Everyone says I love you !

弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

原発を守るために再生エネ発電買い取り制を見直せと主張する読売新聞VS太陽光発電で再生する過疎の村

2012年07月02日 | 社会とマスコミ

 

消費税増税やTPPのみならず、原発推進でも図抜けてとんでもない読売新聞。

40年過ぎた老朽化原発も使えと社説で主張する読売新聞はもはや猛毒だ

読売新聞は文化の日の社説で「早く原発を再稼働して運転しながら点検しろ」と主張する野蛮新聞だ

読売新聞が社説で堂々と「核武装のための原発推進」論を展開

そんな原子力村マスメディアとして首尾一貫していて、ある意味あっぱれと言えるのが、大飯原発が再稼働されて心ある国民が心底がっかりした翌日の2012年7月2日付け読売新聞社説です。


再生エネ発電 買い取り制は見直しが必要だ(7月2日付・読売社説)

(前略)

様々な工夫をしても、狭い国土で雨が多い日本では、太陽光や風力で安定した大量の電力を確保するのは困難だ。原発などの基幹電源を補完しながら、無理なく再生エネを拡大させることが、現実的なエネルギー政策といえる。



太陽光発電など再生可能エネルギーによる電力を買い取ることを電力会社に義務づける新しい制度が7月1日から始まりました。電力会社が買い取る価格は、脱原発依存を進め、再生可能エネルギーによる電力の普及を後押しするため発電コストよりも高く設定されており、太陽光発電では1キロワットアワー当たり42円となっています。

その再生可能エネルギーの買い取り価格を高く設定したままだと、電気代が上がるという懸念はいいのです。

しかし、最後まで読んでみると結局、基幹電源として火力でも水力でもなく原発をあげて、再生エネルギーは原発を補完するためのものだから、買い取り価格を下げてゆっくり拡大するようにしろ、というのですから、あきれてものが言えません。

だいたい、再生可能エネルギーや自然エネルギーには地熱発電や潮力発電のように、日本に向いていて、しかも安定的に電力を供給できるものがあるのを知らないのでしょうか。

これからの発電のベストミックスとは、これら自然エネルギーの特質を生かしたマッチングなのです。

 

 


さて、読売新聞に雨が多い日本ではダメだとけなされた太陽光発電ですが、これに取り組み始めた村が我が兵庫県にあります。

再稼働されてしまった大飯原発から約80km、兵庫県丹波市春日町・山王地区です。ここに太陽光発電を行い、電力を関西電力に売る側にまわった地域があります。ちなみに、住民組織の自治会が、太陽光発電に本格的に取り組み、これを実現させたのは、全国で初めてのケースだということです。

この山王地区は、42人の人口の半数が60才以上で、うち80才以上のお年寄りが6人という、限界集落一歩手前の状態です。ところがその住民たちが、自 らアクションを起こしたのです。2012年3月末、川沿いの空き地に216枚のパネルを並べ、発電所をスタートし、電力売却というユニークな試みへの第一歩を 踏み出したのです。

発電量は年間4万kWh超で、電気は各世帯に直接送られるのではなく、いったん関西電力に買い取ってもらう仕組みをとっており、その年間収入は180万円に上るということです。したがって、10年で設備費を回収し、あとは半永久的に黒字収入となります。

言いだしっぺの細田さんという方はこうおっしゃっています。

「いやぁ、ここらはね、あの大飯原発から南西に、約80kmの場所なんですよ。これまでは、あまり原発のことは考えなかったけど、何かあったら農作物は全部アウト。セシウムがなんぼか出たら、住めんようになる。だから、この太陽光発電は、この村の希望の証なんですよ」

「太陽光発電所が一つあるだけで、みんなの負担をなくすことができる。 まさに私たちの夢と希望です」

再生可能エネルギーへの取り組みは、日本の過疎化対策にもなります。なにしろ休耕田など土地が余っている村は日本中いたるところにあるのですから。

再生可能エネルギーで村も再生しようという人々と、原発利権に固執して再生可能エネルギーの足も引っ張り日本を滅ぼさんとする大新聞。賢いのはどちらでしょうか。




この新聞だけは不買運動しなければ。

よろしかったら上下ともクリックして頂けると大変嬉しいです!

