ゆずりは ~子想~

幼い葉が成長するのを待って、古い葉が譲って落ちることから名付けられた「ゆずり葉の樹」。語りつがれる想いとは・・・

十和田神社 占場(うらないば)

2009年10月19日 | 観劇・読書・感想記
10日ほど前の三連休に、広島から来てくれた友人と行った十和田湖+奥入瀬渓流。

十和田湖の紅葉にはまだ少し早い中、台風が通り過ぎために北からの寒波が下りてきた影響で、とっても寒かった11日。

この日は本当は、昨年からお世話になっている田んぼ体験で、稲刈りに当たる日でありましたが、遠方より来てくれた友人をさておき、稲刈りには行けないと決断し、長女が「行きたい。」と言っていたのも説き伏せて、十和田へ一緒に向かったのでした。

前回は、十和田神社の後に行った「占場(うらないば)」という所の紹介をしようとしたら、写真がアップされずに先延ばしにしておりました。
ようやく写真ができ、無事に載せられることとなったので、どんなところだったか、そして行った感想をつらつらと書いてみます。

十和田神社の右手に中山半島というのがあり、その半島を階段と傾斜とを使いながら越え、占場へと続く参道を行きます。

十和田湖観光遊覧船のHP(http://www.lakeship-towada.co.jp/CCP012.html)には、5分くらい登ると書いてありますが、10歳の子どももいたために、10分くらいは登ったかと思います。
 
上がる息をふーっと一吹きすると、祠(ほこら)が2つありました。
祠にはそれぞれ龍神様が祀られておりましたので、私たちは手を合わせます。

そして、問題のはしごのかかる絶壁へ向かうため、少し低まったところにある踊り場へ降りました。15段も無いくらいのはしごですが、どきどきしながら降りました。
長女は足がすくんで降りられません。まずは私が行ってみます。

こんな危険な遊びが大好きだった私は、すいすいと降りていきます。大丈夫、怖くないよと、下から言ってみました。

そして、問題の絶壁を覗き見ました。



想像以上の高さに、笑いしか出ない私。。。

見下ろしては笑い、笑っては見下ろすことを繰り返しかありませんでした。怖すぎて!!!!!

絶壁は、鉄のはしごで50mくらい湖面へとつながっています。
しかも、ほぼ90度です。本当の絶壁!そして本当にただのはしご!

消防にお勤めの方ならば、きっとするするっと行けるはずですわ。。。
ほ~ほほほほほほ

笑う私に笑いながら、長女と友人が降りてきます。
今思い出しただけでも、背筋がぞくっとするくらい、高いです。

高所恐怖症な私は、降りない!と決め、それを確認して友人が一番に降りてくれました。そして、なんと長女も、
「行ってみる!」と、恐る恐るではありますが降りていきます。

私は下を覗くのも怖いのに、二人の様子を見るために手すりにつかまりながら下を見ます。どきどき。

約50メートルもあるらしいそのはしごを、あの二人は降り、そして湖畔に到着した模様。その間にも、一人また一人とここに来るのが目的だったらしい男性たちや若い女性が降りて行きます。

私は、そう私は、本当にもう無理で、絶対にできないって思いながらも、どこかで克服したい気持ちもあり、葛藤していました。

この日、私はネックレスをしていきました。
それは、両親が中国旅行に行った時に、偶然入ったアクセサリー店で薦められたという翡翠のネックレス。
美しく透きとおるような黄緑の翡翠で、見つかった時の形が珍しく龍のように見えるということで、とても高価だったというもの。

雲の中に紛れる龍のその翡翠のネックレスを思わず右手で握り締めました。
すると、頭の中に言葉が入ってきました。

「恐れを手放しなさい。」

私は、私の頭の中に響いたその言葉にはっとして、鐘を打ち鳴らされた感じを受け、その言葉の直後に瞬時にはしごの手すりに手をかけていました。

もう迷いはありません。

私はここに降りるのです。

降りて、湖のそばで、水の豊かさを感じるために、今日ここへ来たのです。
友人の手を借りて。

長い長い一本道でした。段を降りるたびに揺れ、目の前にあるごつごつした岩場が足に当たると、体が小刻みに震えました。
ここで手を離したり、気持ちを緩めたりしたら落下してしまう!そんな恐怖を抱きながら、もう降りるしかないのです。

一段ずつ、一歩ずつ、今この時だけを考えて降りるしかないのです。
先を考えて不安になっては、足がすくむだけなのです。
降りてきた上の段を見上げて、戻ろうかと考えては、何も克服できない自分が待っているだけなのです。

この過酷なはしごは、人生そのもののような気がしてきました。
だから、南祖坊という僧侶がここを修行の場としたのかもしれません。

半分くらいになるまで、本当につらかった。
あと3分の1くらいの距離になったら、気持ちがもう楽だった。
今ここで落ちたとしても、たいした怪我にはならないと分かったから。

到着し、より湖面に向かいます。
友人と長女は、降りてくるとは思わなかった私が来たことに驚いた様子でした。
湖面は、少し波立って、水の心地いい音を奏でていました。

ここが、南祖坊が入水した場所です。
小さな小さな石のほこらがありました。
手を合わせます。 感謝します。

ここが、占場なんですね。

十和田湖の対岸には赤く紅葉した箇所が見えます。

十和田観光遊覧船のページより、
「この場所は古くから、龍神信仰の霊験あらたかな場所であり、人智・人力の及ばない処を御神力によって、世の安泰を祈り占う場所でありました。

 十和田神社から頂いた『おより』に願いを書き、湖面へ浮か
べ、沈むと願いが叶い流されれば願いが叶わずといわれいるそうです。」

私の先に下へ降りて行った一人の男性が、この「おより」を湖面へ投げ入れているところを見かけました。願いが叶うといいですね。

湖面のマイナスイオンをたくさん受けて、しばらくいたい気持ちを抑えて、さぁ帰ります。 帰りは、またはしごで昇るんです。


昇りは早い早い。楽しいくらいでした。




一仕事終えた後、ほこらで撮った対岸の様子です。
清清しい気持ち。

そして、十和田神社から乙女の像へ向かう「開運の小道」という道には、岩山の洞穴それぞれに神様が宿っておられ、風の神・火の神・山の神・金の神・天の岩戸の神・日の神様に手を合わせ、失礼ながら撮影。

風の神は、罪や汚れを吹き払ってくれる神様。
火の神は、火を守り、防火の神様。
山の神は、狩猟や田や水の神。
金の神は、お金の神様。
天の岩戸の神は、無双の力の神と言われ、勝利祈願や格闘技を行う方の信仰を集めているとか。
日の神は、天照大神を祀っており、開運や勝運の神様。

日の光に照らされた白い札が、ほんとうにキラッキラッと輝いています。
それはまるで鏡のように美しい光景でした。ありががとうございました。
(写真は、日の神様です。)

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