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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

東日本大震災から13年。2万9千人の避難者中、福島原発事故で福島県から避難している人は9割の2万6千人。事故から40年後の処理も見通せず汚染水垂れ流しは今後30年。脱原発しか人類が生き残る方法はない。

2024年03月11日 | 原発ゼロ社会を目指して

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 今日、2024年3月11日は東日本大震災、そして福島第一原発事故から13年。

 今年の元旦に起きた能登半島地震の復興もまだ端緒についたばかりですが、東日本大震災により東北4県から全国に散らばった避難者は2万9328人(2月1日現在)。

 しかしそのうち福島県からの避難者は県外への避難者は2万279人、県内の他の自治体への避難者は5993人、というのですから、実はほとんどが福島原発事故による避難者なんです。

 どんな大災害でもいずれは復興することができます。

 しかし、福島県にはいまだに帰還困難区域があるように、原発事故とそれによる放射能汚染は特別な人災。

 その爪痕は長く人類と地球を蝕みます。

岸田首相が原発の運転期間60年超方針を「新たな技術的知見の存在を踏まえではなく、エネルギー需給の逼迫への対応」と開き直り。立民前代表枝野幸男氏がすかさず「安全より経済を優先している」と猛攻撃。

 

 

 さらに、福島原発から今後30年間、放射能汚染水が太平洋に垂れ流されます。

 やれ処理済みだから自然界にも存在するトリチウムしか含まれていないだとか、事故を起こしていない原発からも放出されているなどと喧伝されていますが、もちろんそれは嘘で、トリチウム以外の原発事故がなければ自然界に放出されるはずのない核種も多数含まれています。

 トリチウムを含めそれらの放射性物質が30年間海洋放出され続けることで、本当に自然や動物や人類に悪影響がないのかどうかなど、今確かめようはありません。

 我々は自分たちと子孫の体を使って壮大な人体実験をしているようなもの。

 どんな放射能安全厨でも、こんな「処理水」放出をやらないで済むならやらないほうがいいということに異議を申し立てる人はいないでしょう(放射能は身体にいい、という凄い非科学的陰謀論者もいるのですが、それは例外にさせてください)。

放出汚染水について東京電力自体が「処理水」に2021年3月末時点でセシウム134・137やストロンチウム90などトリチウム以外の62種類の核種が含まれていることを認めている。だから放射能汚染水なのだ

 

海洋放出されているのは処理水ではなく放射能汚染水。東電の発表で、タンクに貯められている「処理水」の7割弱でトリチウム以外の62の放射性核種の濃度が排出基準を上回り、最大で基準の2万倍近くに及んでいる

 

「処理水」=汚染水には、トリチウム以外の多種多様な放射性物質核分裂生成物(約200種)が含まれており、多くは計測すらされていない 。トリチウムも有機結合型トリチウムは生物濃縮を起こす可能性がある。

 

西村、お前ほんまにろくなこと言わんな、と何回言ってきたことか。

維新の足立やすし議員「処理水を汚染水と表現することは偽情報でフェイク」。西村康稔経産相「まったくその通り」。通常の原発排水にはない放射性物質が何十種類も入っている以上、放射能汚染水と呼ぶのが正しい。

 

 

 

 もう二つ考えないといけないことがあるのですが、福島原発事故の「収束」と「終息」は実は先行きが見えていないということです。

 福島原発事故では、1号機から3号機から核燃料が溶け落ちるメルトダウンを起こし、核燃料と周りの構造物が混ざり合って下に落ちてしまった「核燃料デブリ」はおよそ880トン!!!にのぼると推計されています。

 その1グラムたりともまだ回収できていませんし、いつ回収が始まるのかも見通しが立っていないのです。

 まして、880トンものデブリをいつ回収し終わるのかなど、気が遠くなるほど先の話で、少なくとも当初政府が計画を立てた40年などという年数ではとても終わらないことだけは確実です。

 そして、これは事故前から分かっていた、起こっていたことですが、原発は事故を起こさなくても稼働し続ける限り必ず放射性廃棄物を出し続けるということです。

 そのごく1部がトリチウムなわけですが、それ以外にも使用済み核燃料などなど様々な放射性物質を出し続けなければ発電できないのが原子力発電所です。

 つまり、「トイレのないマンション」と呼ばれる通り、原発を建設して稼働させ始めたその時から、我々人類は処分しようがないゴミを出し続ける地獄への一本道をあてどもなく走り続けているようなものなのです。