人気ブログランキングへ人気ブログランキング

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村


 

 

11軒の過疎集落、太陽光発電で売電へ 丹波市 

地域の将来がかかる太陽光発電所と住民ら=丹波市春日町国領

地域の将来がかかる太陽光発電所と住民ら=丹波市春日町国領

 自分たちで発電した電気を売り、高齢化で疲弊する地域の運営費をひねり出そうと、丹波市春日町国領にあるわずか11軒の集落が4月から太陽光発電 を始める。将来のため、設置に投じたのは約1700万円。最大出力42キロワットの設備で、年間約180万円の収入を見込む。自然エネルギーの普及を進め る近畿経済産業局は「自治会など住民組織が太陽光発電に取り組むのは全国でも例がないだろう」としている。(森 信弘)

 集落は同町の中心 部から約3キロ離れた山裾にある。11軒41人で、半数が60歳以上。5年前は15軒あったが、高齢化で減少の一途をたどる。それでも、公民館や農業用倉 庫の光熱費など運営費はかかる。毎月の会費は1軒5千円。「負担が重い」という理由から脱会する人も出てきた。

 打開策として浮上したの が、川沿いにある空き地を使った太陽光発電。昨年秋、集落の細田泰宏さん(60)が自宅で始め、地域でもできないかと提案した。集落には将来に備えた資金 もある。地域を流れる川の河川改修で県に土地を売ってできた貯金だ。当初は高額な設置費用に反対の声が相次いだが、予算の範囲内で引き受けてくれる業者を 見つけ出した。

 太陽光パネルは約700平方メートルの敷地に計216枚を設置する。1枚は縦80センチ、横160センチで、電力の一部を 防犯灯に使う以外は余剰電力の買い取り制度を活用。設備は経済産業省の認定を受け、1キロワット40円で10年間、関西電力に販売することが決まった。設 置費は10年で回収し、それ以降はすべて利益になる見込みという。

 「太陽光発電所が一つあるだけで、みんなの負担をなくすことができる。 まさに私たちの夢と希望です」と細田さん。「今いる若い人に残ってもらえるような地域になれば」と期待を込める。近畿経済産業局エネルギー対策課は「再生 可能エネルギーがこうした市民参画の形で広がれば、ありがたい」としている。

(2012/03/30 11:30 共同通信)

 

 

 再稼働に揺れる大飯原発から約80km、兵庫県丹波市春日町・山王地区は人口たった42人、平均年齢が60才を超える典型的な過疎地域だが、今年3月末、川沿いの空き地に216枚のパネルを並べ、太陽光発電所をスタートさせ、俄然注目されつつある。

 広がりを見せる地域ぐるみの太陽光発電の動きに、政府もバックアップの姿勢を見せている。経済産業省は、7月1日より施行される再生可能エネルギーの買い取り価格を発表した。

 これによると、従来1kWh発電するごとに40円で買い取られていたのが、7月からは2円アップの42円に引き上げられる。さらに、その価格で買い取ってもらえる期間も20年間固定と長く設定された。これで太陽光発電所の建設に弾みがつくものと思われる。

 大阪府市エネルギー戦略会議委員で、立命館大学教授の大島堅一さんが指摘する。

「山王地区の取り組みは、実に素晴らしいと思います。太陽光発電は、空いてるスペースを使えばどこでもできるから、ハードルはそんなに高くありません。例えば日本全体の可能なところ全てに、ソーラーパネルを敷き詰めれば、3600億kWhの電力を生むことができるわけです。この数字は日本にある全原発の発電量、3000億kWhに相当しますから、その可能性は果てしなく広く、無視なんてできなくなります」

