霊犀社2

第2霊犀社(元祖第一は、田中逸平主宰の私塾)@霊際社@P。ネタ帳・メモ書きなど、まあガラクタ。嫌疑76件わざと表示拒否中

「おれの声が聞こえるか?」「おれの船に乗りたいか?」「おれに舵をまかせるか?」

2007-08-07 10:38:24 | LinkRecords
パンタ&HAL/マラッカ (1979)

70年代の日本の音楽シーンはフォークが席巻していた。吉田拓郎、井上陽水、岡林信康、西岡たかし……。長髪にベルボトムのジーンズをはいた若者たち(団塊の世代のみなさんですね)は、拓郎の『人間なんて』や岡林の『私たちが望むものは』を聞いて世の中や人生を知ったような気になっていた。そして、つま恋や篠島に集まり、「たくろぉ!」と叫んだり、『人間なんて』や『落葉』を大合唱していれば幸せだった。ところが、そんなことじゃぜんぜん満足できない男がいた。頭脳警察のパンタである。72年にリリースされた頭脳警察の1stアルバムには、『赤軍戦士の詩』(彼の通う大学は赤軍派の拠点だった)、『銃をとれ』、『さようなら世界夫人よ』(ヘルマン・ヘッセの詩を和訳)など強烈なメッセージ性ある曲が並び、その後も過激なレコードを作り続けた。そして、頭脳警察を解散させソロ活動に入っていた79年、とうとう彼は自らのバンドHAL(キューブリックの名作『2001年宇宙の旅』に登場するコンピュータの名前)とともに日本のロック史上に異彩を放つ名盤をリリースした。『マラッカ』である。このアルバムの核となる名曲『つれなのふりや』でパンタは、強烈なレゲエのリズムに乗せて「おれの声が聞こえるか?」「おれの船に乗りたいか?」「おれに舵をまかせるか?」と歌い聴衆をアジった。「人間なんてラララララララ~ラ♪」だの「私たちが望むものはあなたを殺すことなの~だぁ♪」などと言葉遊びに終始する曲とは一線を画し、「おれの船に乗るのか乗らないのか、はっきりしろ!」と聴衆に問いかけたのだ。もし聞いたことがないなら、中古レコード屋へ、是非!(2002.08)
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