スラップ訴訟とは恫喝訴訟と呼ばれています。 相手を脅して、言論の自由を封殺することが目的の威嚇訴訟です。 |
自分の後援会つくりを任していた千葉県の建設会社がURともめたことへのあっせんを求められ、事務所全体で1200万円ものお金を受け取ったという疑いが発覚している甘利明元経済再生担当相。
最近はTPP交渉で目立っていた甘利氏ですが、もともと第一次安倍内閣の経済産業大臣を二期務めた大の原発推進議員で、まだ福島原発事故から一か月も経たない2011年4月5日、自民党内で原発を推進するために作られたエネルギー政策合同部会で、2002年のの東電の事故隠しについて
「私の予想をはるかに上回って改ざん件数が多かった (300 案件以上) 事も残念でしたが、臨界 (ウラン燃料が連続的に反応をする運転状態になる事) にかかわる事故が 2 件隠蔽されていた事は極めて遺憾な事でありました。
行政命令・行政指導に加え、厳重注意を行い再発防止体制の構築を指示いたしましたが、これを構築した後には世界一安全・安心な原子力発電所になります(現状でも安全性は世界一だと確信していますが)。」
と言い切っています。
自民党 原発推進派議員の暴走開始! エネルギー政策合同会議のお笑い
甘利氏は東電事故隠し・福島原発があっても「現状でも日本の原発は世界一安全」という原子力ムラの住人。
そんな甘利氏が2011年6月18日に放送されたテレ東の報道番組『田勢康弘の週刊ニュース新書』(以下、『週刊ニュース新書』)に対して、原発スラップ訴訟を起こしたことをご存知でしょうか。
当然、甘利氏は自民党の原発推進政策を説明する側として出演したわけですが、A記者が、自民党の有力な原発推進派で有名な甘利明氏に対して取材を試みました。
A記者は共産党の吉井氏が作成した「質問主意書」を示して「今後の原発政策のあるべき姿」を質問し、津波被害の想定に誤りがあったのではないかという問題について取材を進めました。「それまで津波に備えよという指摘はなかった」と答えていた甘利氏はA記者から「指摘はされていた」と切り返され、それを認めるとその後言葉に詰まり、隣室に姿を消して、取材をボイコットしたのです!
隣室に呼ばれたA記者は甘利氏から「取材の録音テープを消せ、番組を放送するな」と言われ、仕方なく番組は甘利氏が取材を拒否したことの象徴として「取材は中断となりました」とナレーションを入れ「空席」を映しました。
甘利氏のいう名誉毀損とは、「取材拒否したことの象徴として空席になった自分の椅子を映した」ことで、テレ東に謝罪させただけでなく、テレビ東京と番組の取材記者、キャスター、プロデューサーに1100万円を求めるスラップ訴訟(恫喝裁判)を起こしたのです。
この裁判で明かされた、甘利氏がA記者に述べた言葉は以下の通り。
「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない」
「とにかく暗がりでよくわからない上にうろ覚えで言った言葉をカメラでしっかり撮っていたじゃないか。それを消せと言っている」
「(テープを)消さないと放送するにきまっている。流されたら大変なことになる。あなたも一回そういう目に遭ったほうが良い。誹謗中傷されたらどんなに辛いか」
「自分には家族がある」
「こんなもんが放送されたら自分の政治生命は終わりだ」
「原発事故の責任を押し付けられたら、たまったもんじゃない!」
「私には肖像権がある。取材を受けた人間が流すなと言っている。放送は認められない」
「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。安全委員会は地震や津波のプロが集まってる組織。そこが決めてるんだ」
「大臣なんて細かいことなんてわかるはずないし、そんな権限がないことくらい君もわかってるだろう。答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を受けるだけだ」
「原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちれば良い。マスコミだって同じだ。お宅も潰れないとわからないもんだ。もう私の知ったことではない」
ほんとにこの時にこの人の政治生命が終わっていればよかったのですが、この裁判ではなんと甘利氏が一部勝訴し、請求額の3割の支払いが認められています。
そして、甘利氏は第二次安倍政権でも重用され、現在に至ったというわけです。