 ソーラーパネルの一般家庭での設置費用は、約200万円と決して安くはない。しかし、うまく利用すれば、電気代を月に3000円ほど節約できるうえ、電力会社への売電により、月2万円ほどの収入に。つまり、200万円規模の初期費用も、10年ほどで回収可能ということになる。

※女性セブン2012年7月12日号

 

 

再生可能エネルギー 買い取り制度開始

7月1日 6時59分 NHK

再生可能エネルギー 買い取り制度開始
 

太陽光発電など再生可能エネルギーによる電力を買い取ることを電力会社に義務づける新しい制度が1日から始まり、太陽光や風力発電事業に参入した企業などの事業が本格化することになります。

1日から始まる「再生可能エネルギー固定価格買い取り制度」は、太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーで発電した電力を一定の価格で買い取ることを電力会社に義務づけています。
電力会社が買い取る価格は、脱原発依存を進め、再生可能エネルギーによる電力の普及を後押しするため発電コストよりも高く設定されており、太陽光発電では1キロワットアワー当たり42円となっています。
制度を見越して、太陽光や風力などを活用した発電事業への新規参入が相次いでおり、制度が始まる1日に合わせて本格的に事業を始める施設もあります。
その一方で、太陽光などによる電力を電力会社が買い取った費用は電気料金に上乗せされ、電力会社によって異なりますが、標準的な家庭ではことし8月から1か月当たり75円から111円が上乗せされることになります。
利用者の負担も見込まれるなか、1日から始まる制度が再生可能エネルギーの本格的な普及につながるのかが注目されます。

太陽光発電協会“歴史的な転換点”

太陽光発電関連のメーカーや販売店が加盟する「太陽光発電協会」の片山幹雄代表理事は、記者会見で、「太陽光発電はさまざまな産業が関係するすそ野の広い産業であり、制度をきっかけに日本の一大産業に育てたい」と述べ、幅広い雇用や投資の拡大につなげたいという考えを示しました。
太陽光発電による電力量は、現在は、国内で使う電力の1%にも満たない状況ですが、「太陽光発電協会」では、この制度を追い風に、2030年度にはおよそ10%まで拡大すると見込んでいます。
これについて片山代表理事は、「10年後に振り返ったときに、今回の制度は日本のエネルギーの歴史的な転換点になるだろう」と述べました。



コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オキュパイ大飯 大飯原発を... | トップ | 橋下大阪維新の会が政務調査... »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
this way (noga)
2012-07-02 10:16:40

それでも日本人は、原発の再稼働を選んだ。
一億総ざんげへの道。動き出したら止まらない。
この道は、いつか来た道。ああ、そうだよ、民族の歴史は繰り返す。

意思のあるところに方法はある。(Where there’s a will, there’s a way).
意思のないところに解決法はない。
意思は未来時制の内容であり、日本語には時制がない。
それで、日本人には意思がなく、解決法が見つけられない。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、もって万世のために太平を開かんと欲す。
座して死を待つか、それとも腹切りするか。
私の父は、玉砕した。何のお役に立てたのかしら。
安らかに眠ってください。過ちは繰り返しますから、、、、

ああしてこうすりゃこうなると、わかっていながらこうなった、、、、、
12歳のメンタリィティには、知恵の深さが見られない。
わかっちゃいるけどやめられない。ほら、すいすい、、、、

白く塗られた黒いオオカミの足を見破ることは難しい。
だます人は悪い人。だまされる人は善良な人。おとり捜査は難しい。
この調子では、人の命はいくつあっても足りるものではない。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/
返信する
Unknown (漂流者)
2012-07-02 13:56:32
読売に限らず、買い取り価格と電気料金の上乗せとの関係はしっかり伝えてくれてます。が