能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある志賀原発の使用済み核燃料プールから水があふれる。外部から電気を受ける系統が現在もほとんど使えず。たまたま運転停止中でなかったらどうなっていたのか。

 

 

 能登半島地震のような東日本大震災から比べれば小型とさえいえるような地震でも、津波は起き、志賀原発や柏崎刈羽原発が大丈夫かと肝を冷やした私たち。

 そして1975年に建設計画が持ち上がった珠洲原発をよくぞ阻止してくれた、2003年に計画凍結まで持ち込んでくれたと、地元と全国の反原発運動に感謝したものです。

 原発があるから、稼働しているからこそ、災害大国日本ではおちおち寝てもいられない状況です。

 原発再稼働どころか「革新」的な原子炉を開発するだの、新原発を建設するだの言いだしている岸田政権。

 それもまた原発利権のためなわけで、とにかく金のためならなんでもする自公政権をぶっつぶさないと、欲に目がくらんだ政治家たちに日本を滅ぼされてしまいます。

先制攻撃能力に続いて、岸田政権がまた国是を大転換。福島原発事故もまだ収束していないのに、新型原発を開発・新設・増設、運転期間を60年以上に延長して原発ゼロを永久に不可能に。岸田政権はもう廃絶だ!

 

【野党でもめてる場合じゃございません!】岸田政権が福島原発事故以来の原発政策を大転換、原発推進の方針を閣議決定。原発の新規建設、60年超運転も。軍拡と原発推進の岸田内閣を総辞職に追い込もう。

 

 

参考記事 村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより

「賢者は歴史に学び、愚者は失敗の経験に学ぶ。しかし、日本人は失敗の経験にすら学ばない。」

3月11日。原発事故を「想定」した人たちと、それを黙殺した人たちのことを思い出し、日本が真摯に失敗の歴史に学ぶべき日。

 

 

 

 

岸田文雄首相という人は、今の政治と金の問題の誤魔化す姿から、本当に悪質な政治家だと全国民に明らかになってよかったのですが、本当にたちが悪いのはウクライナ戦争に乗じての軍事費2倍増と先制攻撃能力の具備という軍拡。

そしてこれまたエネルギー危機を演出しての原発推進姿勢だと思います。

ある意味で安倍晋三首相をも超えそうな稀代の悪代官です。

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2万9000人が今なお避難 第1原発廃炉見通せず 東日本大震災13年

JR双葉駅前をほのかに照らすたくさんのキャンドルを見つめる親子=福島県双葉町で2024年3月10日午後6時39分、手塚耕一郎撮影

 戦後最悪の自然災害となった東日本大震災は11日、発生から13年を迎えた。関連死を含む死者・行方不明者は2万2222人。東京電力福島第1原発事故により今も福島県7市町村に帰還困難区域が約310平方キロ残る。避難者は2月1日現在、2万9328人いる。

 発生は2011年3月11日午後2時46分で、三陸沖を震源とする国内観測史上最大となるマグニチュード9・0を観測し、巨大津波が沿岸部を襲った。

 警察庁によると、3月1日現在、死者は1万5900人、行方不明者は2520人。復興庁の集計では、23年12月末現在、避難生活中に亡くなるなどした震災関連死は3802人。また、厚生労働省によると、震災に関連した自殺者は1月末現在で252人に上る。

 原発事故や津波による避難者は11年3月のピーク時、約47万人に上った。避難者は避難先で居住していても元の住まいに戻る意思のある人で、自治体により総務省の「全国避難者情報システム」に登録されている。福島県によると、県外への避難者は2万279人、県内の他の自治体への避難者は5993人という。

 第1原発にたまる処理水の海洋放出は23年8月24日に始まった。だが、溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」の取り出しはまだ行われず廃炉の行方は見通せない。

 帰還困難区域のうち「特定復興再生拠点区域」約27・5平方キロは23年11月までに避難指示が解除された。残る約310平方キロは、4町の計約14平方キロが「特定帰還居住区域」に認定され、4月以降に除染が本格化する。他自治体の追加分を含め29年までに解除される見通しだが、居住区域から外れる山林や農地、一部の民家などは解除のめどが立っていない。