まあ、これほど見苦しい政治家を右腕にし続ける安倍首相も、大臣辞任後もいまだに持ち上げ続ける支持者の方々も、何を考えているのかわからないというのが正直なところです。
原子力ムラの陰謀: 機密ファイルが暴く闇 | |
今西憲之+週刊朝日編集部 (著) | |
朝日新聞出版 |
住民工作、思想調査、マスコミ・政界対策、選挙……。
原発推進のために「原子力ムラ」が水面下で繰り広げてきた暗黒の活動の数々を、
謎の死を遂げた旧動燃幹部が遺していた門外不出の機密資料で詳細にあぶりだす。
週刊朝日大反響連載を大幅加筆したスクープ・ノンフィクション。
「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか | |
開沼 博 (著) | |
青土社 |
“大文字” 言葉で書かれたものばかりの 「原発本」 の中で、福島生まれの 著者による本書は、郷土への愛という神が細部に宿っている。―― 佐野眞一
原発は戦後成長のアイコンだった。フクシマを生み出した欲望には、 すべてのニッポンジンが共犯者として関わっている。
それを痛切に思い知らせてくれる新進気鋭の社会学者の登場!―― 上野千鶴子
原子力ムラという鏡に映し出される戦後日本の成長神話と服従のメカニズム。
本書の刊行はひとつの奇跡だ。―― 姜尚中
全電源喪失の記憶――証言・福島第1原発――1000日の真実 | |
共同通信社原発事故取材班 (著), 高橋 秀樹(編著) (著) | |
祥伝社 |
最新刊。
震災から4年が経過し、災害の記憶が風化しつつある今こそ、事故を振り返る証言資料を残す作業が必要だ。
本書では、事故対応にあたった当事者たちの貴重な実名証言によって、3月11日から15日にかけて福島第1原発が全交流電源を喪失した、緊迫の5日間の様子を明らかにしてゆく。
朝日新聞「吉田調書報道」を打ち砕いた、現場記者の綿密な取材による詳細な事実の描写は、他の類書の追随を許さない、本書最大の特色である。
原発事故直後の古い記事から掘り起こしてきました。
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甘利明元大臣、テレ東取材を中断し提訴「日本は終わりだ。もう私の知ったことではない」
裁判官から「原発事故の責任は誰にありますか?」と聞かれ、「げ、原発事故の責任は、自民党にあります……」と蚊の鳴くような声で答える甘利明氏。この時も傍聴席の失笑を買っていた。
東京地裁での裁判の争点は、被告である東電役員が「原発事故を予測できたか」だ。事故が予測不能と証明されれば、刑事責任は問われず、3人は無罪になる可能性があるということだ。
しかし、今を去ること10年前、大震災による原発事故の被害予測が第一次安倍内閣で質疑されていた。共産党の吉井英勝氏が作成した「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」(以下、質問主意書)だ。
吉井氏はこれを2006年12月13日に国会へ提出、国会質疑に使った。
吉井氏は安倍首相に「原発運転中に冷却不十分となると燃料棒が破損した場合、放射能汚染の規模がどのようなものになるのかを評価しているのか」など、実際に11年の東日本大震災直後に起きた福島原発事故を予測した質問を投げかけている。
その時、安倍首相は原発行政の最高責任者として、「経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである」と答えている。
しかし、福島原発事故では津波と地震被害により、全電源喪失という事態を招いた。それにより、原子炉内部や核燃料プールへの送水ができなくなり、核燃料の溶融が発生し、これを冷却するために水や空気の重大な放射線汚染被害を引き起こした。それは今もなお継続されており、終息の目処はたってはいない。
この時の国会に原発行政の責任者がもう一人座っていた。それは当時経産大臣だった甘利明氏である。
甘利氏は今年1月末に建設業者から工事の口利きの見返りとして計100万円を2回にわたって大臣室で受け取っていたことを認め、経済再生担当大臣を辞任した。そして野党のさらなる追及を避けるかのように、「睡眠障害」の診断書を衆院議院運営委員会理事会に提出し、国会から姿を消した。
原発スラップ訴訟
そんな甘利氏が以前、テレビ東京と同局の報道記者3名を相手取り、名誉毀損で裁判を起こしていた事実はあまり知られていない。これは、11年6月18日に放送されたテレ東の報道番組『田勢康弘の週刊ニュース新書』(以下、『週刊ニュース新書』)に対してで、甘利氏のいう名誉毀損とは、「取材拒否したことの象徴として空席になった自分の椅子を映した」ことなのだ。
