新聞出版だけではなく、親会社の朝日新聞社も含まれることも明らかにしている。

   「法人格否認の法理」がその根拠だと言うが、この概念は、債権回収や税金を徴収する際に登場するのが一般的で、今回のケースでは適用が難しいとの指摘もある。

分社化は「週刊誌が無茶な記事を書いても自分たちに火の粉が降りかからないようにするため」

橋下市長は、ツイートで「法人格否認の法理」で朝日新聞の本体を訴えると主張している
橋下市長は、ツイートで「法人格否認の法理」で朝日新聞の本体を訴えると主張している
 

   橋下市長の4月7日のツイートでは、親会社を訴える理由を、

「週刊朝日と朝日新聞は資本関係・人的関係で一体的。朝日新聞社の週刊誌部門を切り出し法人格をまとっただけ。週刊誌が無茶な記事を書いても自分たちに火の粉が降りかからないようにするため。まさに今回のような事態でも朝日新聞が逃げられるようにしたせこい手法。法人格否認の法理を使います」

と説明している。

   この「法人格否認の法理」は、取引先の会社に対して持っている債権が、取引先の会社に連絡がつかなくなったり、会社を倒産させて役員が持ち逃げして回収できなくなった際、親会社や役員個人の責任を追及する際に登場する考え方だ。これには、(1)法人が名ばかりで、実質的には特定個人などが会社を操っている「形骸化事例」(2)法律の適用を回避するために法人格が濫用される「濫用事例」の2パターンがあるとされる。

   例えば1990年10月の東京地裁の判決では、食品卸売のX社がA社に食品を卸していたが、A社が代金を支払わないため、「法人格否認の法理」でA社の実力者のY氏個人に対して支払い請求することが認められている。

   また、1996年に住宅金融専門会社(住専)の不良債権が問題化した際は、「法人格否認の法理」で母体行の責任を問うべきだとの声も相次いだことも知られている。

橋下市長の主張は構成要件を満たすのは難しそう

   企業法務や会社法が専門の遠藤英明弁護士は、(1)朝日新聞出版が法人として形骸化していない(2)親会社と子会社の経理や財産が分離されている(3)親会社が子会社に指示して記事を書かせたようには見えない、といった理由から、

「全くあり得ないという訳ではないが、印象としては難しいのではないか。法的議論とは別に、親会社を巻き添えにして話題作りをするねらいがあるのでは」

と、橋下市長の主張が「法人格否認の法理」の構成要件を満たすのは難しいとみている。

   「朝日新聞社の週刊誌部門を切り出し法人格をまとっただけ」としているが、これも無理がある主張だ。子会社の朝日新聞出版には書籍など週刊誌以外の部門が複数あるからだ。

   週刊朝日の編集権は、08年の分社化以前から、朝日新聞本紙から独立しているとされている。最近の事例では、兵庫県尼崎市の連続変死事件で殺人などの容疑で逮捕され、兵庫県警本部内の留置場内で自殺した角田美代子容疑者をめぐり、週刊朝日は12年10月に別人の写真を掲載したとして謝罪したが、朝日新聞本紙は裏付けが取れないとして掲載を見送っている。

   なお、遠藤弁護士は、

「(親会社が子会社の記事作成に)どれだけ関わっていたかによって、『法人格否認の法理』とは別に、不法行為について責任を問われることはあり得る」

とも話している。

   橋下市長は、連載「ハシシタ・奴の本性」が最初に問題化した12年10月にも、親会社の責任を追及する意向を表明していた。このときは、その理由を

「解決能力は、朝日新聞社グループにしかない。だからそこを相手にした」

と説明。

「こういう記事を出された者はどうやって、事を解決するのか?司法手続きもあるが、それでは時間的に連載はそのまま進む」

とも述べ、連載を打ち切らせるためには親会社を攻撃するのが効果的だとの見方を示していた。

 

 

橋下氏「朝日提訴」か “反省みられず”ツイッターで批判 出自報道で近日中にも

2013.04.08


7日、亀田興毅のボクシング世界戦を観戦する橋下氏。本人のファイトスタイルは連打型だ【拡大】

 日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が先週末、週刊朝日と発行元の親会社である朝日新聞社に対し、法的措置を取る意向を表明した。同誌が半年前に行った出自報道への反省が見られないという主張で、7日もツイッター上で、激しい朝日批判を展開した。

 「日本国は謝り続けろ、アジア諸国に配慮しろ、傷つけた相手には配慮しろ、いつも言っているじゃないか。自分たちのことでも実践しろよ」

 橋下氏はツイッターにこう書き込み、朝日側に謝罪を要求した。

 週刊朝日は昨年10月、橋下氏の出自を取り上げる連載を掲載したが、橋下氏の反発を受けて打ち切り、編集長は更迭、社長は引責辞任した。ところが、4月12日号では、橋下氏のバラエティー番組出演が増えている背景に影響力低下がある-との記事を掲載した。

 橋下氏は6日のツイッターで「週刊朝日は(自分を)ちゃかしている。重大な人権侵害をやったにもかかわらず、半年やそこらでもう忘れている」と激怒した。

 維新は最近、党内亀裂ばかり目立っていたが、「橋下vs朝日」の大戦争は注目を浴びそうだ。

 

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コメント (9)    この記事についてブログを書く
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9 コメント