 一時全域に避難指示が出た7町村の解除地域でも居住人口は約1万1600人と住民登録の2割にとどまる。居住再開が22年8月と最も遅れた双葉町は103人で1・9%にすぎない。町は30年の目標人口を約2000人と掲げている。

 10日夜、JR双葉駅前では、犠牲者の鎮魂や復興への祈りを込めて約1000本のキャンドルに明かりがともされた。元日に起きた能登半島地震の復興を願う「がんばろう能登石川」とのメッセージが書かれたキャンドルもあった。同県いわき市の高槻桜々(るる)さん(12)は双葉町に住む親戚らと訪れ、「双葉は良いところ。また人が増えてほしい」と願った。【安藤いく子、肥沼直寛、手塚耕一郎】

 

 

東日本大震災から13年となるのを前に、親族の墓前で手を合わせる人たち=10日午前、岩手県大槌町

宮城県石巻市の高台にある日和山公園から旧北上川河口付近を眺める家族ら=10日午後

請戸漁港から見える東京電力福島第1原発の排気筒=10日午後、福島県浪江町

被災3県の人口減対策推進 水産業、販路拡大を支援―土屋復興相

 東日本大震災ではマグニチュード9.0、最大震度7を記録した。警察庁によると、死者は1万5900人、行方不明者は2520人に上る。復興庁の発表では、震災後の傷病悪化などによる「災害関連死」は昨年12月末現在で3802人。

 11日は岩手、宮城、福島の3県で自治体主催の追悼式典が行われ、地震発生時刻の午後2時46分に関係者が黙とうする。岸田文雄首相は昨年に続き、福島県主催の式典に出席する予定だ。

 昨年6月には改正福島復興再生特別措置法が成立。福島県の帰還困難区域の一部で、除染などを行い住民の早期帰還を目指す「特定帰還居住区域」の新設が可能になった。これまでに大熊、双葉、浪江、富岡の4町が申請した計画が認定され、避難指示の解除に向けた取り組みが進む。

 昨年8月からは、福島第1原発の敷地内にたまった処理水の海洋放出が始まった。東電は放出完了までに30年程度かかるとしており、漁業への影響を心配する関係者は少なくない。

 

 

 

 能登半島地震の震源地近くに建設が計画されていた「珠洲(すず)原発」。建設予定地だった石川県珠洲市高屋町は、今回の地震で住宅の大半が壊れ、陸路も海路も閉ざされて孤立状態に陥った。もし原発が実現していたら、重大事故が起きて住民の避難がより困難になった可能性もあった。建設を阻止したのは、住民らの長年にわたる根強い反対運動だった。どのような思いで止めたのか。(岸本拓也)

◆あと1年続いてたら僕らがつぶれていた

 「どこで何があるか分からん。本当に珠洲原発を止めて良かった」
珠洲原発の反対運動のリーダー的な存在だった塚本真如さん=17日、石川県加賀市で

珠洲原発の反対運動のリーダー的な存在だった塚本真如さん=17日、石川県加賀市で

 今回の地震で被災した高屋地区にある円龍寺の住職・塚本真如さん(78)は今月中旬、同県加賀市にある2次避難先のホテルで「こちら特報部」の取材にほっとした様子で語った。
 珠洲原発計画の反対運動で中心的な存在だった塚本さん。1975年に持ち上がった計画は、住民の反対運動と、それを切り崩す電力会社側との28年に及ぶ「闘争」の末、2003年12月に凍結された。塚本さんは「あと1年粘られたら、つぶれとったのは僕らの方やった」とかつての日々を振り返る。

◆関電は飲食や視察旅行で懐柔を図る

 関西、中部、北陸の3電力は1976年に正式に原発計画を公表した。しかし、関電が建設計画を進めた高屋地区では当初、住民のほとんどが反対していたという。そこへ関電側が住民の懐柔に動いた。「タダで飲み食いさせたり、原発視察名目の接待旅行に何度も招いたり。芸能人を呼んだ住民向けのコンサートも開かれた。僕は一度も行かなかったけど、最後は住民が飽きて視察に参加しなくなるほどだった」
かつて珠洲原発反対派の拠点となった円龍寺も、地震で大きな被害を受けた=石川県珠洲市で(塚本さん提供)

かつて珠洲原発反対派の拠点となった円龍寺も、地震で大きな被害を受けた=石川県珠洲市で(塚本さん提供)