しかも取材拒否の原因は「経産大臣だった時の原発事故安全管理の怠り、を問われたこと」だ。つまり、この裁判は政治家が法の力を借りて報道機関への口封じを目的とした「原発スラップ訴訟」だったのだ。
12年8月28日に東京地裁で行われた証人尋問で、甘利氏のとんでもない暴言が暴露された。
テレビ局とともに訴えられたA記者は、取材中に甘利氏から「甘利氏はしまいには日本なんてどうなってもいい、俺の知ったこっちゃない!と言い出しました!」と言われたことを訴えた。その瞬間、傍聴席は失笑と舌打ちに包まれた。
政治家が堂々と報道機関を訴えたこの裁判の発端はなんなのか――。
取材拒否の空席を映したら名誉毀損
原発事故の記憶も生々しい11年の6月、『週刊ニュース新書』で原発事故問題を取り上げる企画が持ち上がった。「東日本大震災による原発事故後、政治家が事故が起きるまでにどのような安全対策を行ってきたのか?」という「原発と政治家」を検証するのが目的だ。そこでA記者は、自民党の有力な原発推進派で第一次安倍内閣の経済産業大臣を二期務めた甘利明氏に対して取材を試みた。
A記者は吉井氏が作成した「質問主意書」を示して「今後の原発政策のあるべき姿」を質問し、津波被害の想定に誤りがあったのではないかという問題について取材を進め、「それまで津波に備えよという指摘はなかった」と答えた甘利氏はA記者から「指摘はされていた」と切り返され、それを認めるとその後言葉に詰まり、隣室に姿を消した。取材をボイコットしたのである。
隣室に呼ばれたA記者は甘利氏から「取材の録音テープを消せ、番組を放送するな」と言われ膠着。仕方なく番組は甘利氏が取材を拒否したことの象徴として「取材は中断となりました」とナレーションを入れ「空席」を映した。これが甘利氏がテレビ東京とA記者を含む番組関係者を訴えた理由だ。
この番組は11年6月18日、『震災100日 政治は何をしているか』と『原発と自民党 その功罪』をテーマとして放送された。甘利氏は「空席」が映されたのを見て激怒。「名誉毀損だ、訂正放送を入れろ」とテレビ東京にねじ込んだ。これを受けて『週刊ニュース新書』は翌週25日の放送で甘利氏に謝罪した。アナウンサーが「甘利明氏にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と深々頭を下げた。だが、事はこれで済まなかった。
これがスラップ訴訟の始まりだったのである。
甘利氏は11年6月末、テレビ東京と番組の取材記者、キャスター、プロデューサーを名誉毀損で提訴した。損害賠償請求金額は合計1100万円だった。
「大臣なんて細かいことなんてわかるはずない」
この裁判で明かされた甘利氏の暴言の数々を見てみよう。いずれも、A記者に「取材は認めない、テープを消せ」と問答になった時の台詞だ。
「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない」
「とにかく暗がりでよくわからない上にうろ覚えで言った言葉をカメラでしっかり撮っていたじゃないか。それを消せと言っている」
「(テープを)消さないと放送するにきまっている。流されたら大変なことになる。あなたも一回そういう目に遭ったほうが良い。誹謗中傷されたらどんなに辛いか」
「自分には家族がある」
「こんなもんが放送されたら自分の政治生命は終わりだ」
「原発事故の責任を押し付けられたら、たまったもんじゃない!」
「私には肖像権がある。取材を受けた人間が流すなと言っている。放送は認められない」
「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。安全委員会は地震や津波のプロが集まってる組織。そこが決めてるんだ」
「大臣なんて細かいことなんてわかるはずないし、そんな権限がないことくらい君もわかってるだろう。答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を受けるだけだ」
「原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちれば良い。マスコミだって同じだ。お宅も潰れないとわからないもんだ。もう私の知ったことではない」
これは、甘利氏が記者に向かって吐いた暴言のほんの一部だ。裁判が進むに連れて甘利氏の無責任体質が暴かれていき、傍聴者はため息をつくばかりだった。
原発事故の報道検証