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寂しいですね (kei)
2013-05-02 15:05:38
彼はやはり芸能人ですね。
首長として地道に実績を積み上げるよりも、一発かまして人気を先行させる手法を取るという。
これだけネットが普及した現代では、ヒットラー&小泉的手法も既に見抜かれたというのに、この手しか無いのでしょうか。
彼にも良いところは有るはず。折角首長になれたのだから、そこを生かして市民の為に小さなことからコツコツと始めてもらいたいものです。
返信する
相手を口汚く罵るのは橋下の得意技ですが、 (H.KAWAI)
2013-05-02 19:17:50
○「性根が腐っている」なんてのは橋下自身にも当てはまる属性なんですよね。
○揶揄するのは週刊誌の属性みたいなものだし、それで相手を訴えても勝てっこないから、例の「差別記事」を絡めたんでしょうが、アレはアレ、コレはコレ。で、アレはもう済んだ話。
○それにしても、よくもまあ、こんな○○の穴の小さな男を宰相の器だの、100年に一人の政治家だのと持ち上げる人がいるもんだと、只々呆れるばかりです。
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2chではないのですから・・・ (さとう)
2013-05-03 06:32:15
双方とも、もう少し丁寧に戦っていただけないでしょうか?
若い人に悪影響があると思います。
私も反省しなければならない点がたくさんありますが・・・
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誤解されてしまったかも・・・ (さとう)
2013-05-04 06:15:02
上のコメントを書かせていただいた、さとうです。
「2ch」と書いたのは、決して「keiさん」と「H.KAWAIさん」
のことではなく、
「橋下氏」と「マスコミ」のことです・・・
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Unknown (takayuki)
2013-05-05 23:46:36
司法試験受験数日前ですが…

>人々の心に悪のフォース=憎しみの心がある限り、人間心理の暗黒面を操る橋下市長は不滅です。これほど人の負の感情を駆り立てる人はいません。

仰るとおり、体罰教師に対して物言える政治家はいまのところ橋下市長しかいません。
先生の事務所は体罰教師問題に対し何か行動されているのでしょうか?
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さとうさんのコメが (H.KAWAI)
2013-05-06 05:00:09
○橋下vsマスコミの戦い(?)についてのものである事はよく分かっております。
○又、私のコメが品の無いものである事もよく分かっております。
○只、理路整然と正論を述べるより、ズバッと本質を突いた方がストンと落ちると思って、敢えてこのような表現をしました。
○でも、板を汚した感があるのは否めませんねm(_ _)m
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橋下氏には舌戦より論戦を期待 (時々拝見)
2013-05-06 09:30:22
するのは無理なのでしょうか?
正直、非関西人としては、まだ、また、やってたの?という感じです。なぜか、NHKのスタジオにも来ないし。
とは言うものの、裸一貫から総統になったドイツの政治家の例もありますから、ブログ御主人の言われるとおり、侮る無かれですね。田中角栄氏のように、新聞社で組合を作った元共産党員を番頭さんに据える度量はない分、大阪市民を巻き添えにして暴走する破滅するおそれも大と思います。

以前、橋下氏は体罰教師を支援していたと思いますが。
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takayukiさん (mimosa)
2013-05-06 16:58:41
 すいません,ちょっと仰ることがよくわからないので質問させて下さい。
>人々の心に憎しみの心がある限り,人間心理の暗黒面を操る橋下市長は不滅。
>人の負の感情をこれほど駆り立てる人はいません

に対して,なぜ
>>仰る通り,体罰教師に物を言える政治家は,いまのところ橋下市長しかいません
と返されているのですか?
・「仰る通り」は記事のどこの部分にかかっている(=どこを指している)のですか。また,
・彼は,体罰教師に対して具体的に何と言って(=モノを申して)いるのでしょうか?(しかも他の政治家は一切言わないようなことで??)

時々拝見さんも言われるように,そもそも彼は体罰を肯定していますよね。
桜宮高校の事件の時は,確かに(部活での)体罰指導を否定してみせていましたが,やはりご自分の「体罰肯定」の思想を根本的に変えることは出来ないようで,『体罰の定義にはルール作りが必要(=どういう体罰はよくて,どういうのがダメかのセン引きが必要)』と取れる発言をされていたように記憶しています。
 ということで,takayukiさんの言われる「体罰教師に対して,彼だけがモノを申している」というのが,よくわかりません。
もしかして「他の政治家は『体罰はダメ』とよう言わないのに,彼だけがダメと言っている」とtakayukiさんは思われているのですか?だとしたら,やっぱり私も,時々拝見さんと同じく,それは違うと思いますけどねえ…

 あと,ブログで意見を発信しておられる弁護士の先生方は少なくないと思います。
法律の専門家の視点から見て問題を提起したり,問題意識を喚起したりという影響を読者に与えることができるので,弁護士の先生の場合,それも充分,社会活動(行動)の一つになるのでは,と私は思っています。
 takayukiさんがどのようなことを意図して
>先生の事務所では,体罰教師問題に対し,何か行動をされていますか
とray先生に質問されているのかよくわかりませんが,ここの部分は読んでいて,なんだかどっかの誰かさんが「対案を出せ」とか「文句があるなら自分が市長になってやってみろ」と返されることを,思い出したものですから…ひとこと笑。私の解釈違いならごめんなさい。

弁護士試験,頑張って下さい。
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takayukiさんへ追伸 (mimosa)
2013-05-07 06:55:12
takayukiさん,すいません。
先の投稿ですが,takayukiさんの誤解を受けかもしれない文になっていたので,訂正します。
最後の2行ですが,
>ここの部分はどっかの誰かさんが~「自分が…やってみろ」と返されることを思い出したものですから…ひとこと。

追加訂正です。
*この後に『言わせて頂きました』を追加します。
←これがないと,最後のエールの『司法試験頑張って下さい』がこの「ひとこと」を意味するみたいな繋がりになり,意味が通らなくなるので,訂正します。エールは純粋なエールで,(嫌みとかの)他意はありません。
ray先生,すいませんが載せて下さい。お願いします。
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