 関電から、地域の祭りで使う奉灯「キリコ」の収納庫や農作物の保冷庫などを建てるための多額の寄付もあった。原発予定地の土地を貸して、億単位の賃貸料を得た住民もいたという。「カネ」の力の前に、一人また一人と賛成に回り、地域は分断されていった。

◆「安全はウソ」 学ぶほど疑念は確信に

 計画が持ち上がった当初、塚本さんは原発に賛成でも反対でもなかった。しかし、「推進、反対の本を100冊は読んだ。学ぶほど、安全はウソで固められていると疑うようになった。放射能と人間は共存できんなと」。米スリーマイル島や旧ソ連チェルノブイリでの原発事故もあり、疑念は確信に。反対運動へ深く関与していった。
珠洲市役所で座り込みをした反対住民らの動きを報じる1989年5月23日付の北陸中日新聞記事

珠洲市役所で座り込みをした反対住民らの動きを報じる1989年5月23日付の北陸中日新聞記事

 転機となったのが、関電が高屋地区での原発建設に向けた現地調査に乗り出した89年5月。塚本さんを含めた住民たちは調査に入ろうとする関電の車列を阻止し、市役所で約40日間にわたる座り込み抗議を始めた。円龍寺は反対運動の拠点となった。
 「それまで表に出ないようにしていたが、このときは大声を上げた。行動しないと何もならんと。知らん間にリーダー的な存在に祭り上げられていた」と塚本さん。住民らは念仏を唱えて道路に座り込んだ。調査を中断に追い込んだ。

◆「絶対に推進派の個人攻撃だけはするな」

 この頃から原発を巡る対立は激しくなっていく。高屋地区では住民の賛否が分かれる中で、毎年秋の住民運動会が中止された。生活雑貨店を営み、原発に反対した井上伸造さん(76)は「『反対派の店で物を買うな』と、不買運動も起きた」と明かす。
 塚本さんへの圧力も強まった。自宅では連日、無言電話が鳴り、電話が盗聴されたとしか思えない内容が書かれた手紙などが届いた。嫌がらせは、計画が凍結されるまで10年以上続いた。推進派に包丁を突きつけられたこともあった。しかし、「絶対に推進派の個人攻撃だけはするな」と周囲に何度も言い続けた。

◆住民のわだかまりは「もう過去のこと」

 反対派で建設予定地の土地を共有化したり、関電株を買って計画撤回の株主提案をするなどして手を尽くした。原発に反対する政治家を増やそうと、県議選や市長選などにも関わった。「強い者の味方をしたら坊主じゃない」という父の教えが行動を後押しした。
珠洲原発反対派の会合で、「凍結」に涙を浮かべる女性たち=2003年12月5日、石川県珠洲市で

珠洲原発反対派の会合で、「凍結」に涙を浮かべる女性たち=2003年12月5日、石川県珠洲市で

 塚本さんらの反対もあり、3電力側は2003年12月ついに計画凍結を発表した。11年の東京電力福島第1原発事故の後には「珠洲に原発はなくて良かった」と、推進派だった住民が塚本さんに話しかけてきたことも。だが、今では原発が住民の話題に上ることもない。住民同士のわだかまりは「もう過去のこと」だという。
 今回の能登半島地震で珠洲原発の予定地だった高屋地区の海岸線は数メートル隆起した。もし原発があったら大打撃を受けた可能性もあった。前出の井上さんは「原発事故が起きたら、能登はなくなっとったかもしれんね」。塚本さんは淡々と語る。「言葉を尽くすより、あの様子を見て想像がつくでしょう。やっぱり日本に原発を造れるところなんてどこにもないね、と」
   ◇

◆事業者による活断層評価は「明らかに過小」

高屋地区につながる峠道は激しく損傷し、車の通行が困難になった=石川県珠洲市で(吉田華子さん提供)

高屋地区につながる峠道は激しく損傷し、車の通行が困難になった=石川県珠洲市で(吉田華子さん提供)

 東京電力福島第1原発事故後、市民の立場で脱原発を求める発信・提言を続けている「原子力市民委員会」は、今回の能登半島地震で、地震や津波が頻発する日本の原発の危険性があらためて浮き彫りになったとして、18日にオンラインシンポジウムを開いた。
 「事業者による活断層評価は明らかに過小評価だった。数メートルに及ぶ地盤の隆起や変異を原発の安全設計に組み込むことはできない」「社会インフラが機能不全に陥った。原発事故発生時に避難や機材、人員の増強は不可能だと分かった」
 座長を務める龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)が、今回の震災で浮き彫りになった、志賀原発の問題点を列挙した。