なぜ福島原発事故が起きたのか、報道による検証作業が必要だ。二度と同じ悲劇を繰り返さないための教訓を得るには、事故をさまざまな角度から正確に記録することが求められる。甘利氏は原発の安全を担う経産大臣を二期務めた。その立場から記者に言えることもあるだろう。その証言は、今後の改善策にとって貴重な資料となるはずだ。
しかし、甘利氏はその政治的責任を受け止めることなく、反省点と改善点を聞き出そうとしたテレビ東京と報道関係者を提訴した。このような自己保身に奔走する議員の言動が、原発のある地域の生命・暮らしを左右していたのは、なんとも不幸な事態といえよう。
スラップ訴訟は、企業や政府など強者が恫喝や発言封じなどを目的に弱者に起こす。
傍聴して裁判記録を見るかぎり、甘利氏の攻撃は番組よりも記者個人に向けられていた。裁判当時、下野していた甘利氏は、民主党が倒れ政権交替した時に再び大臣に返り咲くためにも、「自民党の原発政策安全対策の怠慢」という「負の遺産」にメスを入れた報道記者に牙を剥いたのだろう。
その結果、東京地裁(都築政則裁判長)は13年1月29日、甘利氏の訴えを一部認める判決を下し、「恣意的な編集があった」として330万円の支払いをテレビ東京側に命じた。記者とプロデューサーは報道制作担当を外され、異動になった。
この裁判が報道関係者に与えた衝撃は大きい。何しろ、政治家が原発事故の責任追及の編集に少しでも瑕疵があると、高額の損害賠償を吹っかけるのだ。企画段階で二の足を踏むか、取材の足も竦むだろう。吉井氏の「質問主意書」は大震災後に原発事故被害を危惧した「予言の書」であったのに、メディアに取り上げられることはなくなった。しかも政治家が報道機関を訴えたというのに、この裁判を詳報した新聞・テレビはなかったのだ。甘利氏は「原発事故の政治家への責任追及」という「報道熱」に「冷却水」をかけることに成功したのだ。
今月11日で福島原発事故は5年目を迎える。現在も原子炉建屋に流れ込んだ地下水が一日当たり300トンずつ汚染水となって増え続けており、事故現場では廃炉作業員の不足問題も発生している。日本にある54基の原発はすべて自民党の主導により、国策として進められてきた。
原発行政の責任はすべて自民党にあるのは明白だ。福島原発事故の行政責任は、東電旧役員にだけあるのだろうか。国会で自然災害への備えを警告されながら、取り組みを検討すらしなかった政治家の罪は重い。
(文=上田眞実/ジャーナリスト)
賄賂疑惑!甘利大臣の原発利権と無責任体質…原発事故の責任を追及され「日本はおわりだ」と開き直り逃亡の過去
原発事故の責任からも“遁走”していた甘利氏(衆議院議員 甘利明 公式サイトより)
先日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で、“口利き”の見返りに多額の賄賂を受け取っていたと実名告発された甘利明・経済再生相。告発者は録音テープなどの物的証拠も保持しており、金銭授受が事実であることは間違いないだろう。
しかし、甘利大臣は「一週間以内に記憶を確認してお話ししたい」などと言っているが、本当にきちんと説明責任を果たすのか。実は、担当記者の間では、「あの甘利氏が野党やマスコミの追及にまともに答えるはずがない」という声が圧倒的らしい。
「いくら証拠が揃っていても、甘利氏の性格を考えると、事実無根、謀略などと言い張り、『文春』を訴えるかもしれない。あるいは、絶対的に形勢不利だと見れば、大臣辞任を申し出て雲隠れするか。いずれにしても、きちんと対処するとは思えない」(全国紙政治部記者)
こんな声が出てくるのは、甘利氏が以前、マスコミの追及に信じられない“遁走劇”と“開き直り”を見せたことがあるからだ。
それは、2011年6月18日、テレビ東京で放送された『週刊ニュース新書』という番組でのことだ。東日本大震災から3カ月。同番組は、福島第一原発の事故の背景に、自民党の原発政策、安全対策の甘さがあったとして、その責任を追及する特集を組み、当時、下野していた甘利氏にインタビューを行った(今のテレビの状況を考えると、こんな番組が放映されたということ自体、隔世の感がある)。
甘利氏は02年、原子力発電を柱に据える「エネルギー政策基本法」の成立に走り回り、第一安倍政権では原発政策の舵をとる経産省のトップに就任していたが、その在任中、原発事故の危険性を指摘する声を無視した事実があったからだ。
