シルヴェリオ・ペソーア  ブラジル東北地方と南仏オクシタニー

 
 アオラ・コーポレーションさんから初来日直前の緊急発売CDというのがあったので聞いてみました。
 Silverio Pessoa シルヴェリオ・ペソーア。CDはこれ↑。
 コンサートはカンバセーションさん協力ですが、主催はなんとあの森ビル株式会社。5月2日、3日と六本木ヒルズのアリーナでスーパーライブと称して、するんです。こういう企画がどんどん出てきたら、少しは時代に影響するでしょうか。

 ブラジルは北東地方(ノルデスチ)の音です。
 わたしはこっちの方はよく知らないです。でも一聴してなんだかマッシリア・サウンド・システムとかデュパンとかの南フランス系の音を連想して親しみを覚えました。考えてみれば無理もないです。ブラジルはポルトガル語ですが、南仏オクシタン語とはほんと近い兄弟ですからね。
 でもマッシリアたちが今でも素人的なところを残すバンドなのに対して、ペソーアの方はどんどん音が広がっていって破綻を見せないプロフェッショナルです。シンセを使っているんでしょうがいろんな音を、まるでビッグバンドジャズみたいな音まで出してくるんです。わたしの耳にはサンバに聞こえるリズムも出てきますが、彼は出身地の民謡フォホーの発展形を目指してるんですね。ここにも「自らのもの」を磨きあげようという試みがあります。国際的な支持を得るのは当然です。

 でもこんな多様なミクスチャー音、ライブではどこまで再現できるんでしょうか?

 以前カメルーンのサリー・ニョロが体のあちこちにポケットをつけて楽器を入れ、とっかえひっかえ弾いたり吹いたりしていたのを思い出しました。
 あれみたいなことを、ペソーアもやるのかな? エレクトリックに処理するのかと思いますけど・・・

 興味津津だけど、わたしは行けないかな・・・
 連休中いくらかお時間ある方はペソーアのコンサートを楽しむというのも選択肢のひとつに入れられるといいと思いますよ。

[追記] このCD、タイトルは CABECA ELETRICA CORACAO ACUSTICOといいます。日本盤のタイトル『エレクトリックな頭脳、アコースティックな心』どおりですね。久保田麻琴さんの日本語解説がついてますが、付録のリブレットは仏葡英語です。

 あ、やっぱりペソーア自身のメッセージの中にこんな一節がありました。

「この音楽集は、曲作りと仲間たちとのつきあいの産物です。ブラジル北東部ペルナンブコ地方の姿そのままの混淆をみせるだけでなく、わたしが最近ツアーで訪れたフランスとオクシタニー(南仏)にも目を向けています。そして諸民族の文化的再会と、文化の革新的結合への可能性を提案しているのです。でもまあ、そういうことは新しい未来のこととして置いておいてください。

楽しくお聞きくださいね。

シルヴェリオ・ペソーア  フランス、サンテミリオン山にて。2005年6月19日」

いいですね、これ。(^_^)
マッシリア・サウンド・システムとかを連想したわたしの印象は間違ってなかったですね。よかったよかった。

ちなみにこのメッセージはフランス語とポルトガル語だけで、英訳はありません(別に英語しか読めない人にいじわるしたわけじゃないと思いますよ。こういう付属リヴレットってページ数が限られているからやむなく割愛したんでしょう)。
CD自体 L'Autre Distributionというフランスの会社が配給してます(電話番号02ではじまってるから、ええとどっち方面だったかな。パリじゃないですね)。

フランスとかフランス語って、こういうところでひょいっとささやかな存在感を持つんですよね。でも英語だけやってる人がこういうのに出くわしたときの反応はたいてい「なんだ、英語になってない部分があるじゃないか」というものにしかならなくて、フランス語の存在に対して「いまいましさ」を覚えるみたいに思うんですよね。そんなこんなで、フランス語っていじめられるんですよ。フランス語って損だなあ、ぶつぶつぶつ・・・(フランス語系人の典型的ボヤキ。 (;_;) )  07.04.29.

[表記法など一部修正しました。07.04.30]
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