◆地割れが隆起が起きたら、原発は持たない

 「原発にとって脅威なのは、想定していない揺れが起こること」と「想定外」の地震の怖さをあらためて訴えたのは、元東芝原発設計技術者の後藤政志氏。志賀原発1号機の直下には活断層が走っていると一時は評価されたが昨年、覆った。「この断層を元に地震が起きると強く主張するわけではない。他で大きな地震が起きた時に連動して揺れ、原発に影響を与えるんじゃないか、という心配をしている」。その上で、「地割れや隆起が起きれば、原発は持たない。原発を断層のない安定した地盤の上に設置することは最低限必要。能登半島地震は原発の危険性を突きつけている」と訴えた。
 原子力資料情報室の松久保肇事務局長は使用済み核燃料(SF)について言及した。北陸電は仮に全電源が喪失した場合、SF冷却プールが100度に達するのは1号機で17日間、2号機で29日間と推定している。だが、松久保氏は「志賀原発は長時間停止しており、SFの発熱量がかなり下がっているからこれだけ時間がかかる。停止直後ならこんなに余裕はなかった、ということになるだろう」と話す。津波についても「今回は原発に3メートルの津波が来たとされているが、3メートル以上来たらどうなるか。海水ポンプも壊れていたのではないか」と危惧する。

◆徒歩も自動車も、屋内退避もままならない

地盤の隆起で海底がむき出しになった珠洲市の沿岸=9日

地盤の隆起で海底がむき出しになった珠洲市の沿岸=9日

 一方、環境経済研究所の上岡直見代表は、石川県が策定した避難計画で指定する道路の多くが寸断されたとし、「原発避難は30キロ、数十キロ移動する。徒歩は考えられない。自動車で移動するのかといったら駄目ということ」と断じた。
 今回は、多くの家屋が倒壊しており、屋内退避もままならない。上岡氏は「仮に倒壊しなくても、ライフラインが途絶すれば屋内退避はできない」とする。さらに、避難時に放射性物質が衣服や体に付着していないか調べる場所「スクリーニングポイント」の開設や、ヨウ素剤の配布も困難だと指摘した。
 大島氏は「日本は世界にも稀(まれ)な地震、自然災害大国。現行の規制基準に重大な欠陥があり、避難態勢にも実効性がない。現在稼働する全ての原発をただちに停止させるべきだ」と語った。(宮畑譲)

◆デスクメモ

 10年前、大飯原発の運転差し止め命令を出した樋口英明元福井地裁裁判長は13日、「当時の人たちのおかげ」と、珠洲原発を止めた塚本さんらに感謝した(16日東京新聞茨城版)。その感謝の輪に、関電も加わるべきだ。珠洲原発が実現していたら、何が起きたか想像もつかないのだから。(歩)

 

 

 

 

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5 コメント

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再投稿を含みます。 (時々拝見)
2024-03-11 22:21:36
まず、火力発電も、電気の需要の少ない夜間に、発電機の動力を全部切るわけにいかず、どうしても、無駄な発電をします。小型の発電機は別にして、冷えてしまうと、温めるためだけに燃料を食ってしまうので、動かし続ける方が、燃料節約になり、機械の痛みも減るからです(と理解しています:以下同じ)。
この余りの分、いつも同じ分だけ使ってくれる企業には、極安で売っています。
東京電力では、21~9時が極安(17~21時が格安)の料金設定があります。
火力で無駄が生じるなら、出力の変えられない原子力なら無駄なのは当然。21~9時、1日の半分の原発の電気は無駄です。
とりあえず、原発の電気は、燃料代だけでも、「公式」の2倍で考えるべきです(「格安」を考えれば3倍)。

だいたい、そんなに原発が安いなら、県立や市立の原発ができてるはずです。

十二支が一巡しても、内部がどうなってるかさえわからない炉の話はまたの機会に。
今の技術では収束不可能?な福島原発の状況を隠蔽する政府は…。 (ロハスな人)
2024-03-12 10:33:36
宮武さんはご存じかと思いますが、福一の非常に高い放射線の状況では『場所によっては人間が即死』する上に、『ロボットが高い放射能で壊れて使い物にならない』ため、『高放射線状況で壊れないロボットの開発』でもできない限り、そもそも手の付けようがない…状況のようですね。