ところが、番組で異変が起きる。まず、一般論としての、安全対策の甘さを指摘された甘利氏は、「刈羽原発事故後の新指針には地震に備えよとは書いてあるが津波に備えよとはない」などと主張していたが、テレ東記者が“ある資料”を見せると突然、沈黙し、画面が切り替わる。そして、「取材はその場で中断となりました」というナレーションとともに、甘利氏がいなくなった空席だけが映し出されたのだ。
テレビ東京の記者が見せた資料というのは、06年に共産党議員が当時の安倍内閣に出した質問主意書。内容は、巨大地震で発生する津波で、冷却機能を完全に失ってしまう原発が複数存在するとして、外部電源を喪失したケースにおけるバックアップ電源の不備について質問するものだった。
まさに、福島原発の事故を予見する内容だったわけだが、当時の安倍内閣は答弁書で、「経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期している」などと回答。具体的対策を講じなかった。
原発を所管する担当大臣だった甘利氏は当然、これを説明する義務がある。ところが、甘利氏はその安全対策を怠った責任を問われたとたんに、インタビューを拒否して逃亡してしまったのである。
しかも、このニュース番組が放映されると、甘利事務所は、途中退席を誤った印象を持たせるように編集したなどとしてテレ東に抗議、甘利氏を原告として名誉毀損裁判を起こした。
明らかなスラップ訴訟だが、しかし、この裁判でさらにとんでもない事実が出てきた。法廷で甘利氏をインタビューしたテレ東記者らが証言をしたのだが、それによると、甘利氏は主意書をもちだされたとたん、カメラをとめさせ、記者を別室に連れていき、こう恫喝めいた口調で言い放ったという。
「私を陥れるための取材だ。放送は認めない」
「テープを消せと言っている。消さないと放送するに決まっている」
「大臣なんて細かいことなんて分かるはずないし、そんな権限がないことくらい分かってるだろう」
自分の政治責任を追及されたとたんに、テープを消せ、放送するなとは、この男は「政治家としての責任」も「報道の自由」も何も理解していないらしい。
いや、それだけではない。裁判では、甘利氏がこんな信じられない発言をしたことも暴露されている。
「原発も全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本はおわりだ」
日本はおわりだ、なんていう台詞を口にする政治家をこれまで見たことがないが、ようするに、この男は、国民の生命や安全など、どうでもいいのだろう。実際、甘利氏が原発の旗振り役を務めてきたのも、私利私欲によるものだった。甘利氏は“原発族”として奔走する見返りに電力会社から多額のカネを受けとってきたのだ。
東京電力は、国会議員を電力業界での重要度で査定し、ランク入りした“原発議員”たちのパーティ券を大量購入していたことがわかっている(朝日新聞2012年1月8日付)。しかも、事実上の企業献金であるにもかかわらず、1回の購入額が収支報告義務のある20万円を超えないように分割すらしていた。甘利大臣は、その2010年までの数年間の“原発議員ランキング”のトップテンのなかにいたのだ。東電と関連企業が購入した甘利氏のパーティ券の総額は、年間1000万円以上とも言われている。
ようするに、自分は“原発マネー”で甘い汁を吸いながら、事故の政治的責任を問われたとたんに逃走、これが甘利明という政治家がやってきたことだ。そして、甘利氏は今でも、素知らぬ顔で原発再稼働は必要だとしきりに発言している。
「原発は動かそうが動かすまいが、リスクはほとんど変わらない」(ダイヤモンド社「週刊ダイヤモンド」12年11月10日号)
「投資の足を引っ張っているのが電気料金。(略)再稼働は必要だ」(毎日新聞出版「週刊エコノミスト」14年3月25日号)
甘利氏は、税制や社会保障改革、TPPなど経済財政の重要政策に携わっているが、同じように、国民の生活や安全のことなど一顧だにしておらず、結局、自分の権益や政治家生命のことしかアタマの中にないはずだ。
そして、今回「週刊文春」がスクープした“1200万円収賄疑惑”も、そうした私腹を肥やすために政治をするという甘利氏の体質の延長線上にでてきたものだろう。
それにしても、なぜ、安倍首相は第一次政権時からずっとこんな政治家を重用してきたのか。
それはいうまででもなく、甘利氏が安倍晋三首相誕生のキーマンのひとりであったからだ。
06年の自民党総裁選。当時、甘利氏が所属していた派閥の領袖・山崎拓氏が出馬に意欲を見せると、甘利氏は寝返って安倍支持を表明。選対事務局長として安倍氏をバックアップし、結果、山崎氏は出馬を見送らざるをえなくなり、安倍首相が誕生した。そして、甘利氏には“褒美”として、第一安倍政権で経産相というポストが与えられたのだ。