初年度(12年度)末までに発電の増加分は250万Kwにのぼると、経産省が想定しているというのも言ってもらわないと。
大飯3・4号機分に相当する発電量です。
ますます原発が要らなくなります。
返信する
日経では (時々拝見)
2012-07-02 21:41:21
だいぶ前、経済産業省から、太陽光で原発一基の電力量を得るには、山手線内側の面積が必要という話が出て、今でも東電なんぞが有難がってます。
計算過程を見てみると、原発稼働率は100%で、太陽光には「施設利用率」70%をかけてるようです。
技術の進歩も入れて正しく計算すると、山手線内側で原発二基分になります。これは電力量ですから、夏の電力使用のピーク時には、原発8~12基分の電力が得られる訳です。
4月に日経がパネルが敷地面積の半分のメガソーラーを基に、1.3倍という記事を載せましたが、角度も補正すると、ぴったり半分になります。
返信する
太陽光発電は (ray)
2012-07-02 22:00:13
お日様てっかてかのお天気に最大の威力を発揮するので、夏の電力使用ピーク時の助っ人には最適です。

普及すればするほど大量生産でパネルは安くなるし、将来性は抜群です。

私の一押しは地熱発電。
火山国、地震国という条件を、少しくらい人間に逆手に取らしてもらいたい。
返信する
地熱発電には (時々拝見)
2012-07-03 20:12:45
発電後のお湯で入浴、という特典もあります。日本に住むなら、日本に来たら、温泉に入って日本の良さをかみしめましょう。
原発の排水に推進派の人が入るのは止めませんが、私はいやです。
原発、昼間の需要の20%が上限です。夏はもっと落ちます。あとは夜間に電気を捨てるしかありません。雨が続いたら揚水もできなくなります。
安全保障が何たらなら、①テロの絶好の標的の原発をすぐなくす②プルトニウムを増やす原発をすぐなくす③100%燃料を輸入に頼る原発をすぐなくす④危険な原発をすぐなくす、のが一番だと思います。
返信する
初めまして (KOBA)
2012-07-07 04:40:52
 太陽光発電の買い取り制度は欧州でとっくに破綻していると言うのに、その事実から目を逸らして「買い取り制度バンザイ」と叫んでいる様は滑稽ですね。これからどれだけの電気料金値上げラッシュが来るのでしょう。ソーラーパネルの生産も、価格の安い中国製に押されて欧米のメーカーの倒産が相次ぎました。これでは国内の雇用拡大には結び付きません。
 >夏の電力使用のピーク時には、原発8~12基分の電力が得られる訳です。
 そんなに有難い発電手段なのに、何故欧州が匙を投げたのか少しは考えてくださいよ。それに机上の計算値だけみて有難がっても、実際それだけの発電が出来るかどうかは別問題ですよ。
 詳しくは「沈思黙考」で検索するといいでしょう。
返信する
どっちかというと (時々拝見)
2012-07-07 15:59:42
買取より、借地式がいいんですがね。特に公営住宅。港湾倉庫などの大地主大口需要者には安価買取か借地代なしか非設置なら料金割り増し。
日本製じゃなく中国製を買えと?
原発何基分は「数字を駆使して」ごまかした日経の記事からの算出です。
欧州の具体例は?ちなみにロンドンて千島列島くらいの緯度にあるんですがね。
原発による電気料金値上げはとっくに襲来してますよ。アルミ精錬工場が1つ残して国外に脱出するほどの。車の輸出の急増期でしたから、どれだけの国益を損なったことか。
沈思黙考、有言不実で東電万歳の所を検索しても電気の無駄でしょう。
電気の需要が増えてもまったく追随できない原発を持ち上げてる原発万歳の日経ですが、バブル後、景気回復の見通しを一番甘く見て、一番はずしたイタイ新聞です。
返信する
上は私見ですので (時々拝見)
2012-07-10 18:45:20
Rayさまにあらぬ非難が来ないよう、補足です。
電気の無駄、は私のRayさまほか皆様へのおせっかいです。責任上、のぞいて見た中から二つほど…
関西電力の管轄から疎開が第三の道…ネタかと思いました。トホホです。
中国大使館員は人民解放軍のスパイ…今まで気づいてなかったようです。おわり。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

社会とマスコミ」カテゴリの最新記事