処理費が21.5兆円からさらに増え続けるのも必須でしょうに、その状況でなおも『原発再稼働や“新設”を考える』岸田政権の利権集団のいかれっぷりは…。

※“能登半島地震”の津波で“志賀原発がやばかった”ことに学ばず、“能登半島地震時を上回る5~10メートルの津波”が何階大地震で想定される『伊方原発差し止め訴訟を却下させた』ことも岸田政権が『国民を守る気が皆無』なことを示していますね。

https://johosokuhou.com/2024/03/11/73038/
☆福島第一原発事故から13年、東電が内部ドローン映像を公開!原子炉の格納容器は今も高線量 核燃料デブリの取り出しや廃炉計画は難航
2024年3月11日 情報速報ドットコム

◎東京電力は無人機ドローンで撮影した福島第一原発1号機の原子炉格納容器の内部映像を初めて公開し、今も内部は手つかず状態だと報告。
格納容器内部では金属部分が錆びついており、床には多くの破片が散乱。
震災時の対応で使われたと見られる機械や部品も13年前のまま転がっている状態で、格納容器内部に入ると大量の放射性物質によって映像にたくさんのノイズが入る場面も確認されています。

調査途中で不具合が発生したとして映像は途中で終了となっていますが、福島第一原発は2011年3月11日から全く変わっていないことが映像からもわかると言えるでしょう。

福島第一原発の廃炉計画は難航中で、核燃料デブリの取り出し作業は延期に延期を重ねています。
原発の奥深くには依然として大量の放射性物質が残り続け、詳細な状況はまだ分かっていません。
10年どころか20年以上の時間がかかる恐れがあり、改めて原発事故の深刻な被害状況を感じることが出来ます。

☆☆福島原発事故の処理費、21.5兆円から増額へ 国は支援増やす方針
朝日新聞デジタル記事 伊沢健司2023年12月2日
原発での揚水発電はカス (時々拝見)
2024-03-14 00:40:50
夜間、特に21~9時の電力が極安で投げ売りされてると言うと、
揚水発電でデンデンという人がいましたが、
揚水発電の電力量はそんなに多くなく、
揚水しなくても、朝までに満水になる時期は、揚水できません。極端な場合、電力量が、入力より出力の方が多かったり(揚水してないのに発電したことにしたんでしょう)。
近年、夜の電気を車にためて、とか、夜の暖房の電力が不足するなんて話も聞きます。去年の冬だったか、夜の電力不足を回避できたのは、「昼の発電で揚水ができていたから」でした。冬とは言え、昼の方が電力消費は多いはずなので、この昼の発電をしたのは、太陽光でしょう。
原発で余る夜の電気、どうにかしようとしても、ヤケ維新に水です。
反原発 (津木野宇佐儀)
2024-03-17 04:23:21
私は昔から「反原発」です。
福島第一の事故後、これが夢ならいいのに、と…悲しいやら悔しいやら…
そう思い続けています
原発電気は高い、修正版 (時々拝見)
2024-03-17 11:38:36
震災の後、原発はベース電力でえ~、という「夜の原発は無用の長物」を肯定したも同然の話も、原発維持派から出るようになりました。
原発維持派からは、二酸化炭素がらみで、震災の後、火力発電が、震災前の3割増えたという話もありました。最近、あまり聞きませんが。で…
記憶ですが、2009年度の原発電力は日本の全電力会社の発電の30%を占めてました。火力は64%弱でしょうか?すると、
64×0.3≒19(%) 30-19=11(%)
3割の有効数字は不明ですが、原発の電気の1/3は要らなかった訳です。
ここから鱈のレバーも信心からみたいな話も入ります。
30%は少し高めの数字、この年度の電力需要が少なめだったんでしょう。ま、再計算すれば良いのですが。
3割増えた年度がいつだかわからないのですが、「本来」電力需要が多い年度だったとすると、その分は、原発の穴埋めではなく、需要の増加分だったことになります。昼夜の電力需要の差を調べれば見当がつくはずですが、データは一般人には不明です。
5%と仮定すると、原発の半分は要らない電気ということになり、東電の電気代の設定とよく一致します。
そんな訳で、後始末を完全に無視しても、原発の「使える」電気は安いどころか・・。

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