安倍首相からしてみれば、甘利大臣は“オトモダチのなかのオトモダチ”。以降、ふたりはあらゆる政策で“共犯者”の関係にあり、国民を裏切る数々の行為があろうとも甘利氏を切らないのはそのためなのだ。
今回の収賄スキャンダルだけでなく、積もり積もった甘利氏の疑惑について、任命した安倍首相は、しっかりと責任を果たす義務がある。もう、これまでのように逃げることは許されない。国民のことなど二の次で、ひたすら私腹を肥やしてきた罪は、あまりにも重い。
(宮島みつや)
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甘利明元経産相が事実を報道したテレビ東京をスラップ訴訟
http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-1553.html
「甘利明」という名前を見て思い出したのは、利息制限法改正案の中心人物であったことです。
アメリカに言われるまま小泉構造改革を押し通した結果、一気に国民の生活は奈落の底に落とされ、銀行の貸しはがしによって資金難になった零細事業主や、リストラされた一家の大黒柱、高利の消費者金融から金を借りた人たちが大勢、自殺に追い込まれました。
(転載以上)
いまの安倍政権で、消費者金融の規制緩和が進み、
「認可業者」の上限金利が29.2%になりました。
こんなアホ国家を愛せってか? コケも生してミゴトに朽ち果てよ、単なる岩くれになって無くなれ。stop jAP!や。無政府弥栄!! 千代田区の無駄な一角に飼育されてる万世一系を誇るらしい統治の都合のダイダイ蝗族も一億総飯場のアンコになったらテモト見習いで迎えたろ。これがワシらの生活や、てな。(微笑)
え? 不敬罪? アマリに適用されへんねんやったら、OKちゃうん? ふざけんなよ。(失笑)
相手を脅して、言論の自由を封殺することが目的の威嚇訴訟です。
ネコ ( 先代・マーゴ、現・にゃーにゃ ) がいい仕事をする「週刊ニュース新書」、瓶底メガネの陰鬱な田勢康弘が聞き手として、政治家をゲストに迎え、話を聞く。いつも淡々と進行し、鋭く斬り込むような局面はない。あまり面白くないので、最近は気に入ったゲストの時しか見ない。
そんな田勢が先日の「怒れるジャーナリスト」の呼びかけ人の一人として、名前だけでも加わっていたこと、また3月いっぱいで番組が打ち切りになったことについて、不思議に思っていました。
背景に、こういうことがあったのですね。
スラップ訴訟で1000万円もの金額を請求され、このケースではそのうちの3割が認められてしまうなんて、理解できない。判決理由は、一体どういうものだったのだろう。
テレ東は、控訴しなかったのか。あの番組のスポンサーは日経新聞、テレ東自身が日経の系列だから、抵抗しないのだろうか。
こういうことがあったから、その後の放送局の萎縮に大いにつながっていったのだと、よくわかりました。
そろそろ1ヶ月が明けますが、甘利は国会に出てくるのでしょうか。
ここは中韓方式で、「水に落ちた犬は叩け」にしないと。
国民の前に事実を明らかにし、二度と浮び上らないように。
期待しています。
自由主義と民主主義の国じゃなかったんですか?京葉さんとやら。
それから、”日本語”って何? ”標準語”とやらのせいで虐げられた少数言語を使ってる土地で生まれ育ったことある? 教育で言葉を罰則をもって矯正される意味不明を味わったことあるか? どっかに移動したいとか、すぐ移住したらとか言えるのは、おめでたいな。そんな発想もわかへんくらいコテンパンにやられたことあるか? 国家と名のつく何処にもこちらが頑張らへんかったら居場所などないな。悩む? 自分の足で進んで勝ち取った放浪旅先で悩んだことなんぞ無いな。ホームシックもなったことなんか無いで。逆に旅の後にその地に帰りたいと思ったことの方が多いな。有難いことによくしてもらってきたからな。
ま、話はそこまでや。他称”極左”(自称ちゃいまっせ)の身分、何処に行こうが監視もつくしな。当方がなけなしの自前で利他して生活できてる個々人からのお呼びもあっては何処にもあんまり離れたところに行けまへんねんわ。なぁ、ここに来てるワンちゃんも一番知ってるはずやで。
ともかく、あんたはあんたの道を行かはったらよろしいやん、当方は当方の道を行くだけや。個人にとやかく言うのは嫌いや。大体、ここはそんな場やない。他称非国民でもそれくらいはわきまえてるで。(微笑)